の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

ワット・ソーンコン(殉教のメコン)

2015年10月04日 | ムクダーハーン
イサーン東部のメコン川沿いを走るとカトリック教会がよく目につきます。
ムクダ―ハーンからメコン川に沿った国道4004号線は、対向2車線の狭い道路が水田の間に通じています。メコン川こそ見えませんが、右手の田んぼが途切れた先の草木の向こうがそれと分かります。そんな道路を30km北上すると、急に道路が広くなり、周りの風景とは異質な、よく目立つ赤色砂岩の建物に出くわします。「ワット・ソンコーン」です。
何の知識もないまま敷地へ入っていきます。

門をくぐると広大な敷地に、メコン川沿いの鄙びた村には似つかわしくない建物があります。寺院と書かれていますが、今まで見てきた寺院の概念から大きく外れて、博物館のように見えます。しかし、玄関の柱に掲げられた写真を異様に感じながら、人気のない建物の扉を開け、やっと理解できました。写真はありませんが、木製の長椅子が並び、その奥に十字架に磔られたキリスト像が祀られています。外観から想像すら出来なかったカトリック教会です。

1940年、当時の首相であったピブーンソクラームは「ラッタニヨム」と呼ばれる愛国主義政策を次々と発表します。そのひとつにタイ国籍保有者へ仏教徒になることを義務づけろ政策がありました。
そして、メコン川沿いの小さな村で悲劇が起きます。
警察の宗教弾圧は神父を追放し、その後の指導的立場にあった33歳のシポーンを射殺します。
その後も威嚇や暴力によって信徒の改宗勧告します。
12月26日、警察は改宗を拒否した6人の信徒を銃殺しました。
殉教した7人の写真が玄関の支柱に掲げられています。
写真は最年長のアカター・プッター・ウォングワイです。59歳でした。

16歳で殉教したセシリア・ブッシー・ウォングワイです。

教会内のメコン川に面して7人の殉教者の棺が並べられています。訪れた時は他にひとけもなく、不思議な空間が醸し出されていました。
他にはシスターのアグネス(31歳)、ルシア(23歳)の姉妹とビビアナー(15歳)、マリア(14歳)の少女が殉教しました。

この悲しい事件は、その後長い間忘れられていましたが、1980年代のカトリック史発掘運動で注目されることとなりました。
1989年、ローマ法王パウロ2世によって「タイの7人の神聖な殉教者」(THE SEVEN BLESSED MARTYRS OF THAILAND)として宣言が行われました。

当時の修道院が復元されています。
殉教場所では奇跡が相次いで起こり、かっての教会跡地に1995年、この殉教者センターを兼ねた教会が建設されました。

荘厳な雰囲気に圧倒されて、撮影した写真がわずかしかありませんでした。



教会の裏手には1940年と同じメコン川が滔々と流れています。



教会の前は屋台もあり、もち米と焼き鳥で昼食です。
あと20km北上するとイサーン最大の仏教聖地タート・パノムです。

プー・パテープ国立公園の山野草

2015年09月28日 | ムクダーハーン
昨夜、テレビを見ているとプー・パテープ国立公園の山野草が満開だというニュースが流れていました。市街からだとおよそ15kmです。
これは見に行かないわけにはいきません。本日の予定を少し変更して、プー・パテープ国立公園に寄ってから、タート・パノムからサコーン・ナコーンへ行くことにします。

午前5時54分起床。部屋の窓からメコン川を撮影、雲のあつそうな、まだ暗い道路には街灯が点いたままです。



朝食を済ませ午前8時20分スタートです。ホテルの朝の前景です。
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国道2034号線をメコン川に沿って14km南下するとプー・パテープ国立公園へ通じる道路です。

1km進むとプー・パテープ国立公園の入り口です。





95~120万年前に熔岩が流れてできた小高い岩山に、浸食によって造形された、キノコや帽子を被せたような奇岩が並んでいます。







奇岩の間を縫うように登山道が通じています。

奇岩の間にはムラサキ色の花が咲いています。

キノコのような岩です。

帽子を被っています。







名前はわかりませんが、ピンク色の花も咲いています。





立ち並ぶ奇岩を抜けると視界が一面に拡がります。

岩肌の低くなったところを、山に降った雨があつまり、流れとなり山野草が育ちます。まず白い花を咲かせた群れが広がっています。





高さ10~15cmほどの背の低い花です。



水溜りもできています。そこには赤い茎でピンクの花が咲いています。

やがて黄色い花が混じります。









蘭の一種でしょうか・・・。













紫色の花もあります。テレビで見たのはこの花の群れでしたがこの一帯には見られません。





同じ黄色い花が咲いていますが種類は違います
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他にも花卉や草花が雨の恵みを受けて咲いています。













花の小さなアザミです。






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麓の土産物屋では近所の主婦が樹脂テープを編んで篭や小物入れを作って販売しています。

いずれも百円から数百円の安価なものばかりです。

ムクダーハーンからタート・パノム、サコン・ナコーンへ

2013年12月10日 | ムクダーハーン
■「ウボン・ラーチャターニー」県を過ぎると「アムナート・チャルーン」県で国道2242号線から国道2034号線となり、25Km程で「ムクダーハーン」県に入ります。「ムクダーハーン」市街まではメコン川に沿って道路は北上します。
「ムクダーハーン」市街の手前15kmに「プー・パ・テーム国立公園」があるので紹介します。

公園の入り口で由来を解説してくれる地元の中学生です。95~120万年前の地層が浸食と風化で奇岩となって続く低い山です。













奇岩にはそれぞれのイメージから名前が付けられています。

国道2034号線です。走行車両も少なく、のどかな風景を見ながら走行します。

ムクダーハーン・タワーです。市街の南外れに1966年、プミポン国王の即位60周年を祝って建てられた66.5mの展望タワーです。
1、2階はムクダーハーンの民族文化、風俗を展示する民俗資料館になっています。

エレベーターで展望室まで上ると、360度を眺望できます。写真はメコン川上流を見たところです。
メコン川の上流には「タイ・ラオス第2友好橋」が見えます。

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■「ムクダーハーン」から50km北上するると「タート・パノム」です。左折して国道223号線を75km行くと「サコン・ナコーン」に到着します。
「タート・パノム」には「プラタート・パノム」という釈迦の肋骨を納めたという仏塔があります。
仏塔の建立の始まりは紀元前535年頃と伝えられていますが、現在の仏塔は1975年8月の暴雨風で崩壊した塔に替わって、1979年に再建された高さ57mの四面体で蓮の蕾を模ったラーオ様式の仏塔です。塔の装飾には110kgの金が用いられています。

崩壊前の仏塔は煉瓦積みで基底部には初転法輪などの仏陀の物語が彫刻されていて、様式から6、7世紀以前のメコン川一帯を支配した扶南王国の時代に建立されたものではないかとも言われています。









リボンの結われた石柱は、西暦8年にインドからもたらされた「サオ・イン・タ・キン」という説明があります。「都の礎柱」のようなものでしょうか、ドヴァラヴァディーの「バイ・セーマー」(結界石)のようにも見えます。