萌映画

映画評と映画与太話

シュツットガルト・バレエ「眠れる森の美女」(2008)

2008-11-27 | 舞台
シュツットガルト・バレエの「眠れる森の美女」を見てきた。(2008年11月23日 東京文化会館)
もう再演しないんじゃないかと半ば諦めていたマリシア・ハイデ演出版だ。これ、カラボスがイケてるんだよね。

東京では3公演あるうち、王子がフリーデマン・フォーゲルのやつを選んでみた。いとしのロミオくんである。(過去記事参照)
結果、王子は誰でもよかったかなと思ったのだが…。

「眠れる森の美女」は、登場人物が悩んだり悲恋したりするお話ではないので、ハイデ版も筋書きにひねりはない。
求婚王子たちがかっこよくて、魔女カラボスが強烈なだけ。
でもこれが重要(^^;

筋書きは民話などと同じ。
第一幕:ある国の国王夫妻に女の子が生まれて、誕生祝賀会に妖精たちが招待され、それぞれが姫に祝福を授ける。
が、招待リストから魔女カラボスが漏れていた。立腹したカラボスは16歳になったら姫は死ぬと呪いをかける。が、リラの精が死ぬのではなく眠るだけと呪いを和らげる。

幕が開くとダンサーたちがストップモーションのごとく静止している。かっこいー。貴族たちの青いドレスがおしゃれ。
なんとかの精たちはまあ、それなり。リラの精だけちょっと偉そう。
そして、出たー、乱入カラボス! この日はジェイソン・レイリー。そう、カラボスは男性舞踊手が演じるのだ。白塗りして、黒いドレスの裾を翻して飛ぶわ、走るわ、禍々しく場を席巻。
これだけ濃いキャラだとやっているほうも楽しそうだなぁ。

途中、成長するオーロラ姫とそれを見守るリラの精、その様子をうかがうカラボスっていうシーンが繰り広げられる。

さて、姫は16歳になりました。演じるのはマリア・アイシュヴァルト。なかなか安定感のある人だ。
東西南北4人の王子が求婚にやってくる。そのうち二人はヨーロッパ風で、黄色い人がちょっとオリエント風(おそらく東の王子)で、緑の人がやっぱりなんとなく異国風(南の王子?)。
求婚王子たち、粒ぞろいです。
こりゃ、オーロラ姫じゃなくても一人を選べって無理だぞ、とか思ってみたり。
パーティー客に紛れてフードをかぶったカラボス侵入。糸巻きのはりをしこんだ薔薇の花束を姫に渡して、姫、指にささって…。
「100年経ったら王子の口づけで目を覚ます」ってことに。リラの精は姫だけじゃなく、宮廷の全員をねむらせるんだな、これが。

第2幕:100年経ちましたー。
ということで、衣装がどことなく19世紀っぽい。アール・ヌーヴォー風?
薔薇が生い茂った宮廷の庭に狩りの貴族たちがやってくる。
王子登場。
王子、何故かひとりになりたがる。ナカマがみんなどこかへいってしまったところ見計らって、リラの精が王子にオーロラ姫の幻を見せる。
惑わされた王子、カラボスとひと悶着あったが、姫にチューして目覚めさせる。

ええと、フォーゲルくん、ちょっとやつれた?
ロミオから3年でずいぶん老けちゃった感じ。
うーん、まあ、「眠り」の王子だからこんなもんかなーという感じ。 

第3幕:結婚披露宴。
目覚めた宮廷の人たちと御伽噺の登場人物が参列する披露宴である。赤ずきんとか長靴をはいた猫とか青い鳥とかでてくるのである。
だけど、アリババと4つの宝石ってなに?
とりあえずパーティーだから細かいことは気にしてはいけない。
求婚4王子も国賓として参列している、が、100年も経ったらきみたちの国はもうないだろう、なんてことも…。

オーロラ姫、100年眠っていて16歳のまま、のはずが、何故か26歳くらいの貫禄がついていた(^^;
抜群の安定感で、難しいパ・ド・ドウをこなす。
王子、キャラ設定はともかく、体の線がきれいです。さすが王子。

最後に「ああ、悔しい」とう風情のカラボスも姿を見せるのだが、リラの精に追っ払われる。

カーテンコール、やはりカラボス絶賛でした。

シュツットガルトの演出は色彩もなかなか粋である。特に衣装は、米国のバレエ団だったら原色だろう、というあたりが深みのある色使いだったりする。
途中、照明の演出で、まわりがセピアに見えるっていう場面があって、これもかっこよかった。
いろいろ目の保養をさせていただきました。

センター・オブ・ジー・アース 3D(2008)

2008-11-25 | 映画評・SF系活劇
吹替えはやだなー、2Dでもいいから字幕はないかなーと思って探してみたけど見つからなかった「センター・オブ・ジー・アース 3D」。吹替えなら3Dじゃなきゃやだ、ということで、いつもとは違う映画館で見てきた。
さすが制作技術の進歩、3Dの不自然感はあまりなかったものの、やはり眼鏡のせいで彩度が落ちるのがなんとも。
元をかなりハデハデにつくっておかないとくすんじゃうね。

そして3Dならではのおもしろさだが、
魚が一番怖いです!

原作はジュール・ベルヌの「地底旅行」ということになっているのだが、筋書きはベルヌのそれを信奉していた研究者である兄の後を追って、アイスランドに調査にいったらそのままドボン、というもの。

10年前に行方不明になった兄の研究を引き継いだがうだつのあがらないトレバー(ブレンダン・フレイザー)、甥っ子のショーン(ジュシュ・ハッチャーソン)を一時預かりしている時に、火山活動が云々で、兄の形見の「地底旅行」の本の書き込みを参考にアイスランドへ。
手がかりを知ると思われる人物に会いに行ったら…、その人の娘である山岳ガイドのハンナ(アニタ・ブリエム)とともに現地調査へ。
そしてドボンですよ。

地底世界の冒険は見てのお楽しみ。
まあ、なにしろハンナのたくましいこと。脱帽ですね。演じるアニタ嬢は、おや、アイスランド人なんだ。設定にあわせてキャスティングしたんですね。

突っ込みどころはいろいろあるだろうが、原作のせいかもしれないし脚色のせいかもしれないし。
あいにくベルヌの原作の内容は忘れてしまったていたのだが、難しい話は抜きにして楽しめる冒険活劇だ。
一億5千万年前といったらジュラ紀だろ、そんな現代の鳥と同じ形態の鳥はまだいないぞ、とか、
磁石岩、ゲームだったらrukkiaは一発でゲームオーバーだ、とか、
バックパックを置いてうろうろしているのに、いつ拾って歩いてるんだとか、
そんなことは気にしてはいけないのだ(^^;

せっかくだから3Dで見ることをお勧めする。
酔う人はなるべく高い位置から見たほうがいいかも。


萌え度:ハンナちゃん♪ < こら
好き度:
鑑賞:劇場(2008.11)


原題:Jurney To The Center Of The Earth 3D
監督:エリック・ブレヴィグ
配役:ブレンダン・フレイザー(トレバー)
   ジョシュ・ハッチャーソン(ショーン)
   アニタ・ブリエム(ハンナ)



彼が二度愛したS(2008)

2008-11-20 | 映画評・ヒュー
原題がThe Tourist → The List → Deceptionところころ変わって、邦題が「彼が二度愛したS」。なんでやねん。こんな題名にするから流行らないんじゃ? とか思ってしまった。公開1ヶ月たたずにおしまいだよ。
rukkiaとしては「The List」でよかったのではないかと。
登場人物たちが秘密クラブのことを「List」と呼んでいたのだ。

まあ、内容もですね、出来はいまいち、うーん。ヒューとジョン・パレルモ氏のシード・プロダクションがかんでいる作品なのでちょっと期待していたのだが。
役者も演技も悪くないけど、なんかね、サスペンスに捻りが足りないというか。
半端に人間ドラマにしようとして失敗した? みたいな。
ただ、ヒューとユアンを鑑賞したかった人にはそれなりにいいんじゃないでしょーか。
背広姿も運動シーンも上半身!シーンもあるし。
でもやっぱりね、役に情が移らないことには萌えないです…。
脚本が練れてないのか、監督の力量が足りないのか。 > 本作が初監督作品のようだが…。

今回は珍しくヒューは悪者の役。
まじめに仕事している会計士ジョナサン(ユアン・マクレガー)にちょっかいだしにくる弁護士ワイアット(ヒュー・ジャックマン)、口が悪くて人懐っこいやり手な感じが胡散臭い…。
ええと、字幕が口の悪さについてってなかった気がする。
で、ジョナサンは図らずも秘密クラブに参加してしまうわけだが…。

サスペンスなのでストーリー展開については黙っておこう。
この貫禄あって色っぽい婆さんは誰だと思ったらシャーロット・ランプリングだったり、
アクションしないぞマギーQ、もったいない、とか
エグゼクティブには見えないけどいいのか、ミッシェル・ウィリアムズ、とか。
…ミッシェル・ウィリアムズのことをしばらくジェシカ・ビールだと思ってたことは内緒だ。ちょっとこじんまりしたか、ジェシカ?とか思ってた(^^;

素人の勝手な思いで言うと、刑事さんがもうちょっと活躍すればおもしろかったかも。

マリファナを吸うシーンがあるので米国ではRがついているがえっちシーンはたいしたことないので日本ではPG-12。他の国でもそんなもの。
なので、秘密クラブ活動を期待して見るとがっかりするかも。あ、それで男性客が少なかったのか? < こら


萌え度:せっかくヒューがいっぱい出てくるのに…
好き度:
鑑賞:劇場(2008.11)


原題:Deception
監督:マーセル・ランゲネッガー
配役:ユアン・マクレガー(ジョナサン・マコーリー)
   ヒュー・ジャックマン(ワイアット・ボーズ)
   ミッシェル・ウィリアムズ(S)



レッドクリフ Part 1 (2008)

2008-11-17 | 映画評・歴史系活劇
制作がアメリカ/中国/日本/台湾/韓国となっている「レッドクリフ」、よってたかって作ったけど主導権は中国にあったんだろうーな。日本のスペクタクルものにありがちなチープさや甘えは一切ない。重厚な美術、迫力の肉弾戦、出た人海戦術、破綻の無いCG、全編中国語。
三国志を知らなくてもおもしろかったです。

そして、さすが中国古典モノ、薀蓄(?)がいっぱい。
徳の高い君子とか、兵士結束の采配とか、文武両道とか、藁も束ねれば強いとか、なんとかの陣とか、なんとかの兵法とか…。その道に詳しい人だったら思わずにやりとしてしまうのでは?

キャストもそれっぽい人たちをうまく使っている。
美男美女の周瑜夫妻は現代的過ぎる気がしないでもないが、いい人・劉備(ユウ・ヨン)、欲張りエロ親父・曹操(チャン・フォンイー)、屈折王子・孫権(チャン・チェン)なんかはなかなかはまり役ではないだろうか。
孫権の妹のお転婆姫はさすが南国美女、目がでかいと思ったらこの人、少林サッカーで太極拳やってたねーちゃんだった(ヴィッキー・チャオ)。
何故か特別出演という肩書きがつく中村獅童、甘興という海賊上がり将校の役だが、ちょっと下っ端で結構出番多い。偉い役でもちょっと出役でもなくても、「特別出演」ってありなんだろうか。
関羽(バーサンジャプ)と張飛(ザン・ジンシェン)なんか、中国ドラマの人とそっくりだよ。見事にステロタイプだよ。(下記DVD参照、同じ人?よくわからん)
趙雲(フー・ジュン)がとてもかっこいい役なのだが、俳優さんはガタイはいいが、イケメンではない。まあ、彼がイケメンだったら主役とっちゃうよね(^^;
諸葛孔明の金城くんは最初は「吹替え?」とか思ったけどどうなんだろう。彼、中国語もできるよね…。トニー・レオンも「吹替え?」って思う場面があったから、単に音声の処理のせいで声が浮いて聞こえたのだけなのかもしれない。

うわー、アラゴルンかよ、とか、きゃー、レゴラスかよ、ていう場面があったり、さらにここまできたらアキレスかヘクトルかっていう場面もあったりして、古今東西英雄は不死身なんですね(^^;
まあ、何でここでラブシーン? っていう疑問もなきにしもあらずだったけど…。
トニー・レオンは脱がしたくなる俳優のひとりってことでしょうかね。

赤壁での決戦を前にしてお話は続く、ですよ!
続きは2009年4月公開。一挙にやってくれよー。

日本ではレーティングはついてないが、これ、西洋に出したらPG-13くらいはつきそうな感じだ。 > ロード・オブ・ザ・リングと同程度
なので、暴力が嫌いな人はちょっと注意。


萌え度:
好き度:結構好きだけど。Part 2を見たらもう一段階上がるかも。
鑑賞:劇場(2008.11)


原題:赤壁
監督:ジョン・ウー
配役:トニー・レオン(周瑜)
   金城 武(孔明)
   チャン・フォンイー(曹操)


↓これは中国のテレビドラマ。ほら言われなくても関羽と張飛が…。
三國志演義 DVD-BOX 全7巻

コニービデオ

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クレッチマンの確認できない予告編

2008-11-17 | クレッチマン与太話
映画館でトムトムの「Valkyrie」の予告編を見た(邦題忘れた。ワルキューレかな)。
トーマスの確認できないバージョンだった。
サブリミナル的にちらっと、空を見上げるシーンで映ったかもしれない…。
以前、ネットで見た書類チェックシーンは入ってなかった。

映画での出演時間もまた5分とかだったりするのかな。
…戦争映画だし、トムトムだしあまり見たくないので、レンタル待ちにまわすかも。

トーマス・クレッチマンはワルキューレ作戦鎮圧側のレーマー将軍の役。

何故か単館「バンク・ジョブ」

2008-11-16 | 映画与太話
ジェイソン・ステイサム出演の銀行強盗映画「バンク・ジョブ」が来週から公開になるのだが…、
なんと単館。しかもシネパトスとかじゃなくてシネマライズ。
なぜ?
そんな社会派映画だったんですか!?

題材は英国で実際にあった未解決事件。
て、ことはサスペンスはちみっとであと内輪揉め人間模様ドラマなのだろうか(^_^;)

いずれにせよ、単館じゃ、DVD待ちだな…。

トリロジーより…

2008-11-06 | 映画与太話
ハムナプトラの全3作入りDVD BOXが出るのですが…。

ハムナプトラ トリロジー DVD‐BOX (初回生産限定)

UPJ/ジェネオン エンタテインメント

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ディスク4枚入りで、おまけの1枚は3のメイキングとかだ。
うーん、3はいまいちだったからなー。スコーピオンキングがついていれば買いなんだけど(^^;

007新作、欧州で好調スタート

2008-11-03 | bond22 QOS
この週末からイギリス、フランス、スウェーデンなどで公開が始まっている007の新作「慰めの報酬」(Quantum of Solas)、興行成績的には快調のようです。 →Comingsoon.net

英国ではハリーポッターの記録を抜いたとかなんとか。
この勢いが持続する快作だといいな。
日本は1月末公開。まあ、日本だとガイコクで流行ったからといって流行るもんでもないですがね…。