3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

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アンサー ソング

2009年11月07日 | □CAD/CAMな日々
  
3D CADが明白に進化を止めたのは、実は結構以前のことでして。
各CADベンダーが…
「これはプロセスの改革である」
と盛んに言い出した頃から、現在に至る道筋はもう付いていたのだと思います。
 
その理由は割愛しますが、それによって
「CADってカタチをつくる、カタチを決める道具だよね」
という意識がCADベンダー社内において忌避されるようになったのです。
(事実“ツール”と言うと、怒られたりしましたよ)
そんな中で働いていて実感したのは、
「カタチをつくるなんてことは、もう出来てんだよ」
という現実を知らない経営の意識でした。
 
その時期も現場は、というと、
 
「ここのフィレット、0.5Rだとかかんねぇよ…0.6Rならかかるよ…何だよこれよぉー…」

「シェル、抜けねえよぉー…サーフェスにしてオフセットかけて面貼り直しだよぉ…」
 
という、まさに「カタチを決める」ための格闘の最中だったというのに、です。

何とも皮肉なことに、「プロセス」の入り口であるところの「カタチづくり」が
 
「プロセス」の一番のネックになってたんですね(笑)

「カタチ」が決まらんで、何が「プロセス」か?と。

ワタシは、これにずっと憤って来ました。

逆だ!と。カタチさえきちんと決められれば、プロセスはそれに合わせて変わり始めるさ、と。
 
過去の事はさておいても、この次に何を起こすべきか?

これについて、ワタシのビジョンはとてもクリアです。ホントに。
 
モノを作るとき、カタチというのはどうやら3つに分類されるみたいです。

あ。分類で大事なのは、カタチを対象とすることです。
 
業務を対象としては、イケマセン。
 
(金型用の… とか、ゲーム用のとか、もうこれ以上やってもムダです)

1.寸法の結果として決定される、機能や構造を実現するためのカタチ
 
2.張力のある線を滑らかに繋いでつくる特徴曲線を重視するカタチ
 
3.上記2つを拒絶するような、生物的、有機的なカタチ
 
で。ここからが面白いと思うですが
 
これら1.2.3.を同時に持っているカタチは「とても少ない」、ということなんですね。
 
少なくとも、部品としてはまずほとんどが別になってます。
 
で。
 
これら3種類のカタチ要件を満たすことは過去のソフトでは出来なかったので
 
クルマもボディサーフェスとそれ以外のCADは一度も一緒にならなかったのです。
 
・クルマのボディサーフェス

・クルマのエンジンブロック
 
・クルマの生産設備

この3つが同じCADにはならなかった現実を、ワタシは目の前で見て来ました。

来るべき世界は、これら1.2.3.のカタチ要件を満たすCAD…
 
というか3Dモデラーであるべきで、それには、3.を満たす技術が、1.2.をも

満たすようになるべきだと思います。
 
なぜなら、1.2.の技術は、絶対に3.には対応出来ないから、です。
 
しかし、3.の技術も1.2.に対して挑戦していないのも事実です。
 
なので…
 
ポリゴンメッシュや点群、ボクセルのような離散構造でありながら
 
1.と2.の要件を満たし…
 
データ構造としては1.2.3.共通であるも、
 
操作としてGUIは、1.2.3.は全く別の体系でも構わない。

というのが、ワタシに持っているビジョンです。
 
最初の最初に、今思えば実にぶっきらぼうに
 
「ポリゴン、寸法で作れないですかねぇ…?」

という話をしたのは、以上のビジョンから出たものです。
 
ただし、以上は「機能」に対するビジョンであり、
 
「普及」に対するビジョンではありません。

「機能」と「普及」は、全く別のストーリーを用意しなければなりません。
 
残念ながら、「機能」は「普及」を牽引しないでしょう。
 
今、まさに、その「普及」に対するビジョンを優先して、新しい動きを始めます。
 
「機能」に対するビジョンは、近く、必ず必要になると考えています。
 
ワタシのビジョンは、こんな爆裂ニッチな話題(笑)を了解して、呼応し合う
 
「情熱」と「エゴ」を必要としています。
 
技術は、探せばあるはずだと信じています。
 
技術者には申し訳ないのですが、技術は手段です。道具ですから。

まったく得にくいのは、「情熱」と「エゴ」を織り込んだ技術です。
 
これに出合えれば、どんな困難も克服して、ワタシは手を取りに行くでしょう。
 

最後に。。。
 
ワタシが以上カタチの3つの分類をするに至ったのは、

バルセロナ、 サグラダ・ファミリアにあるガウディの記念館を訪れたときです。
 
3つのカタチを併せ持つ「とても少ない」カタチがそこにはありました。
 
しかも、死してなおそれを創り上げようというエゴは、
 
その3つの分類をきちんと自覚していた、ということですね。
 
「なんだよ…100年も前に、理想的な3Dモデラーのビジョンはあったんじゃねぇか…」
 
と、ガッカリしながらも、

「これ、気がついたCADマンって、多分日本じゃオレだけ…」
 
という優越感にも浸りましたね(笑)
 

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