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タイタンの戦い(2010)

2010-05-11 | 映画評・ファンタジー
この3D映画「タイタンの戦い」はアトラクション・ムービーという売り込みのようだが、「アバター」「アリス・イン・ワンダーランド」と見たあとではあまり「3Dだ!」という感じはしなかった。近頃の3Dは観客が疲れないように極端にこっちへ飛び出したシーンは多用しないように作ってあるから、なのかな。

その昔、レイ・ハリーハウゼンのストップモーション特撮でつくられた作品のリメイクだそうだ。
ちょっと自分の視聴履歴をさかのぼってみたらこの「タイタンの戦い」だけ見てなかった。あちょー。
オリジナルにもボンドガールのウルスラ・アンドレスが出ていたはずだと思って調べてみたが「イオ」という名の役はなくて、彼女はアフロディテ役だった。ボンドガールのジェマ・アータートンがキャスティングされたのはボンドガールだからじゃなくてたまたまってことなんだな、きっと。

リメイクといっても、メデューサやクラーケンといったキーポイントは同じだが、お話の組み立ては元のギリシャ神話からもだいぶ違うみたいだ。

お話は、神々のいざこざのとばっちりに増長した人間が利用されるという感じのもの。
ゼウス(リーアム・ニーソン)をそそのかして人間に悪さするのは冥府の神ハデス(レイフ・ファインズ)。
はっきりいってなんでもかんでも悪いのは神様である。
人間の女性に手出ししたり、手出しさせてくれないと呪いかけたり、まあ、いろいろやりたい放題。
そんな神様に立ち向かうのがゼウスの子でもあるペルセウス(サム・ワーシントン)なわけだが…。

以下、多少ネタバレになるので、知りたいくはない人はご注意。








ペルセウスのサム・ワーシントン、相変わらず丸刈りが似合うこと♪
ただ、脚本の甘さなのか、自分の中に2つの側面を抱えた役どころを表現する彼の持ち味が生かしきれてない気がした。やっぱ、「ターミネーター4」が一番萌えたなぁ…。 < こら
本作では人間・ペルセウスを描こうとしてなんか失敗している気がする。
「神性を捨てて人間として生きる」を主張するのに怪物退治は無理があるぜー。もっと無双の英雄にしちゃってもよかったのに。そのほうがいきいきしたかも。

はじめ、アンドロメダ王女を猛然と庇護する隊長は、横恋慕野郎かと思ったらそーいうわけじゃなくて、同じ年頃の娘を失ったという過去を持つ人だった。そうか、あれは娘なのか…。
で、この隊長ドラコはその後大活躍なわけだが、全然気づかなかったんだけど、エンドロールみてびっくりした。マッツ・ミケルセンだった!

本作では、イオ(ジェマ・アータートン)という不老の女性がペルセウスを導く。彼女は、ゼウスの求愛を拒んだために年をとらなくて死なない、ってことにされたって言ってた気がするが(うろ覚え)、ギリシャ神話のイオはゼウスといちゃいちゃしたためにヘラに嫉妬されて世界中を逃げまわったはず…。このへんのつながりはよくわかんない。

で、ペルセウスたちは、「アンドロメダを生贄にしないとクラーケンをよこすぞ」というハデスの脅しを阻止すべく、クラーケンの倒し方を魔女に聞きに行く旅にでるのである。
…ちょっと待った、クラーケンって、ギリシャ神話の怪物じゃないんじゃ?
(調べた。もとの神話では海の怪物は鯨もしくはティアマトじゃん…)

さて本作の見せ場はなんといっても蠍である。
どの怪物より強そうである。
立ち回りはめまぐるしくて何がどうなっているのかよくわからなかった。
もうちょっと遠景で勝負を見たかった。
そしてどの怪物より役に立つ。蠍バンザイ!

結局、ゼウスのくれたコインを使うことになるペルセウス。

そしてメデューサ。イオがメデューサの気の毒な身の上について語るも、登場するメデューサは悲哀のかけらもないただの怪物…。うーん。
ここで若者ユーセビオス(Nicholas Hoult)だけは生き残って欲しかったなぁ。でもひとりじゃないとペガサスに乗れないしなぁ…。

結局、ゼウスのくれた剣を使うことになるペルセウス…。

このへんの開き直り加減が足りないのかなぁ。

ちなみに、ゼウスに妻を寝取られて怪物になった王様をやっていたのはジェイソン・フレミング。トランスポーター2つながりでしょうか(^^;
…あ、ここでまた疑問が。いずれ母子ともに殺しちゃうならご懐妊中に何故やらなかったのでしょうか、生まれるまで待ったのには何か訳が?

まあ、内容が神話だし、アトラクションだし、細かいところはいろいろ気にしない方向で楽しめる人にお薦めだ!


萌え度:
好き度:
鑑賞:劇場(2010.4)

原題:Clash Of The Titan
監督:ルイ・レテリエ
配役:サム・ワーシントン(ペルセウス)
   マッツ・ミケルセン(ドラコ)
   ジェマ・アータートン(イオ)