何度でも同じ事を書いておこう。
3Dデータにまつわる市場は、CADにしてもCGにしても成熟し切っていて、
この先目覚ましい成長は見込めない。
それは、日米欧に共通している。
この分野で新興国市場が活発になるにはまだまだ時間がかかり、
第一ワタシは新興国市場と呼ばれる地で暮らす事を望まない。
3Dデータにまつわる市場を大きく成長させようとするならば、その対象は
コンシューマ以外に選択肢がない。
しかしコンシューマは3Dデータをモデリングすることはない。
安価なモデリングソフトを与える事はこれを解決しない。
使いやすい3Dモデリングソフトを開発すれば… というのもそれを牽引はすまい。
マンガは、最初から今ほど多くの作家が居たわけでなく、まず大量の読者が居たはずだ。
3Dデータには道具が不十分なのではなく、「読者」が不十分なのだ。
コンシューマは3Dデータが提供されればそれを使って遊び、
それを素材として画像や映像などの創作も行うだろう。
ならば。
コンシューマに3Dデータを提供し、遊び、創作してもらう環境を作る必要がある。
アプリケーションソフトに高額なおカネを払うスタイルは、今もこの先も成立し難い。
特にエンターテイメント分野において、これは確定的だ。
しかし音楽・書籍で証明されたように、少額を払ってファイルを購買する文化は根付きつつある。
3Dデータはファイルそのものがコンテンツ商品として購入の対象になるべきだ。
つまり、3Dデータは楽曲、3Dモデラーはミュージシャンと対置されるべきだ。
3Dデータの供給者は売れるデータを全力で考え、品揃えすべきだろう。
3Dモデラーの存在、3Dモデルファイルの流通環境に加え、
コンシューマが入手した3Dデータで楽しく遊び、創作の素材とする
アプリケーションソフトやサービスは必要だろう。
このアプリケーションソフトやサービスは一社が頑張るものでもなく、
開発・販売や、サービスの提供を糧とするディベロッパーと手を携えるべきだろう。
ここは、一社がやり過ぎない事が肝要と考える。
以上を実現する事で…
3Dデータにまつわる市場は、今一度フロンティアを得て市場規模を拡大できるだろう。
要するに、世の中にある3Dデータのファイルの数自体が増えさえすれば、
自ずと3Dのフロンティアが創造される。