JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)がアツイ。
「はやぶさ」が何なのか?というのはJAXAのURLを見ていただくこととして。
どれくらいアツイのか?というのは、まぁ、ニコニコ動画あたりを見ていただくとして。
【初音ミク】 はやぶさ 【オリジナル曲】
探査機はやぶさにおける、日本技術者の変態力
【合唱】はやぶさ【PV】
確かに、アツイ。
共感、でしょうね、これは。
ただの人気、という話ではなく、共感でしょう。
「戦う理数系」が好きなワタシとしては、この「はやぶさ」についても偉業だ感動だ、というよりも
「良かったですねぇ… 一つ目的が達せられましたねぇ… 次の予算も認められるといいですねぇ…」
という感じで見てます。
勝手に感動している周囲と、やっているご本人達の意識の違い、というのもあるでしょう。
…ちょっと情緒的に過ぎないかい?という照れも、あります。
でも、科学というのはこれだけ多くの人からの共感を呼ぶもの… なんだね。
しかも、そこには投資対効果なんて話は出て来ない。
そここそが、注目すべき点なんだろうと思う。
何なんだろうね、これは?
実業を成功させ、お金を儲け、それを社員に分配し、多くの人の生活を少なくとも金銭的には裕福に、将来に安心をもたらす。
この仕事はとてもとても大変な事で、そうそう簡単には出来ない。
そういう意味では、私たちの社会は決して失敗なんてしていない。
それなりに成功している、と評価するのが妥当だ。
でも、今のこの閉塞感は何だ?
人は、必ず死ぬ。
人は平等には生まれない。しかし全員に死が待ち受けていることにおいて、人の一生は平等だ。
そこそこに豊かで、とても安全で、大きな変化もない安定した社会における一生とは
死までの長い長い期間を、どう過ごすか?という面倒なテーマと向き合い続けることでもある。
人は朗らかに日々を過ごすため、夢を見て、勝利の予感を感じ、勇気づけられながら生きる必要があるだろう。
豊かで安全でありさえすれば満足して過ごせるわけではない、厄介な生き物だ。
今、社会のリーダーとされる人たち、政治家や企業経営者に全く欠けているのは
おカネじゃないものを求めている人々に何を与えられるか?
なのではないだろうかね?
子供手当や減税が、福利厚生の充実やボーナスが、
政治家や経営者の評価を上げないのだとしたら、どうだろう?
政治家や経営者にとって、こんなに面倒くさい要求は、無いよ(笑)
「はやぶさ」に共感している沢山の人たちは、人が一生その領域に踏み出すことなどあり得ない宇宙に
何十億円というカネを放り投げて燃やしてしまうことを、肯定している。
宇宙開発と企業経営を同列視するわけではないけれど
困難な事業に立ち向かったその姿に勇気付けられ、明日また朝日を浴びてそれぞれの仕事に出かけていく
そのチカラを「はやぶさ」からもらっている、ってわけだ。
「さあ皆さん、夢を見てください」
「じゃあ、皆さんの夢を聞かせてください」
そんなんじゃ、無いんだと、思う。
出て来ないんだよね、そんなもの(笑)。その、「皆さん」からは。
「月に行く」
と言いだしたのは、「皆さん」からのアイデアだったのか?
という話だ。
そんな大それた、それこそ夢の話というのは、「皆さん」の仕事ではない。
皆さんに尋ねちゃった時点で、終わっちゃう。
つまり、そういう、今までとは全然違う才覚や能力が、私たちの社会には
いよいよ必要になって来ていると、ワタシは思う。