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大震災に強い家づくり-福島県郡山の地域工務店発! 私たちは3.11から何を学んだか?-

2012年04月19日 | 読書日記など
『大震災に強い家づくり-福島県郡山の地域工務店発! 私たちは3.11から何を学んだか?-』
   野崎進・著/PHP研究所2012年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「いまだから語れる真実!
大地震、津波、原発、液状化…
被災した2002棟を徹底検証して
わかった「実態」「教訓」「課題」とは?
これからの家づくりに欠かせない
ポイントをあますところなく伝える!」



福島「誰もが考えたことのなかった事態が……」 下「」引用。

「この本を書き始めた二○一一年四月末、三月十一日の地震と津波の被害が甚大だった宮城県・岩手県もさることながら、その後避難区域が拡大していき、見えない放射能との闘いが続く福島県は復旧の立ち遅れが目立ってきていました。復旧どころかむしろ足かせは重たくなる一方で、浜通りから中通りでは家の窓も開けられない日常にあって、皆がこれからどうなるのかという不安を抱えて毎日を過ごしていました。
 その後、放射能汚染の実態が次第に明らかになっていき、子どもたちが放射線量計を身につけて生活するという、誰も考えたことのなかった事態が現実になってしまいました。本格的な猛暑となったこの夏、子どもたちは外で自由に遊ぶことができずにフラストレーションがたまり、お母さんたちは子どもの健康への不安を抱え、叫び出しそうな日々を過ごしていました。」

福島の経済ダメージ。下「」引用。

「また、福島県内の事務所を県外に移そうかと思案しながら、原発の行方を見守っている事業者が大勢いるとも聞きます。学校からは児童の転校が続き、人口の流失も深刻です。県の経済の中心にある中通りも大きな影響を受けているので、福島県の経済的なダメージは計り知れず、「取り残された福島」のイメージは、深刻な現実になってきています。」

住民の動向把握できず。下「」引用。

「比較的親しくしていた方を探して、あちこちの避難所に問い合わせてみてもわからない。避難者は全国各地に散らばってばらばらになってしまい、市町村さえ住民の動向を把握しきれていないのが実情です。「何かお困りのことがあればご連絡ください」というダイレクトメールを送りましたが、不在であれば当然見てはいないわけです。-略-」

「売上が半減するなか借金して危機を乗り越える」

「地震による被害は全壊も半壊もなかった」 下「」引用。

「当社の建てた家の約六割に何らかの被害があったわけですが、問題は、それらの被害がどのような内容で、被災時およびそれ以後の生活にとってどれほどの深刻度だったかということです。被害のあった家について、その具体的な箇所別にまとめてみました。福島県でお客さまから被害の申告のあった八一一軒について整理すると、表2とその下のグラフのようになりました。四月十七日時点のものです。-略-」

「被害から学んだ「震災に強い家」とは」 下「」引用。

「最大の結論は、「木造住宅はきちんとつくれば相当強く、巨大地震でも倒壊しない」ということです。それは、木造住宅の工法が地震の多い日本で培われてきたものだからと考えます。そして、この「木造住宅をきちんとつくる」の中身を分析すると、次のような項目としてリストアップできます。

1. しっかりした構造の家
・木造住宅の基本構造(架構)を守った設計をしている
・壁をバランスよく配置している
・大工の手刻みの材で組んでいる
・木材そのものが粘りを持つ(国産無垢材、天然乾燥の利点)
2. 屋根が軽いこと
・軽量のガルバリウム鋼板葺きがよい
3. 素材を選ぶ
・漆喰壁は強い(クロス壁よりひび割れしにくかった)
4. 造り付け家具を多くする
・茶箪笥や食器棚、本棚などを造り付けにする」

石油ファンヒーター役立たず。下「」引用。

「電気で動くエアコンや床暖房はいうに及ばず、プロパンガス以外のガスは止まり、石油は不足して買えない。たとえ手に入ったとしても石油ファンヒーターも電気を使うため役立たなかったからです。
 そんななかで自宅避難者を非常に助けたのが薪ストーブでした。-略-」

「時間帯によっては火災の危険があった薪ストーブ」 下「」引用。

「しかし、薪ストーブはよい面だけではないともわかりました。お客さまの被害状況調査では、ストーブの脚が外れた、本体が転倒した、ずれた、といった事態が八一一軒中一五三軒(福島県)もありました。ストーブが傾いても必ずしも蓋が開いて燃えている薪が外に出るわけではないにのですが、これには冷や汗をかきました。地震が起きたのが午後三時近くと、ストーブが点いていない時間帯だったのは不幸中の幸いであったと思います。時間帯によっては火災につながる危険があったことを考えると、これについて-略-対応する必要があります。薪ストーブの脚が外れることに関しては、早急に改良して脚が外れないタイプのものにする準備を始めました。」

「新型の省エネ危機の弱点があらわに」 下「」引用。

「薪ストーブの件でもわかったように、大きくて重厚な設備類は地震時にどうしても倒れる、ずれるなどの危険性があります。今回の震災で、エコキュート、エコウィルといった、近年登場したエネルギー機器の意外な弱点も現れてしまいました。-略-
 しかし、これら発電効率のよい新しいタイプのエネルギー機器はたいてい大型のタンクや設備を家の外に設置しなくてはなりません。それらの外部設備は、大きな地震が起こると転倒する危険性がたいへん高いのです。今回、私たちのお客さまの家では室内の蓄熱式暖房も含めてこういった転倒が三○件ありました。しかもこれらの外部設備はどれも内部が複雑な仕組みになっており、いったん転倒すると修理・回復はほぼ不可能なのです。」

太陽光発電。下「」引用。

「太陽光発電についてはす、以前、システムのシリコンやフレーム、架台(かだい)、取り付け金具などを製作する際に発生するCO2が気になり、調べたことがあります。その結果、システム全体の原料調達、輸送、製造、廃棄とリサイクルまで含めたCO2排出量は約二年間発電すれば収支がとんとんになることがわかり、私自身も試してみて、お客さまにお勧めしてきました。しかし前に述べたように、ソーラーパネルが屋根を重くするので耐震上はデメリットになります。もうひとつの懸念材料として、年月が経てば機器は当然劣化しますが、それがどの程度なのか、発電効率はどうなるのか、といった耐久性能への疑問がありました。これについて日々進歩していく各メーカーの製品を細かくチェックし、劣化が少ない製品を選択することで解決しています。」

太陽熱温水器。下「」引用。

「いま再び、太陽熱温水器が注目されています。-略-ただし、太陽熱を受けるパネルと貯湯タンクを切り離して、タンクを地面に置くタイプのものも登場しているため、その点は解決できそうです。」

オール電化は少数派に……。

今の電話機は停電したら使えない。
--ボクはこういう時のため、古いのを残してあります。黒電話でなくても、使えますよ。








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