3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

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ROI(投資対効果)の限界

2010年06月07日 | □今日は休日
 
JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)がアツイ。
 
「はやぶさ」が何なのか?というのはJAXAのURLを見ていただくこととして。
 
どれくらいアツイのか?というのは、まぁ、ニコニコ動画あたりを見ていただくとして。

【初音ミク】 はやぶさ 【オリジナル曲】


探査機はやぶさにおける、日本技術者の変態力


【合唱】はやぶさ【PV】

 
確かに、アツイ。
 
共感、でしょうね、これは。
 
ただの人気、という話ではなく、共感でしょう。
   
「戦う理数系」が好きなワタシとしては、この「はやぶさ」についても偉業だ感動だ、というよりも
 
「良かったですねぇ… 一つ目的が達せられましたねぇ… 次の予算も認められるといいですねぇ…」
 
という感じで見てます。
 
勝手に感動している周囲と、やっているご本人達の意識の違い、というのもあるでしょう。
 
…ちょっと情緒的に過ぎないかい?という照れも、あります。
 
でも、科学というのはこれだけ多くの人からの共感を呼ぶもの… なんだね。
 
しかも、そこには投資対効果なんて話は出て来ない。
 
そここそが、注目すべき点なんだろうと思う。
 
何なんだろうね、これは?
 
実業を成功させ、お金を儲け、それを社員に分配し、多くの人の生活を少なくとも金銭的には裕福に、将来に安心をもたらす。
 
この仕事はとてもとても大変な事で、そうそう簡単には出来ない。
 
そういう意味では、私たちの社会は決して失敗なんてしていない。
 
それなりに成功している、と評価するのが妥当だ。
 
でも、今のこの閉塞感は何だ?
 

人は、必ず死ぬ。
  
人は平等には生まれない。しかし全員に死が待ち受けていることにおいて、人の一生は平等だ。
 
そこそこに豊かで、とても安全で、大きな変化もない安定した社会における一生とは
 
死までの長い長い期間を、どう過ごすか?という面倒なテーマと向き合い続けることでもある。
 
人は朗らかに日々を過ごすため、夢を見て、勝利の予感を感じ、勇気づけられながら生きる必要があるだろう。
 
豊かで安全でありさえすれば満足して過ごせるわけではない、厄介な生き物だ。
 

今、社会のリーダーとされる人たち、政治家や企業経営者に全く欠けているのは
 
おカネじゃないものを求めている人々に何を与えられるか?
 
なのではないだろうかね?
 
子供手当や減税が、福利厚生の充実やボーナスが、
 
政治家や経営者の評価を上げないのだとしたら、どうだろう?
 
政治家や経営者にとって、こんなに面倒くさい要求は、無いよ(笑) 
 
「はやぶさ」に共感している沢山の人たちは、人が一生その領域に踏み出すことなどあり得ない宇宙に
 
何十億円というカネを放り投げて燃やしてしまうことを、肯定している。
 
宇宙開発と企業経営を同列視するわけではないけれど
 
困難な事業に立ち向かったその姿に勇気付けられ、明日また朝日を浴びてそれぞれの仕事に出かけていく
 
そのチカラを「はやぶさ」からもらっている、ってわけだ。
 

「さあ皆さん、夢を見てください」
 
「じゃあ、皆さんの夢を聞かせてください」
 
そんなんじゃ、無いんだと、思う。
 
出て来ないんだよね、そんなもの(笑)。その、「皆さん」からは。
 

「月に行く」
 
と言いだしたのは、「皆さん」からのアイデアだったのか?
 
という話だ。
 

そんな大それた、それこそ夢の話というのは、「皆さん」の仕事ではない。
 
皆さんに尋ねちゃった時点で、終わっちゃう。
 

つまり、そういう、今までとは全然違う才覚や能力が、私たちの社会には
 
いよいよ必要になって来ていると、ワタシは思う。
 

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