ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

5%

2007年07月21日 13時26分18秒 | フィクション
タイトル:
5%(五パーセント)
書いた理由:
ゴミのポイ捨て。
株のインサーダー取引。
公務員の公金横領。
偽装食品の横行。
やらせ報道。
果は「国家間の戦争」まで。
「この世に悪の種が尽きないのは何故か?」
を世に問う。

―以下、本文―

悲しいことに……地震や台風。人が弱って困っている時
をあえて狙って「火事場泥棒」みたいな事をするヤツが現れる。

そこでオサーンが言う。

「しかし、何だよなあ。100人の内、5人、悪いヤツがいる為に
 世の中、不自由しなきゃならない事が多すぎるよな」

「その通りですね」

泥棒をする人がいなけりゃ、警察はいらない。
攻めて来る国がなけりゃ、自衛隊もいらない。

「悪人」の「悪行」によって、どれだけ余計な税金が使われるか。

逆に言えば……
それが無くなる事によって、どれだけ社会全体が豊かになるか?

5%の人間は分かっていない。

「そうだよなあ。全く。実にバカげた話だよなあ」

しかし、そこはオサーン。こんな真面目な話が長続きする筈も無い。

「……ところで最近、『1円パチンコ』ってのが流行り始めてさあ」

また、いつもの話題になった。

「等価交換の店と違って、長く遊べるんだよね」

等価交換とは、
「1玉4円で 換金する時も 1玉4円」
つまり、ハイリスク・ハイリターンなシステムである。

だが、オサーンの行く「1円パチンコ」は、
「1玉1円で 換金する時は 0.6円」らしい。
出玉は良いが、あまり金にはならない。
昔ながらの「娯楽の殿堂:パチンコ」に回帰したシステムである。

「玉が景気よく出るのはいいけど。1万発から出して6000円だぜ」
「……」
んな事、俺に言われても。
そういう趣旨のパチンコなんだから仕方が無い。

1円の玉で遊んで、最後に換金する段になったら、
「金にならん!」と嘆かれても困る。

最初から納得してやってるんだろうが。

「ところで」
ふと、ある疑惑が俺の頭に浮かんだ。
「1円パチンコって、スロットのメダルも1枚、1円なんですか?」
「うん」
「それを等価交換の店で換金すると?」
「スロットはメダル1枚で20円だよ」

「じゃあ、1円パチンコでメダル買って、等価交換の店で換金したら、どういう事になりますかね?」
「……」
「単純に20倍。千円が2万円ですよ」
「……」
「店の名前が入っている訳じゃない。どの店のメダルも同じなんだし」
「……」
「パチンコ玉は重くて無理。でも、スロットのメダルならポケットに入りますね?」
「……」
「その内、どーせ誰かがやりますよ
「……」
「やるんなら、店が対策する前。今の内じゃないっすか?」
「……」

俺がやらなくても、誰かがやる!

俺がやらなくても、誰かがやる!
ポイ捨て、インサーダー、公金横領、偽装食品、戦争
俺がやらなくても、どーせ、誰かが「必ず」先にやる!

まとめ:
「95%の人間」の95%は「潜在的5%の人間」である。

エピローグ:

以上の悪知恵で金を儲けた人は全額赤十字に送って下さい。
魂が浄化されます。

「義援金? 俺がやらなくても、誰かがやるからいいや」
オサーン談:

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4 コメント

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これは (ジェス)
2007-07-21 15:27:00
面白かった。
話しの流れも、良いよい!
ジェス様 (RESANDO)
2007-07-22 02:42:02
ありがとうございます。
実際どうなの?交換比率の違いは?
5% (ZEEO)
2007-07-23 16:03:56
交換比率はジェスさんに任せるとして
真面目な話。
(5%は)
コリンウィルソンの『賢者の石』(ハリポとは別物)で人類の進化について語っている部分ですね。
日本でも朝日の故石川真澄氏が岩波新書の『戦後政治史』で戦前から戦後の“ある”比率を解き明かしていますが、基本的にはコリンウィルソンの話と変わらないのが驚きです。機会がありましたら、両書とも目を通されることをお薦めします。もしかしたらオサーン像がまた変わるかも?
ZEEO様 (RESANDO)
2007-07-23 21:57:54
いや、ZERO氏が言っていた事を
「うろ覚え」で書きました。

うろ覚えついでに言うと、
「全国民から所得の5%の税金を徴収できれば、
 日本国は成り立つ」
という説なら読んだ事があります。

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