磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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被爆のマリア

2006年10月19日 | 読書日記など
『被爆のマリア』
    田口ランディ・著/文藝春秋2006年

帯に書かれてあります。下「」引用。
「平和がいちばん怖い。
60年後の原爆小説!
無原罪のマリア像が見つめる。
現代の闇。著者渾身の問題作。」



この本には理解できない部分が多々ありました。
「磐神」宮野初子という本が事実として、
自費出版でだされたのでしょうか?
創作なのでしょうか?

このような本はこの本しかないように書かれています。
“いたこ”のような作品。
詩でならたくさんあるとボクは思います。

このことが出てくる前からも、井上光晴の作品を彷彿させるものがありました。

でも、免疫があるので、どうも若いころのようには受け止められませんでした。

この本の中でも、紹介されていたロバート・リフトンの「死の内の生命」。

この本を若いころ読んで怒ったのを思い出します。

秋葉さんも若いころには怒っておられました。

しかし、原田東岷によれば、日本語訳がよくないそうです。

このリフトンの本をほめる方は、他にもおられます。

実に意味深いことです。

すべての人は原爆にあったのです。
精神的にはそうだとボクには思います。
それほどの威力ですね。

そして、精神に大きなケロイドをもっている人たちがいます。
アメリカ人の方がその傷は大きいと思います。

精神的なものが理解できない方は、
「何のこっちゃ?」
となるかもしれませんね。

簡単に書けば、刹那主義に陥ったということです。
上辺だけでしか感じられなくなっています。
鉄火場のようにきったはったのような人生。

刹那主義と観念が交錯するドラマ。
まあ、こうなれば、何でも作者の自由です。

自由という地獄。平和という危険。

大きなケロイドをもたれています。

アダルトチルドレンについても出てきますが、観念的です。

天童荒太作品のように、立ち向かってはいません。

精神にできたケロイドをとりさるのは、薬でも外科的手術でも困難ですね。

自分自身で立ち向かうしかないのでは?

そして、なかなかとれるものではない。

精神のほうがやっかいと書く方もおられます。

それは自覚しておられない人の方にもっとひどいものですね。

核兵器、こんなものがなかったら、ボクらの人生もかわっていたと思います。






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