昨日の昼下がり。
仕事でクライアント先へ出かけた帰りに、港の埠頭に寄った。
絵に描いたようなブルーマンデー。
ちょっと、気分転換がしたかった。
埠頭には、倉庫と船の間を忙しく積み荷を運ぶリフトと、
港が仕事場らしきトラックが数台。
そして、そんな埠頭の風景とはちょっと不釣り合いのワゴンが
2台ほど停まっている。
たぶん、僕と同じように仕事をサボっている(いやいや、休憩だ)
どこかの営業マンだろう。
埠頭の先にクルマを停めると、僕は外へ出て、煙草に火をつけた。
岸壁には、中型のタンカーのような船が1艘停泊していた。
船尾に、日本語で「◯◯丸」と書かれてあったようだが、それをペンキで
塗りつぶされ、その上からどこの言葉か分からないが、アルファベッドの
新しい名前が白いペンキで書かれている。
「◯△※□◇☆・・・」
それは、突然だった。
僕の背後から聞こえて来た。
振り返ると、小柄で小太りの中年の男が立っていた。
髪がつやつやと光っていて、顔は浅黒く、彫りが深い。
明らかに、異国の人だった。
「◯△※□◇☆・・・」
異国の男は、相変わらず早口で喋りかけて来る。
それは明らかに英語でもなければ中国語でも韓国語でもなかった。
しかし、表情には微かな笑みを浮かべている。
少なからず怒っているわけではなさそうだ。
・・・それにしても・・・あんた、誰(笑)?
そう思いながら当惑した表情でいると、耳慣れたとある言葉がその男の
口から聞こえて来た。
「◯△※□◇☆・・・インドネシア◯△※□◇☆・・・」
ははぁ~ん、この人は、おそらくインドネシアの人なんだな。
そう直感した僕は、思いきって英語で話しかけてみた。
「あなたは、インドネシアの方なんですか?」
「あぁ、そうだ、この船で来たんだ」
「でも、これ日本の船ですよね?」
「前はそうだった、でもうちの会社が買い取ったんだ、(船尾を指差して)だから昔の名前を
塗りつぶして、今の名前に変えた。“◯☆※△(よく聞き取れなかった)”って言うんだ」
「へぇ~、インドネシアは、遠いですね」
「あぁ、遠いよ」
「僕は一度も行ったことがないから、行ってみたいなぁ」
「ジャカルタは大きい街だ」
「人も多いですよね」
「ああ、でも、キレイな街だ、この街もきれいだけどね」
「ありがとう」
「君は、ここで何をしているんだ?」
「ちょっと休んでいるんです」
「休憩か?」
「はい、もうちょっとしたら、会社に帰ります」
「そうか・・・どうだ?いっそのこと、会社に帰らずにこのままこの船に乗って行かないか?」
「え!?」
「君、船乗りにならないか?」
「え?あ、あははははは・・・」
「船は楽しい、それに海もいいぞ」
「海は僕も好きです、でも船乗りはちょっと・・・」
「そうか、まぁ仕事、がんばって」
「はい、ありがとう」
当たり前のことだが、この会話は流暢に交わされたわけではない。
僕は超ブロークンな文法メチャクチャな英語だし、相手もカタコトの英語だ。
でも、なんとかコミュニケーションとして成立した会話を交わして、僕はその場を去った。
そういえば10数年前の独身の頃、当時はまだ彼女だった妻とこの埠頭にやって来て、
ボーーッと二人で港の景色を見ていたことがあった。
その時も、岸壁に停まっていた中規模のタンカーに乗った異国の船乗りが話しかけて来たことがあった。
不審がりながら船乗りに近づくと、「スシ!スシ!コレ、スシ!モウ、イッパイ!アゲル!」と明らかに
スーパーの惣菜売り場で買ったような握り寿司のパックを渡されたことがあった(笑)
港は、面白い。
こんな田舎の港でもいろんな人間が交差している。
ちなみに写真は、帰り際に撮った写メ。
左側の人がインドネシアの方。
その隣の人は、どうやら海上保安庁の人のようだった。
もしかして、職務質問されてたのかな(笑)?
仕事でクライアント先へ出かけた帰りに、港の埠頭に寄った。
絵に描いたようなブルーマンデー。
ちょっと、気分転換がしたかった。
埠頭には、倉庫と船の間を忙しく積み荷を運ぶリフトと、
港が仕事場らしきトラックが数台。
そして、そんな埠頭の風景とはちょっと不釣り合いのワゴンが
2台ほど停まっている。
たぶん、僕と同じように仕事をサボっている(いやいや、休憩だ)
どこかの営業マンだろう。
埠頭の先にクルマを停めると、僕は外へ出て、煙草に火をつけた。
岸壁には、中型のタンカーのような船が1艘停泊していた。
船尾に、日本語で「◯◯丸」と書かれてあったようだが、それをペンキで
塗りつぶされ、その上からどこの言葉か分からないが、アルファベッドの
新しい名前が白いペンキで書かれている。
「◯△※□◇☆・・・」
それは、突然だった。
僕の背後から聞こえて来た。
振り返ると、小柄で小太りの中年の男が立っていた。
髪がつやつやと光っていて、顔は浅黒く、彫りが深い。
明らかに、異国の人だった。
「◯△※□◇☆・・・」
異国の男は、相変わらず早口で喋りかけて来る。
それは明らかに英語でもなければ中国語でも韓国語でもなかった。
しかし、表情には微かな笑みを浮かべている。
少なからず怒っているわけではなさそうだ。
・・・それにしても・・・あんた、誰(笑)?
そう思いながら当惑した表情でいると、耳慣れたとある言葉がその男の
口から聞こえて来た。
「◯△※□◇☆・・・インドネシア◯△※□◇☆・・・」
ははぁ~ん、この人は、おそらくインドネシアの人なんだな。
そう直感した僕は、思いきって英語で話しかけてみた。
「あなたは、インドネシアの方なんですか?」
「あぁ、そうだ、この船で来たんだ」
「でも、これ日本の船ですよね?」
「前はそうだった、でもうちの会社が買い取ったんだ、(船尾を指差して)だから昔の名前を
塗りつぶして、今の名前に変えた。“◯☆※△(よく聞き取れなかった)”って言うんだ」
「へぇ~、インドネシアは、遠いですね」
「あぁ、遠いよ」
「僕は一度も行ったことがないから、行ってみたいなぁ」
「ジャカルタは大きい街だ」
「人も多いですよね」
「ああ、でも、キレイな街だ、この街もきれいだけどね」
「ありがとう」
「君は、ここで何をしているんだ?」
「ちょっと休んでいるんです」
「休憩か?」
「はい、もうちょっとしたら、会社に帰ります」
「そうか・・・どうだ?いっそのこと、会社に帰らずにこのままこの船に乗って行かないか?」
「え!?」
「君、船乗りにならないか?」
「え?あ、あははははは・・・」
「船は楽しい、それに海もいいぞ」
「海は僕も好きです、でも船乗りはちょっと・・・」
「そうか、まぁ仕事、がんばって」
「はい、ありがとう」
当たり前のことだが、この会話は流暢に交わされたわけではない。
僕は超ブロークンな文法メチャクチャな英語だし、相手もカタコトの英語だ。
でも、なんとかコミュニケーションとして成立した会話を交わして、僕はその場を去った。
そういえば10数年前の独身の頃、当時はまだ彼女だった妻とこの埠頭にやって来て、
ボーーッと二人で港の景色を見ていたことがあった。
その時も、岸壁に停まっていた中規模のタンカーに乗った異国の船乗りが話しかけて来たことがあった。
不審がりながら船乗りに近づくと、「スシ!スシ!コレ、スシ!モウ、イッパイ!アゲル!」と明らかに
スーパーの惣菜売り場で買ったような握り寿司のパックを渡されたことがあった(笑)
港は、面白い。
こんな田舎の港でもいろんな人間が交差している。
ちなみに写真は、帰り際に撮った写メ。
左側の人がインドネシアの方。
その隣の人は、どうやら海上保安庁の人のようだった。
もしかして、職務質問されてたのかな(笑)?