NHKスペシャル ドラマ 空白の絵本

『NHKスペシャル　ドラマ 空白の絵本』
　　　司修・作/NHK広島放送台本　放送平成3年8月6日（火）

これはテレビ番組の台本です。広島を舞台にしたドラマで、樹木希林さんと、深津絵里さんが親子の役をされています。



幽霊戸籍というものがあるという。下「」引用。
「本来、生死が正確であるべき戸籍が原爆被災による一家全滅で、戸籍抹消手続きがとられぬまま残ったという現象。1965年（昭和40年）当時、原爆死没者問題に関心が高まる中で、広島市の戸籍簿には、安政生まれや元治、文久、慶應生まれといった当時で既に100歳を超えるような高齢者やその家族などが残っていることが判明した。戸籍上は生存でありながら、長期にわたって消息の絶えた生死不明、住所のない人が少なからずあり、その扱いについて広島市では、100歳に達したものは職権により自動的に除籍する、という措置をとることを決め、生死が確かめられぬまま戸籍から抹消されることが話題となった。こうした不明者は、原爆によって死亡したのに、死亡の届けを出してくれる人もないまま生き続けているのではないかとみられ、幽霊戸籍と呼ばれた。」

それで、空白なのだろうか？

広島の地名から、名字をとったという。下「」引用。
「おじさんから聞き出せたことといえば、私たちの名字の三好というのは、三と次と書くのだったけれど、それでは読み間違いされるからというので、三に好と書くようにしたのだということでした。広島の北の街の町名です。しかし、私も悪いのです。自分の両親のことなど、考える気もなかったのですから、けっきょく、おじさんの浮気が第一級の原因なのでしょう。」

絵本とも関係のある司修ですね。下「」引用。
「光子　建物を見ている限り、原爆の何も感じられません。そのままでは、やはり、絵本にはなりません。平和公園も、昔、そこが地獄のようであったなんて思えません。美しい公園を描いて、それだけでは絵本にはなりません。どうしたらいいのでしょう。」

目に見える美しさでは、それは工芸ではないか？　という人もいますね。
芸術はもっと中身のこと、精神だったり魂だという……。

ラスト……。下「」引用。
「テロップ。
これまで十数万人もの人びとの死を確認しようとしなかった責任は、おそらく広島だけが負うべきものではない『原爆爆心地』（志水清編）より」

再放送があったら、見たいと思いました。

しかし、統計より人間を大切にして欲しいと思う。
阪神・淡路大震災のときのことを思い出しました。

人間を大切にするから、統計を大切にされるのなら、それで良いと思います……。


樹木希林CM作品










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