XII.魔法かもしれない?
BA155.月
マウスをカチャッとクリックした。カーテンの端から月が見える。
あの月をユリカも見ているかもしれないと思う。あの時は楽しかったな。一日子供に戻れたとき、私はユリカの気持ちが少しわかったわ。私と反対の性格をしている子どもだけれど、彼女は彼女なりに精一杯生きているのよね。
月は何も言わないけれど、優しく微笑んでいるように見える。
一方、献血マニアの男も、うっとりと月を眺めていた。
「月かあー! 月なんて何年も見た記憶がないなあー」
石井はあやちゃんを抱いてテレビを見ていた。放送が終わり暗くなっている部屋で考えこんでいた。こんなテレビ放送があったのかと、不思議に思っていた。
でも、新聞の番組表にはなく、また、インターネットで検索して、世界各国の番組表を調べてもなかった。まさか、魔法だなんてことはないだろう。こんなテレビ番組も、今のSFXの技術では、簡単に作りだすことができるだろうと石井は思った。
しかし、おもしろい番組だったと思う。そして思い起こしている。いろいろな魔法使いの物語があるなあー。『魔女○○』『魔法○○物語』『奥様は○○』……数えだすと止まらない。ドラマにアニメーションにとその数は多い。それに、童話にもたくさん出てくる『白雪姫』『シンデレラ』……、ずいぶんあるものである。
魔法に人間は憧れているのだろう。
しかし氷の女王を思い出した。冷たい氷の女王の魔法はけっして、憧れの対象ではない。
「そう、あの魔法使いのおじいさん、ディスカール、愛称カールはいいことを言っていたもんだ。ぼくらは魔法という便利でかつ不思議な力に憧れていることだろう。確かにそうだろうけど。それだけじゃない、魔法には愛情が必要なんだよ。愛情に裏付けられた魔法が必要なんだよ」
そして、魔法でなくても我々が持っている科学も同じではないだろうか。愛情に裏打ちされた魔法、いや科学でなければ、それは恐怖の対象でしかないのではないだろうか。
鞄から、本をだす。有吉佐和子の『複合汚染』が出てくる。有吉佐和子は機械を否定したわけでもなけば、農薬を否定したわけでもない。農薬を使わなければ、栽培できない農産物だって確かにある。
しかし、日本には農業暦というのがあって、農薬を必要でなくとも撒くことが当たり前にされていた時代がある。虫がついてからでも、間に合う場合もあるのである。
内容のある本である。今の多くの日本人は農業を軽視している。しかし、そんな中でも農業がどんなに大切なものか、考えている人たちはいる。農業を仕事にしていなくとも、農作物を口にしない人はいないだろう。そして、ダイオキシンや酸性雨……、もう公害は身近なものになってきている。
『沈黙の春』はDDTなどが効力を見せはじめたときに出版された。それにたいして農薬を作ってるメーカーやメーカーに関係した人たちが反論した。それは、彼らの仕事を守るためという感じがしてならない。
『沈黙の春』のレーチェル・カーソン女史もけっして、農薬を使うな! とは書いていない。あまりにも、効能だけを信じて周りのこと環境のことを考えていないから警告したのである。
石井は、ベンチャー・ビジネスを始めたいと思っている。その石井にとって、企業の人たちのことは、他人ごとのようには思えない。しかし、考えてみれば、それは企業の人たちの生命の危機でもあるわけである。
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ありがとうございます。
[レインボー・ループ]もくじ
BA155.月
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あの月をユリカも見ているかもしれないと思う。あの時は楽しかったな。一日子供に戻れたとき、私はユリカの気持ちが少しわかったわ。私と反対の性格をしている子どもだけれど、彼女は彼女なりに精一杯生きているのよね。
月は何も言わないけれど、優しく微笑んでいるように見える。
一方、献血マニアの男も、うっとりと月を眺めていた。
「月かあー! 月なんて何年も見た記憶がないなあー」
石井はあやちゃんを抱いてテレビを見ていた。放送が終わり暗くなっている部屋で考えこんでいた。こんなテレビ放送があったのかと、不思議に思っていた。
でも、新聞の番組表にはなく、また、インターネットで検索して、世界各国の番組表を調べてもなかった。まさか、魔法だなんてことはないだろう。こんなテレビ番組も、今のSFXの技術では、簡単に作りだすことができるだろうと石井は思った。
しかし、おもしろい番組だったと思う。そして思い起こしている。いろいろな魔法使いの物語があるなあー。『魔女○○』『魔法○○物語』『奥様は○○』……数えだすと止まらない。ドラマにアニメーションにとその数は多い。それに、童話にもたくさん出てくる『白雪姫』『シンデレラ』……、ずいぶんあるものである。
魔法に人間は憧れているのだろう。
しかし氷の女王を思い出した。冷たい氷の女王の魔法はけっして、憧れの対象ではない。
「そう、あの魔法使いのおじいさん、ディスカール、愛称カールはいいことを言っていたもんだ。ぼくらは魔法という便利でかつ不思議な力に憧れていることだろう。確かにそうだろうけど。それだけじゃない、魔法には愛情が必要なんだよ。愛情に裏付けられた魔法が必要なんだよ」
そして、魔法でなくても我々が持っている科学も同じではないだろうか。愛情に裏打ちされた魔法、いや科学でなければ、それは恐怖の対象でしかないのではないだろうか。
鞄から、本をだす。有吉佐和子の『複合汚染』が出てくる。有吉佐和子は機械を否定したわけでもなけば、農薬を否定したわけでもない。農薬を使わなければ、栽培できない農産物だって確かにある。
しかし、日本には農業暦というのがあって、農薬を必要でなくとも撒くことが当たり前にされていた時代がある。虫がついてからでも、間に合う場合もあるのである。
内容のある本である。今の多くの日本人は農業を軽視している。しかし、そんな中でも農業がどんなに大切なものか、考えている人たちはいる。農業を仕事にしていなくとも、農作物を口にしない人はいないだろう。そして、ダイオキシンや酸性雨……、もう公害は身近なものになってきている。
『沈黙の春』はDDTなどが効力を見せはじめたときに出版された。それにたいして農薬を作ってるメーカーやメーカーに関係した人たちが反論した。それは、彼らの仕事を守るためという感じがしてならない。
『沈黙の春』のレーチェル・カーソン女史もけっして、農薬を使うな! とは書いていない。あまりにも、効能だけを信じて周りのこと環境のことを考えていないから警告したのである。
石井は、ベンチャー・ビジネスを始めたいと思っている。その石井にとって、企業の人たちのことは、他人ごとのようには思えない。しかし、考えてみれば、それは企業の人たちの生命の危機でもあるわけである。
閑話休題 魔法の弾丸=ペニシリンってご存知ですか。 ペニシリンは抗生物質ですね。 これによって、多くの人の命がすくわれた。 これも事実ですが、 今は抗生物質の多用で、 抗生物質に耐性をもった菌や ウィルスがうまれてきているといいますね。 魔法の弾丸だけに頼っていては、 やはり本当の健康を維持することも できないことかもしれませんね。 |
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[レインボー・ループ]もくじ
なんだか風邪薬も簡単に飲めなくなるような・・・
アナフィラキーショックって、怖いですよね~
ある日突然、体質変わって出たりして・・・(いや、老化・過労による免疫低下かも・・・?)
菌が強くなっていく反面・・人間は弱くなってるのかも・・・
でもカモミールティーはなんとなくいいですよ。
風邪薬の回数は減りましたよ。
いろいろ怖いですけど、検索してもいいページが見つかりませんでした。
頭痛薬でもこわいのがあります。
鎮痛剤には要注意です。
僕の父は大腸ガンでなくなりました。
実際の原因かどうかわかりませんが。
クロレラは大腸ガンの原因になると書く本もありました。
サプリメントは自然のものではありません。
人工の食品です。
一時、問題になりましたが、他国では日本で禁止されている
水銀なども使用されていましたね。
野菜ジュースでも人工の食品と考えられた方がよいそうですよ。
野菜なら、噛みますから、唾液で消化されますし、殺菌もされます……。
ジュースにすると、上の部分は通りすぎるだけなので、
消化されず、殺菌されないと考えるそうです。
そこまで、菜食主義の方で考えられている方もおられます。