ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

タイル屋物語(1)

2008年04月16日 00時14分05秒 | 技術メモ
まあ、もう誰に迷惑をかける事も無いだろうから書こう。

タイル屋時代、俺は技術職で実作業は「製造部」が行っていた。

しかし「製造部」の不始末は「技術部」の不始末になるので、
彼らの苦情や要求は全て応じなければならない。

いや、応じなくてもいいけど、その場合は
何とか理屈をつけて、彼らを「説き伏せなければならない」から、
面倒なので「物理的な対応」で解決していた。

「基準サイズ以外」の注文が入った時に良くトラブルになった。

真四角なタイルを「切断」しなければならなず、
それは特に難しい作業ではなかったが、
製造部の連中は、この作業を非常に嫌がった。

「何でだ? 危険だからか?」
それとも失敗したら「一から作り直しだから」だろうか?

<イメージ画像>

(*注 俺たちが使っていたのはこんな巨大なカッターじゃないよ)

が、製造部の若い者からは実に意外な答えが返ってくる。
「いや。あれやると足がジンジン冷たくなるんですよ」
なるほど。そうだったのか。
タイルの切断は水仕事だ。
(水をぶっ掛けて冷やしながらダイヤモンド・カッターをブン回して切る)
俺は木材で渡り廊下のような物を作り、
冷たいコンクリートの床に足が着かないようにし、
家から使っていない中古のストーブを持ってきて、
暖房設備として設置してやった。
(これで寒さ対策は完璧な筈だ)

ところが……相変わらず評判が悪い。
「いや、効果無いですねえ。やっぱり、足がジンジン冷たくなるんですよ」
(何故だ? 俺にはわからん)
こういう時は机上で物を考えず、自分で作業してみる事だ。

さっそく、切断機の所に行って、雨合羽を着込み、ゴム手袋をする。
この装備なら、多少の水がかかった所で「寒い!」とは思えない。
しかし、作業靴を長靴に履き替えた瞬間、気付いた。

(ゴム長靴のサイズが妙に小せえ)

25cmって所だろうか?

確かに……これじゃあ、履いているだけで足先が痺れて、
”ジンジン”冷たくなってくる。

って、そういう問題かよ!

結局、ホームセンターで大き目のゴム長靴を買う事で、
この問題はアッサリ解決した。

この事件から得られた”教訓”は以下の2つである。

1:うちの作業員は基本的にアホである。
 (と言うか、『オサーン予備軍』なので言葉が足りない)
2:が、そのアホと同じ目線に立たなければ物事は進展しない。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アホは (mamaさん)
2008-04-16 01:57:15
放送禁止用語です!
↓ ドケチ!(これも?)
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コーヒーを飲むと (○○○○)
2008-04-16 14:49:28
右眼が痛くなるってのと同じレベルだな。だが、合わない長靴が原因で、壊疽を起こして敗血症になって入院した奴がいた。長靴ごときをケチって死にたくはないのう。
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それに気がつかないって (LE)
2008-04-16 17:28:32
ほんまのアホやわ!

現場に戻る、それがよき経営の秘訣だね。
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mamaさん (RESANDO)
2008-04-16 22:48:35
このブログを仕切っとんのはワイや!
好きにさせてもらうでえ~
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○○○○ (RESANDO)
2008-04-16 22:50:34
そういうヤツに限って、車は土足厳禁のアメ車だったりするな。
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LE様 (RESANDO)
2008-04-16 22:54:13
いや、製造部の部長は気付いていた。
でも、全く改善する気が無いんだから、もっとタチが悪い……って責めたけど、全く効果がなかった。
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作業員の福利厚生問題というより (LE)
2008-04-17 17:26:16
作業の保全問題について、気がついててなにもしなかった?そんなんが部長じゃ、会社はあかん。
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LE様 (RESANDO)
2008-04-17 21:04:33
長靴を買いにいくのが面倒なんだって。
保護眼鏡なしで溶接やらせてたバカもいます。

帰宅途中の運転中、
作業者の目が見えなくなり……以下略
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