午前中、いつもお世話になっているクルマ屋さんへ。
事務所に入ると、クルマ屋の社長さんはお客さんと商談中。
耳に届く会話の断片から推測して、どうやら新しい車の購入についての商談の様子。
もしそうなら、話の内容からしてすぐには終わりそうにない。
アポなしで来たこともあるし、ワタシの用事は大して急ぎでもないので、「ちょっとブラブラしてるよ」と社長さんに告げると、ワタシは再び事務所を出て、隣接しているクルマの展示スペースへ向かった。
ベンツ、ゴルフ、オールドミニ、ベルファイア、ジムニー、クロスビー、N-BOX、ワゴンR・・・etc.
新旧、普通車、軽自動車、国産、外車を問わず、ありとあらゆるクルマが並ぶ。
〈ゴルフもいいけど、ベンツも乗ってみたいなぁ〉
〈クロスビーよりは、やっぱジムニーの方が惹かれるねぇ〉・・・とかなんとか言いながら、買う気なんて全くないくせにグルグルグルグル徘徊(笑)
すると、そんな絶賛販売中のクルマ群の奥に、懐かしいフォルムのクルマが視界に入った。
Twinだ!
3年前までワタシが乗っていたTwinと同色のブルー。
しかしよく見ると、心なしか、このTwinの方が、より色が濃くて深いように見える。
タイヤは、14インチ&アルミホイール。
純正は12インチだが、ワタシは13インチにインチアップしていた。
14インチはデカすぎる気がしたので躊躇したのだが、こう見ると悪くない。むしろカッコいい。
中を、覗いてみた。
ミッションは、AT。
ステアリングはMOMO。
スピードメーターの横には、取り付けられたタコメーター。
前のオーナーは、走り屋系だったのだろうか?
でも、ATで走り屋ってのも、ちょっと解せない。
シートは、運転席側だけ純正のシートからRECAROのシートに替えてあった。
これも、ワタシのTwinと同じだ。
・・・・・・ん?
ちょっと、待て。
このシート・・・ちょっとレトロな細いチェック模様、くたびれ具合、そして、何よりも、コーヒーをこぼしたような座席のシミ・・・・・
これ、オレが乗ってたTwinだぞ!
色やタイヤといったエクステリアが違うから、最初は全く気がつかなかった。
というよりも、それ以前に、16年所有&18万キロを走破したクルマだったので、手放した後、速やかに廃車にしたということを社長さんから連絡を受けていた。
だが、今、目の前にあるTwinは、生まれ変わったように綺麗で、そして何よりも、ワタシが乗っていた頃とは違うナンバープレートが付いている。
これは、どういうことなんだ?
「お、再会したんだねぇ」
背後で、声が聞こえた。
振り向くと、そこには商談が終わった社長さんが立っていた。
念のため、社長さんに尋ねたところ、目の前のクルマは、やはりワタシが乗っていたTwinだった。
社長さんが言うには、ワタシからTwinを受け取り廃車手続きをした後、しばらくの間、客寄せパンダのように店頭に飾っていたという。
数ヶ月が過ぎた頃、このクルマ屋さんと提携している鈑金業者の方が、店頭にあるTwinを譲って欲しいと願い出てきたそうだ。
その鈑金業者の方は、社長さんとは長年の付き合いだそうで、廃車同然になった稀有なクルマを見つけては、それを新車のように蘇らせるのを“趣味”にしているような方なのだそうだ。
販売期間がたった2年で、生産台数が1万台余りの2シーターの幻の軽自動車。
そりゃあ、リメイクが趣味なら、垂涎のクルマに見えるだろう(笑)
鈑金業者さんの要望を、社長さんは快諾した。
Twinを手に入れた鈑金業者さんは、ボディを深みのあるブルーに塗り替え、タイヤとホイールをインチアップし、ステアリングを純正品からMOMOに替え、タコメーターを付け、その他にも細かいパーツも付け替え、おまけに、エンジンもオーバーホールし、そして、陸運局に申請して再登録し、再び路上で乗れるクルマとして復活させたのだそうだ。
そんな経緯を経て、今、このTwinは、その鈑金業者さんとこのクルマ屋さんの共通の代車として、たまに使用しているという。
お前、よかったなぁ・・・。
本当に、良かったなぁ・・・。
社長さんの話を聞きながら、ワタシは、無意識のうちにTwinのボンネットを優しく撫でていた。
ちょっと目頭も、熱い。
「これ、車検の時とか、俺も借りられる?」
ワタシがそう尋ねると、返答に困ったのか、社長さんは笑うだけだった。
まぁ、そりゃそうだな。
それじゃあまるで、養子に出した先で大切に育てられて立派になった姿を見て、やっぱり引き取らせてくれと平然とのたまうダメ親と同じじゃないか(笑)
じゃあな。
最後にもう一度、Twinのボンネットを撫でると、ワタシと社長さんはその場を離れ、打ち合わせのために事務所に向かった。
向かう途中、社長さんに冗談半分・本気半分でこう尋ねた。
「あのTwin、もう一度買い戻したいって、オレが言ったらどうする?」
社長さんは、やっぱり笑うだけだった(笑)
まぁ、そりゃそうだな。
じゃあな、オレのTwin。
事務所に入ると、クルマ屋の社長さんはお客さんと商談中。
耳に届く会話の断片から推測して、どうやら新しい車の購入についての商談の様子。
もしそうなら、話の内容からしてすぐには終わりそうにない。
アポなしで来たこともあるし、ワタシの用事は大して急ぎでもないので、「ちょっとブラブラしてるよ」と社長さんに告げると、ワタシは再び事務所を出て、隣接しているクルマの展示スペースへ向かった。
ベンツ、ゴルフ、オールドミニ、ベルファイア、ジムニー、クロスビー、N-BOX、ワゴンR・・・etc.
新旧、普通車、軽自動車、国産、外車を問わず、ありとあらゆるクルマが並ぶ。
〈ゴルフもいいけど、ベンツも乗ってみたいなぁ〉
〈クロスビーよりは、やっぱジムニーの方が惹かれるねぇ〉・・・とかなんとか言いながら、買う気なんて全くないくせにグルグルグルグル徘徊(笑)
すると、そんな絶賛販売中のクルマ群の奥に、懐かしいフォルムのクルマが視界に入った。
Twinだ!
3年前までワタシが乗っていたTwinと同色のブルー。
しかしよく見ると、心なしか、このTwinの方が、より色が濃くて深いように見える。
タイヤは、14インチ&アルミホイール。
純正は12インチだが、ワタシは13インチにインチアップしていた。
14インチはデカすぎる気がしたので躊躇したのだが、こう見ると悪くない。むしろカッコいい。
中を、覗いてみた。
ミッションは、AT。
ステアリングはMOMO。
スピードメーターの横には、取り付けられたタコメーター。
前のオーナーは、走り屋系だったのだろうか?
でも、ATで走り屋ってのも、ちょっと解せない。
シートは、運転席側だけ純正のシートからRECAROのシートに替えてあった。
これも、ワタシのTwinと同じだ。
・・・・・・ん?
ちょっと、待て。
このシート・・・ちょっとレトロな細いチェック模様、くたびれ具合、そして、何よりも、コーヒーをこぼしたような座席のシミ・・・・・
これ、オレが乗ってたTwinだぞ!
色やタイヤといったエクステリアが違うから、最初は全く気がつかなかった。
というよりも、それ以前に、16年所有&18万キロを走破したクルマだったので、手放した後、速やかに廃車にしたということを社長さんから連絡を受けていた。
だが、今、目の前にあるTwinは、生まれ変わったように綺麗で、そして何よりも、ワタシが乗っていた頃とは違うナンバープレートが付いている。
これは、どういうことなんだ?
「お、再会したんだねぇ」
背後で、声が聞こえた。
振り向くと、そこには商談が終わった社長さんが立っていた。
念のため、社長さんに尋ねたところ、目の前のクルマは、やはりワタシが乗っていたTwinだった。
社長さんが言うには、ワタシからTwinを受け取り廃車手続きをした後、しばらくの間、客寄せパンダのように店頭に飾っていたという。
数ヶ月が過ぎた頃、このクルマ屋さんと提携している鈑金業者の方が、店頭にあるTwinを譲って欲しいと願い出てきたそうだ。
その鈑金業者の方は、社長さんとは長年の付き合いだそうで、廃車同然になった稀有なクルマを見つけては、それを新車のように蘇らせるのを“趣味”にしているような方なのだそうだ。
販売期間がたった2年で、生産台数が1万台余りの2シーターの幻の軽自動車。
そりゃあ、リメイクが趣味なら、垂涎のクルマに見えるだろう(笑)
鈑金業者さんの要望を、社長さんは快諾した。
Twinを手に入れた鈑金業者さんは、ボディを深みのあるブルーに塗り替え、タイヤとホイールをインチアップし、ステアリングを純正品からMOMOに替え、タコメーターを付け、その他にも細かいパーツも付け替え、おまけに、エンジンもオーバーホールし、そして、陸運局に申請して再登録し、再び路上で乗れるクルマとして復活させたのだそうだ。
そんな経緯を経て、今、このTwinは、その鈑金業者さんとこのクルマ屋さんの共通の代車として、たまに使用しているという。
お前、よかったなぁ・・・。
本当に、良かったなぁ・・・。
社長さんの話を聞きながら、ワタシは、無意識のうちにTwinのボンネットを優しく撫でていた。
ちょっと目頭も、熱い。
「これ、車検の時とか、俺も借りられる?」
ワタシがそう尋ねると、返答に困ったのか、社長さんは笑うだけだった。
まぁ、そりゃそうだな。
それじゃあまるで、養子に出した先で大切に育てられて立派になった姿を見て、やっぱり引き取らせてくれと平然とのたまうダメ親と同じじゃないか(笑)
じゃあな。
最後にもう一度、Twinのボンネットを撫でると、ワタシと社長さんはその場を離れ、打ち合わせのために事務所に向かった。
向かう途中、社長さんに冗談半分・本気半分でこう尋ねた。
「あのTwin、もう一度買い戻したいって、オレが言ったらどうする?」
社長さんは、やっぱり笑うだけだった(笑)
まぁ、そりゃそうだな。
じゃあな、オレのTwin。