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祇園信仰-神道信仰の多様性-

2011年01月01日 | 読書日記など
『祇園信仰-神道信仰の多様性-』
   真弓常忠・著/朱鷺書房2000年

祗園の神「まえがき」 下「」引用。

「祇園の神は、日本神話におけるスサノヲノミコトにほかならないが、多くの神々の中でも特に個性的な神として描かれていて、日本人にとっては強力な頼りがいのある神であり、古来、そのみ子オオナムチ神(大国主命)とともに最も慕われ親しまれてきた神である。しかし祇園神という場合の信仰は、スサノヲノミコト信仰とは多少ニュアンスが相違がある。
 それでは祇園神とはいかなる神か?
 祇園にの神は牛頭天王とも、天神神とも、武塔(むとう)神とも、祇園天神ともされてきた。人々の信仰は時代によって変遷を免れないが、ここに記すのは祇園神、祇園祭あるいはその信仰の中国や韓国との関わりについて、求められるままに語ったところを活字にのしたまでである。-略-」



大切にものを……。下「」引用。

「つまり、観光対象となって信仰が失われていくと共に、祭りは心を失い、文化を形成する営みしての町衆の活力も失われていくことに必定です。祭りがカーニバルになりかねません。そうなると山鉾巡行を「動く美術館」とも申しますけれども、生きた祭りとしてではなく、文字通りの過去の遺物の美術館・博物館であって、単なる珍しい遺物にすぎなくなり、人々の心を結びつけたり、震い起こす力を失いかねません。実は、そのことが一番恐ろしいわけであります。」

中国の影響。下「」引用。

「日本の文化は著しく中国の影響を受け、中国に学んでいますが、しかもなお日本のものとして発達し日本文化として成立していることをいうのです。
 神道もその点、固有の神祇の祭祀に根ざしてはいますが、中国の陰陽道、五行思想を色濃く反映し、分かち難く結びついてはいます。しかもなお、日本の神道であり、祇園信仰にしても、中国の文化をとり入れて発達していながら、そこに祇園祭独特の山鉾をもち、牛頭天王という鍾馗にも似た天王像をイメージしながら、日本の神、素戔嗚尊と習合しているところに特質があります。」

吉田神道と国学……。下「」引用。

「例えば、中世の吉田神道は、吉田兼倶の神道説を大きく顕露教と隠幽教に分けています。顕露教ではわが国の古典によって天地開闢以来の歴史に基づいて祭祀に顕れていますが、隠幽教のほうは、三元十八神道行事・宗源神道行事・唯一神道大護摩行事の三壇行事があります。そこには密教・道教・陰陽道が色濃く反映していますが、そこにこそ吉田神道の特質が窺えます。幕末までの神職は必ず吉田家の許状を受けなければなりませんでした。そういう吉田神道説は国学者によって排斥されましたが、我々はそのどちらかをとるか、という問題の解答を迫られていることになると存じます。それは必然的に明治の神祇政策をどう評価するのかという問題になると存じます。」

もくじ

地方との交流「全国祇園祭」 下「」引用。

「このたびの全国祇園祭では、それぞれのお国ぶりを競いつつも、ともに祇園さんという神を中心に入洛し、祇園祭に参加しました。主催者側では、この各団体に京都における各種団体、JC、京都こだわりの会、若衆会、ローターアクト、地元商店街等々の人々に迎え送り、接待の一部をボランティアで引き受けていただきました。-略-」

成功した全国祗園祭。下「」引用。

「全国祇園祭はっ、建都一千二百年という「天の時」、京都の祇園という「地の利」、そして京都の人々と地方の人々との「人の和」という三つが、祇園さん、八坂神社のもとに結集されて、未曾有の成功をおさめました。-略-」







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