2020@TOKYO

音楽、文学、映画、演劇、絵画、写真…、さまざまなアートシーンを駆けめぐるブログ。

■茶

2007-08-30 | ■芸術(音楽、美術、映画、演劇)
  
  一昨日は天然水のことを書いた。今日はお茶の話。ペットボトルに入っているお茶が売れているらしい。「おーいお茶」(伊藤園)、伊右衛門(サントリー)あたりが売れ筋らしいが、今度JTから「辻利」という新製品が出る。

  創業萬延元年(1860年)、京都宇治の老舗「辻利」とJTの提携で発売されるもの。商品のラベルに刷り込まれているコピーによると、『初代「辻利右衛門」は幕末の専売品であった宇治茶が存亡の危機にある中、玉露を細仲(さいしん)・鮮緑(せんりょく)に仕上げ、今日の玉露製法を確立しました』。このコピーは、ここまでで4行半、そのあと7行半も続く! ペットボトルのラベルに記されているコピーとてつもなく長いのだが、何となく良いものであるような気にさせられる。

  ところで、お茶をテーマにしたオペラがある。タイトルは文字どおり「TEA」。中国を代表する現代音楽の作曲家(TAN DUN)の作品で、サントリー・ホールが委嘱したもの。

  物語の背景となる時代は唐。茶の心を伝える「茶経」をめぐる悲恋の物語で、中国(唐)の皇女と日本(倭国)の皇子が主人公という設定。

  私はこの公演をテレビ放映で見たが、打楽器を中心とした音楽が効果的で、とても面白かった。

  タン・ドゥンには他に「始皇帝」「マルコ・ポーロ」といったオペラ作品があるが、「グリーン・ディスティニー」「HERO」といった映画音楽のスコアも書いている。

  武満徹も映画音楽の名手だったが、ついにオペラを完成することなく逝ってしまった。そういえば、中世末期の茶聖・千利休を描いた映画「利休」の音楽は武満だった。監督は勅使河原宏、俳優陣は三國連太郎、松本幸四郎、中村吉右衛門…、考えてみると、グランドオペラを彷彿とさせる物凄いスタッフとキャストだった。

  (写真は、タン・ドゥン「TEA」の公演ポスター)
コメント
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