磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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アトミック・ハーベスト-プルトニウム汚染の脅威を追及する-

2009年08月19日 | 読書日記など
『アトミック・ハーベスト
  -プルトニウム汚染の脅威を追及する- Atomic harvest』
    マイケル・ダントーニオ(著)/
      亀井よし子(訳)/小学館1995年

この本でも日本の「ヒバクシャ」は活躍されています。
--核保有論者などは保有できる条件にもないのに、非現実的な人たちだとボクには思えます。

帯に書かれてあります。下「」引用。

「ワシントン州ハンフォード核製造工場
西側最大のプルトニウム製造工場を閉鎖に追い込んだ勇気ある人々の物語り。」



もっとも汚染された地域。下「」引用。

「西側世界ではもっとも大量の放射能に汚染されたハンフォードには、現在一七七基の廃棄物貯蔵タンクが設置されているが、その一基一基に一○○万ガロンにのぼる放射性化学物質が貯蔵されている。しかも、私がこの文章を書いている時点で、そのうち六八基からその内容物が漏出していることが明らかになっている。さらに、破裂のある可能性のあるタンクも数基ある。」

未来の世代に負債を残す……。

建設した人たちが悩んだこと=放射能から守ること……。下「」引用。

「ハンフォードを建設した人々-略-が苛立ったのはもっとも現実的な困難、たとえば、すべての機械を従業員を放射能から守るように設計しなければならいなという、不便さだった。プルトニウムの微細な粒子が一個肺や腸に入っただけで、ほぼ確実にがんが発生する。ところが、危険はプルトニウムによる汚染だけではなかった。
 操業が始まれば、大量の化学廃棄物と、トリウム、アメリシウム、セシウムを始めとする多くの致死的な放射性副産物が産出されるはずだ。-略-」

反対派農民とローン。下「」引用。

「多くの農民がそうであるように、ベイリーもローンの返済が一、二ヵ月分送れていた。しかし、それまではそれが問題になることは一度もなかった。銀行はおれを地域経済への脅威とみなしている。だからローンの完済を求めたのだ、と結論せざるをえなかった。」

「●グリーン・ラン文書とは?」、「●内部告発者、ケイシー・ルード」というタイトルの文章もありました。

閉鎖で節約になると……。下「」引用。

「政府高官は早い時期に、兵器計画に必要なプルトニウムはサバンナ・リバーでまかなえる、とひそかに結論を出していた。N原子炉の閉鎖で節約できる費用にめざとく気づいたヘリントン長官が、政府の損失を防ぐたことを決心し、ハンフォードの原子炉の運転を停止することを決めていた、というわけである。」

日本軍の転進とよく似た感じがします……。
--反省なしですね……。

「●「ヒバクシャ」の来訪」 下「」引用。

「一九八八年六月、被爆者がリッチランドを訪れたとき、地元の学校の生徒たちは、襟に「ボンバーズであることを誇りにする」と書いたバッジをつけ、ハンフォード・ファミリーのリーダーたちは反核声明のすべてに強烈な反撃を加えた。現に、年老いた男女からなる被爆者の代表団が到着する前に、ファミリーのリーダーたちの一人が『トライシティーズ・ヘラルド』に投稿し、彼らの訪問を激しい口調で非難した。そのリーダー、クリフ・グロフは、みずから第二次大戦の退役軍人の息子と明かしたうえで、原爆投下を決定したトルーマン大統領に対する伝統的な擁護論を仔細になぞった論を展開した。パールハーバーで、ウェーク島で、バターンで、タラワで日本軍によって奪われた人命を引いて、グロフはつぎのように書いた。
「職場と家庭の喪失に直面した人々は、この代表団が再びその事実を突きつけられるようなことを計画していることを心から喜ばしく思うだろう。」訪問者に対する彼らの敵愾心は、多くの住民の共有するものであった。」

平和のうちにやってきた「ヒバクシャ」……。下「」引用。

「暖かい初夏の午後、ハイスクールの教室で読み上げられた被爆者代表の手書きのオープニング・ステートメントは、彼が平和のうちにやってきたことを示唆していた。
「わたしはみなさんの気持ちと考え知りたいのです。二一世紀をすべての人類にとっての平和の時代にするには、どうするのがいちばんいいとお思いですか」と彼は問いかけた。-略-」

複雑な心境だったという……。下「」引用。

「第二次大戦のとき、日本人は敵だった。そしていまは経済的なライバルだ。しかしそうした思いよりももっと強かったのが、被爆者に抱く親近感だった。隣人たちの多くとは異なり、彼らは彼の怒りと不安を共有していた。」

どうしてこんなことが行われてきたか? 下「」引用。

「-略-最終的にその疑問解明の糸口を与えたのは、ビル・フーフ師のつぎのような言葉だった--核施設の欺瞞の担い手は「核の技術官僚(テクノクラート)たち」だった、そしてそのテクノクラートたちは大衆に毒を消した情報だけを与えることに慣れてしまって、「いつの間にか自分たち自身をも欺くという結果に落ち込んでいた」のだろう。フーフ師の見方では、四○年にわたるハンフォードの秘密主義は、冷戦という国家の緊急事態に正当化されて、普通なら政府が最も大切にするはずの民主的な価値観を損なうことにつながったのだろう、というのだ。」

歴史家も変わりつつある。下「」引用。
 
「日本は原爆投下のかなり前から降服のシグナルを送っていた、とする考え方が歴史家のあいだに増えているのだ。しかも、当時でさえ、原爆投下にかかわっていた人々の一部に、核兵器を使わなくても戦争は二週間のうちに終わっていただろう、という声があったことも明らかになっている。」

外国の調査は速やかにすすんだ……。
だが、退役軍人庁に頼んだ調査はすすまない……。







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