10月のカレンダーが動き出し、東京の街もぐっと秋めいてきました。
寒い季節は苦手なのですが、秋冬限定の味覚は楽しみがいっぱい!
冬の到来を告げる「あんこう鍋」も、ゆっくりとシーズンに入っていきます。
この夜は、青森の風間浦のあんこうを食す会で、恒例のアオモリナイト。
実は2月ネタなのですが、うかうかしている間にあんこうの季節が終わってしまい、再びシーズンが訪れるの待ちながら、ぽっかぽかに温めておりました。すみませんっ
訪れるは、神田須田町の「いせ源」。
天保元年(1830年)創業の歴史ある老舗です。
この夜は、アオモリナイトということでお酒も青森ブランド。
弘前の「豊盃」、黒石の「亀吉」などをいただきました♪
深海魚のあんこうは、底引き網漁が一般的なのだそうですが、青森・下北地方の風間浦では、エサをつけない「空釣り」という方法の刺し網漁が行われているのだそうです。それで、生きたまま、鮮度の良い状態で水揚げされるのだとか。全国各地のあんこうの漁場でも、空釣りを行っているのは、風間浦に限られるのだそうです。
あんこうは、身のほとんどの部位が食べられ、柳肉(大身)・皮・肝・あご肉(ブリブリ)・ひれ(トモ)・卵巣(ぬの)・胃の7部位を俗に「鮟鱇の7つ道具」と呼ぶのだそうです。いせ源のあんこう鍋は、甘辛い割り下で煮込むタイプ。あっさりと、いろんな部位の食感が楽しめるので、いっぱい食べられてしまいます。
他にも、あん刺し、肝刺し、身を肝で和えた「とも和え」 などもあんこう尽くし!
茶わん蒸しもあんきも入りです☆
この日、一同が絶賛だったのが、あんきもの燻製!
しっとり濃厚な食感とコクが燻香をまとい、極上の逸品に。酒飲みにはたまりませんねー。
鍋のシメは、お約束の雑炊にしていただきます。
あんこうのダシが出たスープが染み込んだご飯と、とろとろの半熟たまご。ここまで、既にけっこう食べてましたが、これは別バラです。
いせ源さんの建物は、神田の街でも一際目を引く風情あるたたずまいです。
現在の建物は、大正12年の関東大震災で全焼した後に、昭和5年に建て直したものだそう。
玄関には下足番の方がいらっしゃり、脱いだブーツにピッチリとシューキーパーをセットして預かってくださる細やかな心遣いに、ちょっと感動!
味、建物、サービスと、随所に老舗の風格を感じさせる東京の名店です。
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老舗の強み―アンチエイジング企業に学べ! | |
安田 龍平,板垣 利明 | |
同友館 |
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