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映画評と映画与太話

LOOPER/ルーパー(2012)

2013-01-22 | 映画評・SF系活劇
ジョゼフ・ゴードン・レヴィットの30年後がブルース・ウィリスっていうのはどうよ、とか見る前は思ったけど。

舞台は2044年。今から約30年後だ。
だがしかし、掃き溜めのような街の中に未来的な様相はない。30年前(つまり今)のスクールバスの中古みたいなのが走ってるし、主人公のジョー(ジョゼフ・ゴードン・レヴィット)の部屋にも未来グッズ(?)は無い。20世紀のどこかといわれてもそうかなと思えちゃうような、そして退廃というより、自暴自棄な感じが漂う。

30年後からタイムマシンで送り込まれてくる人を射殺して死体を始末するのがルーパーという仕事。ジョーはルーパー稼業の謝礼の銀の延べ棒を貯めこんで、ええと、フランスに行きたいのは何故だろう?

SF近未来ものというより、タイムパラドックスを小道具に使ったアクションものと思ったほうがいいだろう。
やんちゃ歴30年以上のオールド・ジョー(ブルース・ウィリス)の無敵ぶりはダイ・ハード!
ルーパーを牛耳るエイブ(ジェフ・ダニエルズ)の親分振りとか、手下のキッド・ブルー(ノア・セガン)の依存的ガキ振りとか、ある意味、ステロタイプ。
それでいて、体を張って自活するスージー(パイパー・ペラーボ)とか、全くセリフのないオールドジョーの妻(シュイ・チン)とか、女性の扱い方が作品がウェットにならないポイントなのかも。

「ダークナイト ライジング」で「この人、ロビンかも」という役どころを演じたジョゼフ・ゴードン・レヴィット、本作の役がとても合っている。
プロデューサーとしても名前が挙がっているようだが、そういうところが影響しているのだろうか。
B級といえばB級な作品なのだが、印象に残る。
アクション映画の好きな人ならお薦めする。是非割引の日に < こら

以下、ネタバレなつぶやきなので、黒文字にて。


後半になってやっと未来的な小道具が出てくる。オールド・ジョーが操る端末とか、エアバイクとか。始めのほうでセス(ポール・ダノ)が手に入れたのに動かないっていってたの、アレだったのねん、あれで乗り付けたらかっこいいかも。
カエルの通信手段を提供した時点で、シド(ピアース・ガニォン)がレインメーカーだと大抵の人は察するんじゃないかな、頭のよすぎるガキだ。
シドが階段から転げ落ちた時点で飛びだしたサラ(エミリー・ブラント)、息子を助けるのかと思いきや…。ああいう人間と一緒に生活するには自衛も大事なポイントなのねん。息子を傷つけないためにも(^^;
しかし、念力の強すぎるコドモってX-MENみたいなオチだな。
いいのかな、こんなんで。

舞台設定としてはいろいろ疑問の残る点もある。
身元が割れるから殺せないって、高熱で焼却しちゃえばなにも残らないんじゃ? タイムマシンで送る必要ない気がするのだが。
途中、世界がパラレルに存在することをほのめかすような場面の繰り返しが出てくる。いくつかあるスレッドの一つの上に存在するオールド・ジョーだが、自分のスレッドの過去に干渉すると…、そのへんがモヤモヤ。
セスにしてもジョーにしても、腕に文字が浮かび上がってくるのは何故? 何が組み込まれている? ルーパーになる時に何かを埋め込まれるのかな。


なんのかんのいって、「ループを閉じる」という状況が新しい(?)と思った。


萌え度:
好き度:
鑑賞:劇場(2013.1)

原題:Looper
監督:ライアン・ジョンソン
配役:ジョゼフ・ゴードン・レヴィット(ヤング・ジョー)
ブルース・ウィリス(オールド・ジョー)
エミリー・ブラント(サラ)



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