磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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『奄美の原爆乙女』&『中央文庫 女たちの数え歌 奄美の原爆乙女』

2006年01月12日 | 読書日記など
『奄美の原爆乙女』
   上坂冬子・著/中央公論社1986年

『中央文庫 女たちの数え歌 奄美の原爆乙女』
   上坂冬子・著/中央公論社1991年

*『中央文庫 女たちの数え歌 奄美の原爆乙女』は『奄美の原爆乙女』を改題したという。   

戦争が終わったからといって、
人々は平和に立ち返ったわけではなかった。
そういう一冊です。

差別について語られる本にはよく書いてあることです。
「あらゆる差別に反対しない限り、本当の差別反対にはならない」
ということ。

たとえば、障害をもっているとする。
障害者が障害者のための利益だけで努力していても、
それは企業が利潤をえようとすることと、
どこが変わりがあるのでしょうか?
と、そんなことを書く人がいました。

人権ということでは、大きく変わると、
ぼくは思いましたが……。
それから、女性問題も考えるようになりました。

奄美という美しい島にも、被爆者はいました。
原爆乙女といわれている人たちです。

それは戦争中には、奄美の名産品である
大島紬はぜいたく品とされて、
生産制限されていたのです。

奄美の若い女性は、挺身隊として、
長崎に工場で働くことになったのです。

そこで被爆されたのです。

被爆者の一人には子供に障害があらわれたそうです。
でも、因果関係は認められないという、
いつもの灰色裁定しかない。
しかし、これを真っ白のようにいう方もいます。

四十年して被爆者手帳をもらうことになる。
それは娘の縁談を考えてのことであったという。

水俣病のときも、患者たちは病気だけでなく、
差別と戦わねばならなかった。
「チッソ」の企業城下町といわれた所では、
それは苦しかっただろうと予想されます。

大江健三郎とは違い、
原爆というものに迫る作品ではなく、
聞き書きのドキュメント作品という感じですが、
これも後世の原爆研究に役立つことで、
有意義な仕事をされたと思います。



この美しい日本の国土を、
もう二度と広島や長崎のあったようなことを
繰り返してはいけませんね。

それは東京大空襲なども
同じことでしょう。

このような方の苦しみも忘れてほしくありません。







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