「假使興害意 推落大火坑 念彼観音力 火坑変成池」
けーしーこうがいいー すいらくだいかーきょう
ねんぴーかんのんりき かーきょうへんじょうちー
「誰かが貴方に悪意を持ち、危害を加えようと思って火の燃え盛る穴に突き落としたとしても、観世音菩薩の力をしっかり信じていたら、火の穴はすぐさま池に変わるでしょう」
「或漂流巨海 龍魚諸鬼難 念彼観音力 波浪不能没」
わくひょうるーごーかい りゅうごしょーきなん
ねんぴーかんのんりき はーろうふーのうもつ
「大海に漂流してしまい、龍や魚・怪物に襲われても、観世音菩薩の力をしっかり信じていたら、溺れて海の藻屑になってしまうことはないはずです」
「或在須弥峯 為人所推堕 念彼観音力 如日虚空住」
わくざいしゅーみーぶー いーにんしょーすいだー
ねんぴーかんのんりき にょーにちこくうじゅう
「須弥山(高い場所)の上から、誰かが貴方を突き落としたとしても、かの観世音菩薩の力をしっかり信じていたら、太陽のように空中に留まるでしょう」
「或被悪人逐 堕落金剛山 念彼観音力 不能損一毛」
わくひーあくにんちく だーらくこんごうせん
ねんぴーかんのんりき ふーのうそんいちもう
「悪人に追い詰められ、金剛山から落とされたとしても、観世音菩薩の力をしっかり信じていたら、毛髪の一本のさえも傷つけられません」
「或値怨賊繞 各執刀加害 念彼観音力 咸即起慈心」
わくちーおんぞくにょう かくしゅうとうかがい
ねんぴーかんのんりき げんそくきーじーしん
「自分を恨む賊に、それぞれが刀を手に取り危害を加えようとしても、観世音菩薩の力をしっかり信じていたら、彼らはすぐに慈しみの心を起こします」
「或遭王難苦 臨刑欲寿終 念彼観音力 刀尋段段壊」
わくそうおうなんくー りんぎょうよくじゅうしゅう
ねんぴーかんのんりき とうじんだんだんねー
「悪政に虐げられ、死刑を宣告されて正に刑執行の時、観世音菩薩の力をしっかり信じていたら、振り下ろされる刀は粉々に壊れてしまうでしょう」
「或囚禁枷鎖 手足被柱械 念彼観音力 釋然得解脱」
わくしゅうきんかさー しゅ-そくひーちゅうかい
ねんぴーかんのんりき しゃくねんとくげーだつ
「牢に閉じ込められて縄や鎖で拘束され、手足を枷で縛られても、観世音菩薩の力をしっかり信じていたら、すぐさまそこから逃れられるでしょう」
「呪詛諸毒薬 所欲害身者 念彼観音力 還著於本人」
じゅそーしょーどくやく しょーよくがいしんじゃー
ねんぴーかんのんりき げんじゃくおーほんにん
「誰かが呪いやまじない、毒薬で、危害を加えようとしても、観世音菩薩の力をしっかり信じていたら、その呪いは本人の元に返ってしまいます」
「或遇悪羅刹 毒龍諸鬼等 念彼観音力 時悉不敢害」
わくぐーうあくらーせつ どくりゅうしょーきとう
ねんぴーかんのんりき じーしつぶーかんがい
「低級な神々や、毒龍や鬼神に遭遇しても、観世音菩薩の力をしっかり信じていたら、害されることはありません」
「若悪獣圍繞 利牙爪可怖 念彼観音力 疾走無邊方」
にゃくあくじゅういーにょう りーげーそうかーふー
ねんぴーかんのんりき しっそうむーへんぼう
「恐ろしい獣に取り囲まれ、鋭い牙や爪を持っていても、観世音菩薩の力をしっかり信じていたら、たちまちにどこか遠くへ逃げていってしまうでしょう」
「玩蛇及蝮蠍 気毒煙火燃 念彼観音力 尋聲自回去」
がんじゃーぎゅうふつかつ けーどくえんかーねん
ねんぴーかんのんりき じんじょうじーえーこー
「イモリやヘビまたはマムシやサソリが、毒の息や炎を吐き出していても、観世音菩薩の力をしっかり信じていたら、どこかに行ってしまうでしょう」
「雲雷皷掣電 降雹濡大雨 念彼観音力 應時得消散」
うんらいくーせいでん ごうばくじゅーだいうー
ねんぴーかんのんりき おうじーとくしょうさん
「雷が鳴り稲妻が落ち、雹が降って大雨になっても、観世音菩薩の力をしっかり信じていたら、その瞬間に嵐は静まってしまいます」
「衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力 能救世間苦」
しゅうじょうひーこんやく むーりょうくーひっしん
かんのんみょうちーりき のうぐーせーけんくー
「生きとし生けるものが困難や災いで、ひどく苦しみに打ちひしがれるのを、観世音菩薩はすぐに察知して、世間の苦しみを救済して下さいます」