振り出しに戻る「落陽日記」

旅や日々の生活の一コマ。60代半ば、落陽期を迎えながら気持ちは再び振り出しに戻りたいと焦る日々です。

京北山国の里の閑静な寺院、常照皇寺

2019-11-03 09:07:13 | 旅行
常照寺とも呼ぶらしいが、皇の字が表すように皇室とゆかりがある臨済宗の寺だ。北朝の光厳天皇が開いたとされ、南北朝初期の混乱の時代に即位して政務をとった後、晩年は京を逃れてここを隠棲の場所としていたようだ。この地で崩御して葬られた山国陵がすぐそばにある。


山門をくぐって参道を登って行き、さらに門をくぐると寺を囲むように池がめぐらせてある。





正面の勅使門は閉まっているので左手に回ると方丈があり、元々は屋根に使われていたのか、菊の紋の入った瓦が置いてある。





中に入ると受付があるが誰もいなくて、一人400~500円の寄付をお願いする小さな札が置いてある。その横の箱の中には先に来た人が置いたのであろう、500円硬貨1枚と100円硬貨3枚があった。400円を置いてからスリッパにはき替え、廊下を本堂の方に向かった。






仏像が鴨居の上に並んでいたり、金色の襖絵があったりと、天皇の住まいとして建てられた様子がうかがえる。





部屋から眺める静寂につつまれた庭のたたずまいが良い。





庭にある国の天然記念物に指定された九重の桜や、京の御所の桜を枝分けした左近桜などが咲く4月に一度は来てみたいものだ。さぞや綺麗だと想像する。

実は20年前ぐらいだったか、紅葉の時期に来た記憶はあるが、ただ立ち寄っただけで中までは入っていないように思う。桜の時期も紅葉の時期も大勢の人が押し寄せてくると思うので、前日に訪れた若狭路の寺や神社もそうだったが、今のように誰もいないような時期に来て、静かにゆっくりと探索するのも良いと思う。