2020@TOKYO

音楽、文学、映画、演劇、絵画、写真…、さまざまなアートシーンを駆けめぐるブログ。

■神亀

2007-08-25 | ■エッセイ
  
  ブルゴーニュを代表する二種類の白ワイン、ムルソーとモンラッシェ。共に私の好物だが、ギィ・ボカール ムルソー1996年を知人から頂いたので、早速飲んでみた。フランス・ワインにとっては黄金の1990年代、その代表格といえる1996年物も、今年で11才ということになる。

  当然、充分な飲み頃であるはずなのだが、それでもまだ、なんだか若い感じがする。ムルソーが醸しだすハニー香、その奥にある芳醇なバターのような香りが希薄だ。まさか、熟成にはもっと時間が必要なのだろうか? それとも、なんらかの作用で劣化があったのだろうか?

  欧州のワインは、船に積まれ、赤道を越えて日本に到着するかどうかで質の劣化が違うそうだが、日本で作られ日本で飲まれる日本酒にはそんな心配がない。

  日本酒とは純米酒のことである、というのが私の本音だが、専門家の立場からそれを援護してくれるのは、酒造界の生き字引・上原浩さん(「カラー版 極上の純米酒ガイド」光文社新書)。

  この本に、神亀・純米大古酒という物々しい名称の酒が出ている。上原さんの解説によると、「蔵内で20年以上熟成させた古酒。ハチミツ、アンズ、シェリー、ウィスキーなど、さまざまな香味を一瞬で連想させ、それでいて後味は澄んでいる。純米大古酒でしかあり得ない稠密で奥深い世界」というもの。

  この解説は、そのままブルゴーニュのムルソーを表す言葉として使えそうである。共に時間を経て熟成される酒。樽の中で長い間生きて来た水は、この世で人が長い間生きるための水である。

  神亀・純米大古酒を堪能できる店が東京にある。その詳細を知りたい方は、このブログに、その旨コメントを入れてください。折り返しお知らせします。

  

  
コメント
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