昼から雨.仕事終わりもしっかり振っております.
海には寄らずに帰ろうかと思いましたが,空を見ると,一筋の雲の割れ目.ふと雨が止むタイミングがあったりしてと,海に向かって方向転換.
とりあえず,海岸に車を泊めて待機です.
シートを倒して..ウトウト...
小僧,「ぜんぜん釣れないじゃん!」
父ちゃん,「お前は根気がないな!」
爺ちゃん,「お前が子供の頃はよう釣れたのにな!今はぜんぜんダメじゃわ!」
父ちゃん,「海の様子もずいぶん変わったもんね..」
爺ちゃん,「ワシが子供の頃ぁ,ここら一帯向こうまでずうっと砂浜やったがやぞ!」
といって,はるか沖に向かって手を広げます.
父ちゃん,「へぇぇ..想像できないな...」
爺ちゃん,「今はダムもあるし,砂が流れ込まなくなって,砂がどんどん流されてな..浜にすんどるもんら,どんどん海が近づいてくるからそら気が気じゃなかったで!おまけによりまわりもくるけな..」
小僧,「より回りって何?」
爺ちゃん,「より回りってのはな,遠くのほうで荒れてその波がはるばるやってくるがじゃ.この界隈は,急深じゃから盛り上がって襲ってくるがじゃ.」
小僧,「へえ...怖いね..」
爺ちゃん,「だから国をあげて,護岸整備したんじゃ.」
父ちゃん,「今ほどじゃないが,僕が子供の頃も,テトラポット沖においてたりしてたけど,今は,まるで要塞のようじゃもんな..」
小僧,「でも,そういうとこって魚いるじゃんね!!」
父ちゃん,「よくわかってるな,お前は!後は根気あればいいがやけど!!」
爺ちゃん,「そいがそいが..」
父ちゃん,「でも,年々魚釣れなくなってるんじゃないかえ?里に帰るたびに身にしみて感じるわ.」
爺ちゃん,「そいがじゃ.特に今時期はな,昔はこんな事なかったがやけど!」
小僧,「...じゃあ何で?」
爺ちゃん,「今は,川もダムやそれ,発電屋と山をいじってるがで..結局は,侵食してしまうのもダムで砂を堰きとめてしまったからなんじゃ..」
小僧,「へえ..でもおかげで,岩や離岸やらで魚の住みかが出来てよくなったんじゃないの..?」
爺ちゃん,「そうかもしれんのぅ..」
父ちゃん,「でもたまにダムから砂流すやろ!あれ始まってから,魚釣れんなったってみんなゆうとるで!」
爺ちゃん,「それもあるじゃろな..」
小僧,「じゃあ,砂流さなかったらいいじゃん!」
爺ちゃん,「そうもいかんが!ダムがあるおかげで,洪水で家流されたり命落としたりしなくてすんでるがやぞ!」
父ちゃん,「必要なんで仕方ないわな..」
小僧,「そうなんか,でもいくら待っても魚釣れないよ!」
父ちゃん,「だからお前は根気がないのぉ?」
小僧,「でも,何でダムの砂流すと魚釣れなくなるの?」
父ちゃん,「......」
爺ちゃん,「それはな,生き物は,急な変化を嫌うがじゃ.ダムのそこに砂がたまるやろ,海みたいに潮の流れや波もなく,そこにたまり続けるんじゃ.そしたら,腐敗してくるんじゃ.」
小僧,「腐敗ってどうなるの?」
爺ちゃん,「細かい事は説明してもまだお前には分からんじゃろ.毒水になってしまうが.それを一気に海に流してしまうがで,急激に海が変わってしまってな..」
小僧,「ふうん...」
父ちゃん,「難しいさね..ダムを壊さないようにしようと思ったら仕方が無いし.良い方法無かったんかねぇ..」
小僧,「魚釣れないね..」
父ちゃん,「お前は根気がないなぁ..」
爺ちゃん,「魚がおらんな釣れんよ!..」
小僧,「...」
父ちゃん,「...」
小僧,「でも,護岸工事のおかげで,いっぱい魚連れることもあるんでしょう?」
父ちゃん,「あるよ!だから,今の時期はじいっくり待つしかないんやぞ.」
小僧,「わかったぁ..根気よく待つー!」
しまった,居眠ってしまった!前は変わらずシトシト降っております.
夢か..
雨が止むことなく,家に帰りましたとさ!
この内容は,一部の事実と,多くのフィクションで構成されております.なお,登場人物はすべて架空のものです.
にほんブログ村
にほんブログ村