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科学史から消された女性たち-ノーベル賞から見放された女性科学者の逸話-

2011年01月22日 | 読書日記など
『科学史から消された女性たち-ノーベル賞から見放された女性科学者の逸話- ブルーバックス B-1502』
   大江秀房・著/講談社2005年

科学という世界も、構造的暴力がかなり激しいところだというのがよくわかる本でした。
実際は、もっとひどいだろうなあー。そんなひどい権威主義者に支配されていたら、どんどん科学が悪用されていくのも道理だろう……。

この本はいい本だと思うのですが、盗作であるようです。すべてが、盗作のように思えないのですが……。出版社からもお詫びが……。
あちらは古ぼけた本で、こちらは現代にも生きているような本のようにボクには思えますが……。



ノーベル賞と女性……。下「」引用。

「本書は、女性の社会的評価基準のひとつとしてノーベル賞をとりあげ、まずノーベル賞の歴史において女性がどのような扱いを受けてきたのかを明らかにした。次いで、代表的な七名の女性科学者について、それぞれが生きた時代の社会通念の中で、女性の家庭教育や学校教育がどのような制約を受けていたか、そして彼女らはそれとどう闘いながら自分の道を切り開き、特に新しい学問分野ですぐれた業績をあげたのか、を具体的に描き出した。-略-」

「噴水効果」 下「」引用。

「もうひとつ、本書を通じて注目してほしい点がある。それは、周囲の水を引き寄せる噴水のように、名の知られた科学者が周囲の無名の功労者たちから名声を吸い上げてしまう現象である。結果として、有名な科学者の名声はますます高まり、無名の科学者たちはしだいに忘れ去られてしまう。このような「噴水効果」ともいうべきことが、男女を問わず行われてきた事実は打ち消しがたく、しかも名声を吸い上げられた人の多くは女性たちであった。」

後ろ盾……。下「」引用。

「リーゼ・マイトナーの場合、ユダヤ人ということでナチスに追われ亡命せざるをえなかったという不幸な政治的事情が大いに影響していたであろう。他方のロザリンドの場合、もちろん早世したということもあるが、やはり「何の後ろ盾もない女性研究者」ということが大きく影響していたかもしれない。」

「第1章 二重らせん構造を決定づけたロザリンド・フランクリン」 下「」引用。

「他の追随を許さぬX線回析技術を武器に精密な写真を撮り、DNAの二重らせん構造を決定づけた科学者・結晶学者。しかし、その業績が正当に評価されぬまま三十七歳でガンに倒れた。」

本に描かれたロザリンド・フランクリン。それは、歪曲されているという。下「」引用。

「さて話を本題に戻そう。ワトソンの『二重らせん』のなかに“ロージィ”という名の人物が登場する。-略-史的出来事を扱った著述なのだ。とすれば、本書に登場する人々のうち、もはやこの世にはいないひとりの人物が、奇妙に歪曲され、実像とあまりにかけ離れた人物に仕立てあげられているのを見るとき、それを黙って見過ごすわけにはいかないだろう。」

もっとも貢献したのはロザリンド・フランクリン……。

DNA回折よりも高度な研究もしていたロザリンド・フランクリン。下「」引用。

「実際、一九五四年から一九五八年までの四年数ヵ月の間に、彼女がウィルスについて行った研究はおびただしい量にのぼり、全部で一七篇の論文を発表している。しかも、どれをとっても先進的な内容で、技術的にはDNA研究よりはるかに高度で、手腕がものをいう研究であった。」

実験物理学の女王「第3章 放射原子の反跳現象をはじめて観察したハリエット・ブルックス」

「第4章 核分裂の解明に尽くしたリーゼ・マイトナー」 下「」引用。

「劣悪な条件の実験室で、共同研究者ハーンと黙々と研究を続け成し遂げた業績。三度もノーベル賞候補に推されながら、ユダヤ人として追放され、苦闘の中で“核分裂”理論を完成。」

「原爆の母」と戦後。下「」引用。

「一九四五年八月、広島と長崎に原子爆弾が投下されたのを機に、アメリカの新聞が「六六歳のオーストリア人女性リーゼ・マイトナー博士が核分裂で生じる膨大なエネルギーを計算したことが原爆開発に大きな役割を果たした」と報じたことから、幸か不幸か、彼女はたちまち「原爆の母」とよばれるようになった。リーゼ自身は、折に触れて、原爆の開発にはいっさい関与していないことを弁明していた。」

「第5章 パリティは保存されないことを確かめたチエン-シュン・ウー」 下「」引用。

「学問への思い断ちがたく米国に渡り、放射性壊変の一種ベータ崩壊の第一人者となり、それまで常識とされていた「パリティ保存則」が破れることを、類(たぐい)まれなる実験で証明。」

M計画。下「」引用。

「一九四二年、バークレーに籍をおく大部分の物理学者たちは戦争目的の研究に駆り出されいた。例えば、オッペンハイマーは原子爆弾製造を目的とするマンハッタン計画を指揮するため、すでにニューメキシコ州ロスアラモスの国立研究所に出向していたのである。ウーは核分裂の権威者として認められてたが、その時点ではまだ、マンハッタン計画のグループに加わるよう要請されていなかった。」

コロンビア大学で原爆……。下「」引用。

「一九四四年三月、スミス・カレッジとプリンストンにおける二年間にわたる教育経験を終え、再び研究に戻ることになった。
 コロンビア大学の戦争研究部門(マンハッタン計画の一部)での担当は、原子爆弾製造用の高感度放射能検出器の開発であった。そして、第二次世界大戦終戦の翌年(一九四六年)には、コロンビア大学の上席研究員として残ることになった。
 この時期にウー女史は、自分が今後どのような研究テーマと取り組むべきかを真剣に考えたすえ、フェルミが一九三三年に提示した「ベータ崩壊の理論」を確かめる道を選んだ。」

もくじ

「第2章 抽象代数を確立したちエミー・ネーター」
アインシュタインとの出会い。

「第7章 アインシュタインを支え続けたミレヴァ・マリッチ」
離婚の危機。
アインシュタイン不倫。そして、離婚。

アインシュタインの印象がかわることが書かれてありました。

これも盗用のようで、『二人のアインシュタイン』に書かれてあるものらしい……。

二人のアインシュタイン-ミレヴァの愛と生涯-


科学史から消された女性たち

盗作はもちろん、いけないことでしょう。

消されたのは誰か?

だけど、構造的暴力はもっといけないことでしょうね……。
こっちも忘れてもらいたくないものです、一読者として……。
どうかして、これを簡単に安く伝えてもらえないものか?

【追加2011年2月4日】

お母さん、ノーベル賞をもらう

内容はよかったけど、タイトルはあわない気がする。

それぞれ、大変だったとしか思えない……。






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