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弱者の居場所がない社会-貧困・格差と社会的包摂- 講談社現代新書 2135

2012年08月10日 | 読書日記など
『弱者の居場所がない社会-貧困・格差と社会的包摂- 講談社現代新書 2135』
   阿部彩・著/講談社2011年

図書館の説明文。下「」引用。

「「つながり」「役割」「居場所」から考える、貧困問題の新しい入門書。「社会的排除」に相対する概念で、社会政策の基本的な理念となる考え方「社会的包摂」について解説する。」



「社会的包摂」 下「」引用。

「特命チームは福山哲郎官房副長官(当時)を座長として、「派遣村」を始めとして生活困窮者への支援活動を長年行ってきた湯浅誠氏(現内閣府参与)、自殺予防対策に尽力しているNPO法人ライフリンクを立ち上げた清水康之氏(現内閣府参与)を座長代理として、内閣府、総務省、文部科学省、厚生労働省などの政府高官がメンバーとなった。「一人ひとりを包摂する社会」という長たらしい名前は、菅首相が所信表明にて述べた「誰一人として排除されることのない社会、すなわち『一人ひとりを包摂する社会』の実現を目指します」という文言から来ている。-略-
「社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)」とは何か。これは、従来の貧困のり考え方をより革新した「社会的排除(ソーシャル・エクスクルージョン)」に相対する概念で、平たく言えば「社会につつむこと」である。」

社会から追い出される……。下「」引用。

「たとえば、会社をクビになることは、ただ単に給与がもらえなくなるだけの問題ではない。厚生年金や健康保険などの社会保険から脱落することを意味し、職場の同僚などの人間関係を失うことや、社宅などに住んでいれば住宅さえ失うことにもつながる。
 さらに、失業が長引けば、職場外の人間関係にも支障が出てくるかもしれない。-略-」

「食料が買えなかったことがある」8世帯に1世帯

「治療しないでください」 下「」引用。

「「いくらかかりますかと診察中にたびたび聞かれる。5年前はまったくなかった」「1000円以内でお願いしますと言われた」という回答もあったそうである(朝日新聞ウェブサイト、2010年11月11日付)。」

「健康格差」 下「」引用。

「このように医療サービスを受けられるか否かが「懐具合」に左右されるという現実を見てくると、人々の健康が、その人が置かれた社会的地位によって異なるであろうということは容易に想像がつく。実際に、人々の社会的経済的状況によって、死亡率、さまざまな疾患にかかる割合、主観的健康感など、健康状態に差があることは、多くの国で確認されている。」

「格差はなぜ人間関係を悪化させるのか」 下「」引用。

「格差と人間関係の劣化を結ぶもう一つのリンクが自尊心である。格差が大きい地域や国においては、社会的地位が低い者は自尊心を保つことが難しい。自尊心を傷つけられたことに対する反応として、暴力に走ってしまうこともある。」

マタイ効果」 下「」引用。

「皆さん、「マタイ効果」という言葉をご存知だろうか?
 この言葉は、新約聖書の一節「持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまで取り上げられるであろう」(マタイ福音書13章12節)から名付けられた社会現象のことである。-略-」

イエズスが守銭奴の神であるなら、そうなるでしょうけど……。裸足の隠修士であった彼が財産を持てと教えたとはボクには思えないなあー……。

マタイによる福音書では、この文章の前文も読むほうがいいのでは? 下「」引用。

「「なぜ、彼らに譬(たとえ)でお話になるのですか」。
そこでイエスは答えて言われた、「あなたがたには、天国の奥義を知ることが許されているが、彼らには許されていない。おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。だから、彼らには譬で語るのである。それは彼らが、見ても見ず、聞いても聞かず、また悟らないからである。」

お金のことだと教える人たちは、持っているものまでも取り上げられることでしょうね。「天国の奥義」など知らないのですから……。










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