一僧侶の日常の思いを語る
沙門の法話
不器用
不器用な人間はどうも段取りよくことを運ぶことができずに何度も同じことで間違えてなかなか進めません。
もっと近道があるのにわざわざ遠回りしているかごとく、簡単なことでもまるで命がけなように取り組みます。
初心をわすれて目の前のことばかりに振り回され、気が付けば月日をついやして後戻りできないことを後悔します。
他にあれはバカだと揶揄され、それにも気づかずにまるでおちょうし者のようにふるまい、周りを楽しませようとします。
本当のことをなかなか言うことができずに使い勝手よくつかわれて、心身に疲労をきたしていることさえも気づきません。
ようやく報われるのは何年もたった忘れた頃です。
そんな不器用ものがこの世で活躍できるのなら、その人は本当に恵まれた人なのかもしれません。
いつかその気前の良さがあだになり騙されることもあるかもしれませんんが結果的にはうまくいくこともそれなりにあるのです。
不器用も捨てたもんでもないのかもしれません。
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