の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

ワット パークナム パーシーチャルーン

2023年01月16日 | バンコク


ワット スタットからワット ポーへトックトックで来ました。
ワット ポーはタイ人の参拝は無料ですが、外国人は拝観料200バーツです。以前は50バーツぐらいだったと思いますが、ずいぶん高騰しています。タクシーによっては拝観料を徴収していない門で降ろし、ここから入れと教えてくれました。
午前10時20分の入門です。







ラーマ3世によって造仏された全長46m、高さ15mの寝釈迦像が安置された礼拝堂へ入っていきます。堂内は寝釈迦仏の周りを歩きますが、立ち止まって写真撮影が出来ない混みようです。
今まで、外国人観光客を余り見かけなかったのですが、さすが人気観光地です。マスクを付けたタイ人参拝者もそれなりにいますが、西洋人観光客はほぼ全員マスクをしていないのでよく分ります。外国人にはインド人も多いようです。
日本なら「立ち止まらないで下さい」、と言う放送が聞こえてきそうな状態です。
先日は中国の海外旅行解禁で中国人観光客の押し寄せるワット ポーがテレビニュースになっていましたが、元旦以上の混雑です。因みにタイ政府は中国人観光客大歓迎です。









寝釈迦仏の足裏です。長さ5m、幅1.5mの扁平足で螺鈿細工が施されています。
壁画も添付します。この時代は中国様式の概念にタイ様式を取り入れた新しい建築様式が台頭し、新たな潮流となります、ラーマ5世の治世は西洋美術様式の影響が顕著になります。















寝釈迦仏の後頭部です。礼拝堂の出口です。
人が入らないように撮影をしてますから、混雑の様相が今ひとつ分りません。




礼拝堂の隣には色タイルで装飾された仏塔が建っています。中央のひときわ大きい4基の仏塔はチャクリー王朝のラーマ1世からラーマ4世の遺骨が納められています。
黄色い仏塔はラーマ3世、青色がラーマ4世です。仏塔の回廊にはたくさんの奉納仏が並びます。









ター ティアン船着場横の食堂で焼きめしの昼食です。価格は90バーツと割高ですが、対岸のワット アルンを見ながら食事が出来るので良しとします。

ワット パークナムへは船着場にあったスピードボートをチャーターして向かいます。
乗船料1,000バーツ、かなり高額ですが、正月で川からの風景を見ながら行くことにしました。

チャオプラヤー川から高さ75mの仏塔と4基の小仏塔の建つワット アルンを眺めながら下ります。暫く下るとバンコク ヤイ運河に入ります。運河入り口には水門があり水量調整をしています。ある程度の船が貯まると後方の水門が閉じられ、前方の水門が開きます。
バンコク ヤイ運河では、水門が上がるのを待っている船がたくさんいます。

水門が上がるのを待っている間に「メナムの残照」を思い出しだし、小堀大尉の造船所が頭に浮かんできました。走り出すとアンスマリンのお屋敷は......等と思いつつ川岸を眺めていましたが、密集した長屋が運河にせり出すだけで、風情のある風景はどこにもありません。
そこで物語の舞台はバンコク ノイ運河がだと納得していました。「メナムの残照」はここを参照




ワット アルンの仏塔です




水門が上がりバンコク ヤイ運河に入ります







ワットパークナムに到着です。
やはりここもたくさんの参拝者です。はじめはタイ人だと思っていたのですが、言葉が違います。女性の顔をよく見ると、頬に白い粉が付いています。ミャンマー人です。午後になり塗っていたタナカもだいぶ落ちたようです。
帰りに地下鉄駅まで乗ったバイクタクシーの運ちゃん確認すると、隣接するバーン ケー地区にたくさんのミャンマー人労働者が住んでいるとのことでした。
観光ルートから外れ、外国人観光客は少ないが約半数がミャンマー人の参拝者でした。

ワット パークナムはチャオプラヤー川西岸のトンブリ地区にあり、アユタヤ時代創建の古刹です。

黄金色の青銅製大仏(マハーラチャモンコン大仏)は2021年完成で高さ69m、タイで3番目に大きな仏像です。
大仏の背面に建つ高さ80mの仏塔は、プミポン前国王とシリキット王太后の72歳を記念して2004年に起工、2012年に完成しています。
仏塔の内部は5階になっており、1階は信者からの寄贈のタイ芸術や文化遺産を展示する博物館、2階が瞑想フロア、4階は1916年から1956年に僧正だったルアン ポー ソット師の黄金像が安置された礼拝堂、3階は師の蒐集された仏像、塼仏を展示する博物館そして5階がインスタ映えで人気のエメラルド色の仏塔が安置されたフロアです。







ガラスを積上げた高さ8mのエメラルド仏塔と基壇を囲む80体のガラスのパヤ ナークです。
天井の周りは過去二十八仏と菩提樹が描かれています。
余談ですが仏塔の総工費は約20億円、エメラルド仏塔7千万円と書かれたSNSがありました。








5階のテラスから見る大仏です


帰りはワットパークナムの北を横切るパーシーチャルーン運河を渡ったところからバイクタクシーで地下鉄(MRT)のバーン パイ駅まで行きます。15バーツです。
地下鉄もこの辺りは地上を走っていますが、しばらく走ると地下に潜りチャオプラヤ川を越えます。
スクンヴィット駅で降り「田丸屋本店」で午後3時に久し振りにの焼き肉です。







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実は、年末の12月30日にセントラル ワールドで日本語書籍購入と昼食を焼き肉でと思い出掛けました。タクシーに乗ったのですが、高速道路を下りるところを指示するも、その先まで行って遠回りする始末。
田丸屋本店は伊勢丹6階の奥にあった老舗ですが見当たらず、紀伊國屋書店が店舗を改装して日本食レストランも入れ替わっています。取りあえず紀伊國屋書店の入口横にある和食レストランに入ります。従業員がたくさん働いているが、だれも入店客を気にしません。別に混んでるわけでもないのに、2度も店員を呼ぶが、それでも注文をとりに来る気配がありません。暫く待ったが諦め、向いのうなぎ屋へ移動です。こちらは気持ちの良い対応だったので不快な気持ちも和らぎました。田丸屋本店は2020年の伊勢丹閉店と同時にアソーク(現店舗)へ移転したそうです。
食後に紀伊國屋書店をのぞくが、日本語書籍が見当たりません。店員に聞くもどうも見当たりません。
書籍を諦め漫画でもと思うのですが、タイ語版ばかり、どのようなコンセプトでレイアウトされたのか雑然とした感じで、同じ場所をグルグル回ってばかり。最後は店員に説明して本の前まで連れて行って貰い、なんとか購入出来ました。

セントラル ワールドにあった伊勢丹は定期的に日本各地の物産展を催したり、日本文化の発信拠点でしたが、コロナ禍の2020年8月に閉店しました。伊勢丹がなくなり出掛ける必要もなく、久し振りのセントラル ワールドでしたが、あまりの変貌に落胆しました。

帰りはタクシーを拾おうとするも、倍以上の値段をふっかけてきます。
結局は高架鉄道(BTS)とバスで帰宅しました。

年が変わり、初詣は快適に移動できたのが何よりでした。
皆様にとっても良い年になりますように。






ワット スタット テープワララーム

2023年01月12日 | バンコク

2023年元日はバンコクで迎えました。
初詣にワット スタットへ行きました。1807年にラーマ1世の発願で建設が始まり、ラーマ3世の治世に完成した1級王室寺院です。
ワット スタットの正面に巨大な赤い鳥居が東西に開く形で建っています。



この大鳥居から御来光を仰ごうというのではなく、また大鳥居でもありません。
実は、高さ24mのサオ チン チャーと呼ばれる巨大ブランコです。かっては旧暦の2月にトリーヤム パワーイと呼ばれる、ブラフマーがシヴァを新たに創造した世界を見に行かせる神話をもとに、巨大ブランコに6本のロープを掛け小舟を吊し、4人のバラモンを乗せてロープが水平になるまで揺らすという儀式ですが、あまりの高さでバラモンが墜落死する事故が続きました。このため1935年以降行事は中止になりました。

サオ チンチャーの南、旧バンコク都城の中心に、インドラの住む街の名前に由来する、ワット スタットが建っています。

参拝はタイ人無料ですが、外国人からは拝観料100バーツを徴収されます。外周門、回廊門をくぐると礼拝堂です。大半がタイ人の参拝者です。
礼拝堂に安置されたシーサーカヤームニー仏は高さ8m、幅6mの降魔印の青銅仏で、記録によるとスコータイ王朝、第6代国王リタイ王(在位1347~1368年)によって1361年に鋳造されました。
スコータイ都城のワットマハタートに安置されていたのを、ラーマ1世の命で水路をバンコクまで運ばれました。
1808年4月にター チャーンに降ろされますが、あまりにも巨大で城門を通れず、城壁を壊したそうです。








エラワン象、アイラヴァータに乗るインドラ神です。









ワット スタットは10年前から訪れたい寺院でした。西暦558年から757年(ワット スタットのパンフレットより)に製作されたドヴァラヴァティー美術の重要なレリーフ彫刻が本尊の台座に組み込まれているからです。
ラーマ5世によってナコーンパトムから移設されたと言われています。

台座に組み込まれている、と言うからもっと小さいと思っていたのが、対面すると巨大なレリーフに驚き、その優美さに感嘆しました。本尊の台座の高さが6mですから、その大きさが分ります。

レリーフ正面の大な扉が開いており、残念ながら全光の陰影が少ない状態での写真撮影です。画像調整でコントラストを上げましたが、どうもはっきりしない画像なのが残念です。









畏怖施印の倚座仏と脇侍のブラフマーとインドラを中心に神々が表された、ドヴァラヴァティー美術に多用される題材です。

僧侶から聖水とレリーフをモチーフとしたお守りを授かりました。





礼拝堂の壁、柱にはラーマ3世の治世にジャータカを題材にした壁画が制作されています。













その後回廊を通り、布薩堂へ行きましたが、堂扉は閉じられており外から仁王さんに参ってきました。

回廊には156体の奉納仏が取囲みます。花、蝶、鳥の壁画が描かれています。








礼拝堂、布薩堂周りには中国製の石像がたくさん配置されています。バンコクの王室寺院はどこでもよく見かけます。
ラーマ3世の治世に中国との交易が盛んになったといわれています。









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同時代のドヴァラヴァテー美術を参考までに添付しておきます。
1枚目はサラブリーの鍾乳洞内に彫られた6世紀前半の説法印の倚座仏とシヴァ、ヴィシュヌです。
2、3枚目はプラパトムチェディ国立博物館に展示されている法輪の台座です。ナコーンパトムのワット プラ ガム遺跡の出土です。







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次ぎにインスタ映えするということで、日本人にも大人気のワットパックナームへ行こうと思ったのですが、門前で客待ちのトックトックにワットポーまでの運賃を尋ねると、60バーツとの返事です。バンコクのトックトックと言えばぼったくりのイメージがあり、距離は1.4kmですが100バーツは覚悟していたので、あまりにも良心的な価格に即乗車しました。〈以降次回へ〉

ペックのコレクション展を見に行く(1)

2015年05月31日 | バンコク

バンコクの北にあるチャト・チャックへやって来ました。土、日曜日だけ営業しているウィークエンド・マーケットがあり、高架鉄道(BTS)では終点のモーチット駅から歩いて行けます。
モーチット駅には車両整備の引き込み線があり、駅と整備場の間が無料の駐車場として開放されています。数千台は駐車できる巨大な駐車場ですが午前10時を過ぎると満車になります。



BTSへの連絡架橋を通りパホンヨーティン通りを横切ります。
モーチット駅の向かいはチャトチャック公園です。

チャトチャック公園の道路沿いはタイの桜が満開です。

桜の木の下では女性たちが記念撮影中です。





遠目には淡いピンクの花が桜のように見え、タイに暮らす日本人は桜に喩えて母国を偲んでいますが、近寄って見る花姿は、全く別物です。

タイでは「ションプー・パンティップ」と呼ばれる「ノウゼンカズラ科」の落葉樹です。「モモイロノウゼン」、「ローズ・トランペット・ツリー」とも呼ばれベネズエラが原産地で樹高は8mから15mになります。

公園の中には、同じ「ノウゼンカズラ科」で黄色い色が鮮やかな「ルアン・インディア」も満開です。「コガネノウゼン」、「ゴールデン・トランペット・ツリー」とも呼ばれブラジル原産でベネズエラの国花に指定されているそうです。


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ウィークエンド・マーケットの外周道路ではこんな薬も売られています。ひと箱150バーツです。



ウィークエンド・マーケットの敷地に入ってきました。公称15000店舗が縦横にはしる路地に店を開いています。

ウィークエンド・マーケット内には飲食店から民芸品、工芸品、陶磁器、家具、服飾店から犬、猫、鳥、魚などのペットショップ、ありとあらゆる品目の店があります。
店の移り変わりも早く、最近は衣類を扱う店が増えているようです。



まず朝食です。

カノム・チーンを頂きます。

靴もあります。価格は正規品の2割ぐらいです。





こんなステッカーが椅子の背もたれに貼ってありました。誰に向けたメッセージでしょうか。
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海上がりのベトナム安南の青花小壺が並んでいます。15世紀の生産されたもので、鉄分の少ない白い胎土に白化粧掛けをし青花で絵付けされています。

素焼きの土器はロッブリーで出土した、紀元前1000年の物です。
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長い付き合いの骨董店にやって来ました。土、日で予定がないときはこの店へ遊びに来ます。すると親父さんは商品を持って得意先へ出て行き、数時間店番をすることになります。価格を聞くお客はそこそこいるのですが、めったに売れることはありません。価格表示があるわけではなく、売価は当方に一任されており、高すぎる値段を答えているつもりもないのですが・・・。

今日は共通の友人が、「リバー・シティ」でコレクションの展示会をしているので、一緒に見に行くために寄りました。

親父さん出かける準備の間に写真撮影です。
白褐釉の騎馬兵士の像です。右の筒状になっているのは象の脚です。戦闘で象は重要な戦力で、将が乗っていますが、強力な力を持つ象の弱点は脚です。そのため四肢を守るため兵が配置されます。
残存する騎馬兵の大きさから、かなり大きな象だったことが推察できますが、残念ながら象は破損しています。

青磁、褐釉掛け分けのライオン像です。



ミャンマーの青磁です。何に使われたものかよくわかりません。



宋胡録の柿合子です。タイで果物の女王と呼ばれるマンゴスチンのヘタが持ち手にデザインされています。
15世紀のパーヤン窯で作られ、海外へ大量に輸出されました。東南アジア島嶼部はもとより、南蛮貿易によって日本へも大量にもたらされ、茶人の間でマンゴスチンのヘタを柿のヘタに見立てて、柿香合として愛用されたようです。





パーヤン窯で焼かれた白釉褐彩蓋付小壺です。15世紀から16世紀に作られたものです。本体に対して蓋が少し大きすぎます。近い模様、焼き上がりの近いものを組み合わせています。





ミャンマーの白釉皿です。高台内には窯印がはいっています。


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シー・プラヤーのチャオプラヤー川畔に建つ「リバー・シティ」へは地下鉄でフアラムポーン駅まで出て、トゥクトゥクで向かうことにします。



フアラムポーン駅に到着です。



出口へ向かう通路には、タイの公共交通機関の歴史がパネル展示されています。

フアラムポーン駅から「リバー・シティ」までは1km程ですが、どのトゥクトゥクも運賃を吹っかけてきます。そのなかで一番安かったトゥクトゥクの運ちゃんです。
でもタクシーの1.5倍はしています。
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「リバー・シティ」到着です。5階建のショッピングセンターですが、2階から4階は骨董店が入っています。オーナーは華人が多く、扱う骨董品も中国骨董が多いようです。
タイの陶磁では真作もありますが、贋作もたくさん置いているようです。



周りには一流ホテルが並びます。リバー・シティの隣はシェラトンホテル、川向うはヒルトンホテルです。左端はペニンシュラ・バンコクです。



シー・プラヤー船着場です。渡し船が出ています。チャオプラヤ川を行きかう定期船や、ディナー・クルーズの船着場もあります。

1階グラウンド・ホールでペックのコレクション「サンカローク・スコータイ」展が開催されています。