
2016年は1956年に次いで戦後2回目の「丙申」の年で、陰陽五行説では「丙申」は「大変革の年」にあたるそうです。
さて、どんな大変革が起きるのやら・・・。
写真は「白褐釉鹿文瓶」に水仙と椿を挿してみました。くもり日に撮影したため、白釉が水色に被ってしまいました。
全高:24.2cm、口径:12.9cm、胴径:14.7cm、底径:10.2cmの新作です。筒形の窯道具に載せ、薪窯で焼成しているため、古色をつけて悪意を持って販売されればそれなりに通用しそうです。


全高:6.6cm、14世紀から15世紀、パ・ヤーン窯


高さ:3cm、幅:3.5cm、14世紀から15世紀、パ・ヤーン窯

口端部の釉薬が拭き取られていることから、蓋があったことが分かります。
絵柄の「ハヌマーン」は羅刹王ラーヴァナに誘拐されたシーダー姫を、奪還に向かうラーマ―王子を助ける猿の将軍です。6世紀に、発祥のインドからジャワを通じてクメールに伝わったとラーマーヤナの1節です。クメールでは神殿の装飾にラーマーヤナの挿話が好んで用いられました。アンコール・ワットの回廊には50mにも及ぶラーマ王子率いる猿軍と羅刹軍のランカー島の戦闘場面があります。タイへはスコータイ王国建国以前のクメール統治下に伝わったと言われています。
陶片の絵柄は、ハヌマーンが自分の毛を抜き、息を吹きかけて分身を生み出す場面のようです。
ハヌマーンは中国に伝わり孫悟空になりました。また、日本に伝わったラーマーヤナは、鬼ヶ島の鬼退治をした、猿、犬、キジをお供にした桃太郎の原型ではないかとも考えられています。
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小幡でこは、滋賀県五個荘・小幡で作られる土人形=「でこ」です。
小幡人形のホームページによりますと、およそ300年の歴史があり、当地で京通いの飛脚を営んでいた安兵衛は、度重なる道中の追い剥ぎや恐喝で荷を盗まれ、その弁償が大きな負担となり、転業を考えるようになりました。京で人気のあった伏見人形の技術を習得し、人形師として中山道沿いの小幡で「でこ」作りを始めました。
土産物や玩具として人気があり、明治初期までは4,5軒の同業者がありましたが、現在は9代目が伝統をまもって小幡でこを作っておられます。
年賀切手の意匠に過去2回採用されています。
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案内ポスターを考案しました。写真は右上から左へ順番に
1.白釉緑彩草文皿(ミャンマー)15世紀 東南アジアの湿地に大繁殖するバック・ブーンの意匠です。直径31cmです。
2.青花花文皿(ベトナム)15世紀 ベトナム、ホイアン沖の海上がりです。
3.青磁縞文輪花皿(ワン・ヌア)15~16世紀 オムコイ出土です。
4.鉄絵魚草文鉢(スコータイ)15世紀 直径25.5cm、高さ7cmの鉢です。
羊歯状の葉は、「バイ・ワイ」という山に自生する植物、その間の模様は「クア・ワン」と呼ばれています。
5.青磁刻花花文輪花皿(サンカローク)14~15世紀
6.青磁刻花蓮華文油壷(サンカローク)15世紀 胴径6.7cm、高台径3.2cm、高さ5.2cmです。サラチットのサトウキビ畑から出土しました。
7.鉄絵飛鳥文皿(カロン)15世紀 ターク、ポップラー出土です。
8.鉄絵双魚文皿(サンカンペーン)墳墓遺跡出土品で鉄剣が重なっていたため口辺に鉄錆が固着しています。
9.褐釉刻花唐草文皿(パヤオ)14世紀
10.青磁刻花菊花文油壷(サンカローク)15世紀
11.青磁皿(パーン)15~16世紀 メーソット出土です。
12.青磁刻花文小皿(サンカローク)15世紀 直径8.8cmです。
13.青磁皿(コ・ノーイ窯・モン陶)13世紀 直径27.3cmです。
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近江商人の留守宅が残る五個荘川並の集落の狭い路地を進み、観音寺山の麓近くに、築200年の古民家を改築した「ハクモクレン」があります。玄関を入った三間続きの部屋が陶磁器や木彫などの工芸品、絵画などを展示するギャラリー、さらに横に連なる三部屋をカフェ、そして玄関を入った土間の続きの水屋で古伊万里などの骨董品が販売されています。











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サンカンペーンの鉄絵草文皿です。14世紀から16世紀に作られた無傷の美品です。









ここまでの品は、同じ所有者から出された陶器ですが、いずれもコンディションの良い品で、かなり早い時期に日本へ持ち帰って大事にされていたもののようです。


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