磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原発を拒んだ町 巻町の民意を追う

2008年04月05日 | 読書日記など
『原発を拒んだ町 巻町の民意を追う』
   新潟日報報道部・著/岩波書店1997年

なぜ、原発は安全なのに建設されるところに巨費が補助金として支払われるのでしようか? 風評被害のことは厳しく訴えるくせに、矛盾としか思えない。危険だからこそ、巨費が払われるとしか思えない。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「一九九六年八月四日、新潟県巻町で原発建設の是非を争点に全国初の住民投票が実施された。国策に対する地域からの初めての意思表示として、民意は何を問いかけたのか。真の地方自治が課題となっている現在、巻町の民意が提起した問題は明治以来の日本政治のシステムのあり方まで疑問を投げかける。地元記者たちが追った渾身のルポ。」

帯にはこう書かれてありました。下「」引用。

「空洞化する民主主義は甦るか
全国的な民意のうねり--その“さきがけ”となった新潟県巻町の住民投票、原発拒否から始った、“まちづくり”という地方自治の再生に向けた運動の記録。」

住民投票があっても、「たなざらし」の状態におかれたという。下「」引用。

「「国は『東北電力が計画を取り下げない以上、撤回は難しい』と言い、電力は『巻原発は国の基本に入っており、私らが勝手に取り下げるわけにはいかない」と言う。それぞれの立場でできることをやってもらえないのか」
 住民投票の結果を受けて九六年九月五、六日に東北電力と通産省・資源エネルギー庁に巻原発計画の撤回を求めた笹口孝明町長は、どちらにも「民意」の届かないもどかしさを率直に語った。
 同電力とエネ庁は、笹口町長が要望した八島俊章社長や江崎格長官との直接会談には応じず、応対した佐藤晃郎電力副社長や藤田昌央エネ庁開発課長が撤回の見通しは極めて薄いと示唆することで、町長のいう「巻町民の総意」を実質“たなざらし”にした。」

そして、お金はすでに使われていた。下「」引用。

「東北電力本店(宮城県仙台市)の倉庫に一通の稟議書が眠っている。稟議書には七七年十一月、当時の若林彊社長が巻待ちの玉木鹿蔵議長に送った“念書”が記されている。「電源三法交付金以外も町の事業に誠意をもって協力します。何とぞ意のあるところをお酌み取り下さい」
 町議会きこれを受け、同年十二月に原発建設同意を決議。同町には八○年から八五年までに合計三十一億二千六百万円の原発協力金が支払われ、中学校けんせつ、病院増築などさまざまな事業に充てられた。
 巻原発1号機が建設されれば、電源三法交付金四十三億円余りが入るという試算がある。既に町の財布には、その七割に匹敵する金額が入った計算になる。
「他の町村は乏しい財源をやり繰りしているのに、たかりそのものだ」と、ある原発反対町議は憤る。
「三十一億円の額もすごいが、それを頭金にしていろんな事業に手を出した。町の借金が膨らんだ原因だろう」と非難する。
 原発反対派からは、協力金のせいで町に依存体質が染みついてしまい、町政に工夫や努力がなくなったという指摘もある。」

まったく、カネ・カネ・カネですね……。
--ボクもなくって困っていますが……。


地域エゴとは……。下「」引用。

「「反原発イコール地域エゴと言われないためには全国に共感が得られる代替案を出すことも大事では」と小林さんはエネルギー政策の面から提言する。」

反原発の人が地域エゴ?
冗談をよくいえたものですね。

--もし、チェルノブイリ・クラスの大事故が起きたら、ほとんど日本の人は大変なことになる。
そんなものを作らせてしまって、大金を手に入れた地域こそ、地域エゴじゃないでしょうか?
出世のために作る官僚・学者・企業マンのエゴにもあきれます……。


巻原子力発電所

今では新潟市のようです。
--くわしくはここをクリックしてください。






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