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「戦後70年、米国の犯罪を含め先の戦争を徹底検証せよ①」

2015-08-03 07:14:23 | 日本

篠田芳明さんの論文 「戦後70年、米国の犯罪を含め先の戦争を徹底検証せよ」を要約し2回にわたり記す。



野生生物のドキュメンタリー番組などを見ると生きとし生きるものにとって弱体化したり、油断や隙が命取りになることは自然界の鉄則として我々は良く認識している。人類もその例外ではないはずだ。しかし、そのような観点から日本の現状を眺めて心配なのは、昨今この冷厳な鉄則を忘れ「人類だけは他の生物とは違って知性豊かでそのような野蛮性から解放された例外である」と思っているらしい人が多いと感じることである。

日本人が「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求して」安全で住み心地の良い文明社会を謳歌していることは実に喜ばしい。

しかし自己の生存のため安全保証となる最後の砦、すなわち力を担保せず、お題目を唱えるばかりで、逞しく生きようとする姿勢を喪失して「安全はタダ」との幻想を抱いている風潮は心配この上ない。

その大きな原因の1つが、今生きている多くの日本人に最も密接で重要な近代史が義務教育で正確に教えられていないことである。


◎真実は何かを見極めるべき

世に言う「大航海時代」以降、危険極まりない国際環境の渦中で先達が生き延びるため必死に努力してきた事実や工夫・逞しさ・勤勉・実直・礼儀正しさなどの日本民族の軌跡をわざと回避して自虐史観のみが強調され、日本人としての誇りを喪失していることは誠に遺憾である。

軍事と聞けば野蛮であり軍隊は知的レベルの低い暴力集団(前政権では暴力装置)と捉えて蔑む自称知識人とその言説の尻馬に乗って我が意を得たりとする人も多い。

とりわけ、最近日本周辺で顕在化している危機をも無視し「集団的自衛権は要らない!」とまで宣う大政党の党首が国会で声を張り上げて言うに至っては「何をか況わんや」の情けない状況である。

この現状に接し、私は日本に生を受けた1人として浅学非才を省みず、日本民族がこの地球上に幾久しく存在し、古来の優れた伝統・文化を継承するとともに他民族の人達と共存しつつ、誇りを持って逞しく生き「繁栄する道」を探りたいと思う。

大東亜戦争の末期、帝国陸海軍は国力の限界を超えた外地にまで軍を派遣し尽くして、本土には戦闘力の空白が生じ無防備状態になった。米軍でさえ、無抵抗の我が国土にはもう爆弾を投下する意味もないと思うほど、ほとんどの都市を廃墟同然に破壊し、日本は悲惨な状態で敗戦を迎えた。
さらに、日本を占領した米国は我が民族が二度と立ち上がることのないいように徹底した精神的な骨抜き政策を推進したことは衆知の事実であるが、最近秘密解除になった“War Guilt Information Program”(略称「WGIP」、以下この略称で表す)からもそれが証明された。

ここでお断りしておくが、本論は過去を論(あげつら)って特定外国の行為を非難し恨み辛みを述べたいのではない。ただ、敗戦に乗じ日本民族に対する仕打ちがあまりにも理不尽かつ不当であった事を糾弾して我が民族の名誉と誇りを回復したいと願うだけである。


◎安倍総理の戦後70年談話

今年は戦後70年の節目にあたり、安倍晋三総理が出す談話が世界的に注目を浴びており、戦後を多角的に総括するため可能な限り見直をしてほしい。その筆頭に挙げられるのは極東裁判であり、中国や韓国の言いがかりである。

日本にとって短慮な政治家が過去に根拠も確認せず発信した政治的に過剰な譲歩の言質での誤解による失地を回復する非常に良いチャンスである。

もちろん、日本の戦争犯罪が確たる証拠に基づき明らかであれば、潔く認めて談話に言及する必要があるし、その後明らかになった戦勝国の史観に誤りがあって我が国を貶める事案があれば当然勇気を持って糾すべきである。

真実は1つであり、安倍談話は歴史に残る重要なドキュメントになることは間違いない。時間とともにメッキが剥がれるような嘘・偽りを排除して短期的な損得を超越し、今日までに判明している正確な証拠を積み上げて他国の圧力に屈することなく、日本国・民族の真心を世界に示し、誇りを取り戻さなければならないと思う。


◎不当な極東国際軍事裁判

特に日本が名誉を回復するうえで着目すべき重要な事項は、米軍が犯した不当行為、すなわち当時でも国際法違反であった無抵抗な一般市民に対する計画的な無差別爆撃である。

彼らにとって非常に後ろめたい残虐な行為を正当化するため手の混んだ工夫が極東国際軍事裁判である。

これは日本帝国の残虐さをでっち上げ、すべての戦争責任を日本帝国に押しつけた演技であった。だからと言って、いまさら米国の非を論うつもりは毛頭ないが、より正確な過去の経緯をお浚いして見ることは必要と思う。
何よりも私が納得できないのは「A級戦犯に囚われた方々がどの様な犯罪行為をしたか?」と言うことである。

米国・英国などに対して確かに「宣戦布告」をしたことは事実で、最高責任者だった東条英機首相は陛下の思召しと真逆な方向に国家を導いてしまった開戦当日、その非力に密かに号泣したと聞く。

宣戦布告が手違いで遅れ、結果として騙し討ちになった(それ以前に日本海軍軍艦が公海上で米国の攻撃を受けて沈没していたことや米国の空軍=フライイングタイガーズ社が開戦前から中国軍に荷担して日本軍と交戦していた国際法違反の事実は裁判では闇に葬られている)ことも事実であったが、宣戦布告は国際的に交戦規定として定められた主権国家の権利で全く犯罪とはならない。

また、大東亜戦争中に彼らA級戦犯とされた方々が死刑に相当する巨悪を命じた形跡は全く見当たらない。あまつさえ「平和に対する罪」、「人道に対する罪」などは終戦後、日本軍に戦争責任を押しつける苦し紛れの後付犯罪項目であるが、それでさえ「南京事件や所謂従軍慰安婦強制連行」も確たる証拠がなく、最近ではWGIPの結果から捏造された事案として濃厚に浮かび上がっている。

それにひきかえ、米国戦争指導者たちはどうであったか?
明白な事実だけを捉えても「人道に対する罪」の筆頭に挙げられる東京大空襲や広島、長崎への原子爆弾の投下を命じたことである。

東京大空襲では都市住民居住区の外周に焼夷弾で火炎の壁を作って幼児老人婦女子多数含む一般住民を閉じ込め、その密集する檻の中に爆弾を投下する大殺戮、さらには広島、長崎への原子爆弾の投下はその規模において人類史上類を見ない極悪な戦争犯罪である。

細かくこのようなことを列挙して当時の米国指導者をいまさら攻撃しても仕方ないが、これらは戦争の早期終決を図り犠牲者を極限するため止むを得ない作戦であったと言い訳をしている。

それならば、何の軍事的価値もない東京の下町や広島・長崎の住宅地ではなく、近傍に所在した日本帝国の大きな軍事施設がある横須賀・呉・佐世保を攻撃目標に選定しなかったのか?

ここで私が主張したいのは、日本首脳陣だけに対する言われのないでっち上げの犯罪でA級戦犯とされた方々の無念を思うとともに、彼らと日本の名誉を回復してほしいと願うその一点だけである。
我が国首脳陣はその当時日本が置かれた経済封鎖という事実上の宣戦布告に相当する苦境にもかかわらず、戦争を回避すべく獅子奮迅の努力をした。

しかし、米国を主とする国際連盟からはリットン報告書をはじめ無理難題を次々と浴びせられ、逃げ場を失ってしまった。国力が天と地ほど違う米国を相手に「開戦するなど常識ではあり得ない馬鹿げたこと」と今でこそ言えるがそれほど日本は追いつめられていた。

一方米国は「日本を極限まで窮地に追い込み何時開戦か」と余裕綽々で満を持して待ち構えていた。











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