昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
アンティークなラジオを中心とした、自由でお洒落な、なんちゃってワールド♪

三菱電機(MITSUBISHI)「5P-468」 Vol.2

2005-12-25 | 三菱電機 真空管ラジオ
   クリーニング前の汚れたキャビネット

シャーシーの次は、キャビネットとツマミの洗浄と清掃を行ないます。

1.キャビネットから透明フロントパネルを取り外す。
2.キャビネット内に回路図が張付けてある場合は、防水処理を行なう。
3.シャワーの水でキャビネット・透明フロントパネル・ツマミの埃や大きな汚れをザッと洗い流した後、中性洗剤の泡スプレーを噴霧し、しばらく漬けおきする。
4.古いフェイスタオルで軽く擦りながら、再度シャワーの水で中性洗剤を洗い流す。
 シルク印刷された透明パネルの周波数表示板やキャビネットの文字は、擦れて文字が消えないよう注意深く洗ってください。

5.タオルで水滴を拭き、日陰または部屋の中で自然乾燥させる。

すると・・・・何と言うことでしょう!新品と見間違うようなキャビネットに生まれ変わったではありませんか!(ビフォアー・アフター風:笑)
              

   キャビネットの研磨と仕上げ作業

キャビネットとシャーシーの洗浄・清掃の後、『ラジオの匠』の手による修復・調整も終了。あとは最後の研磨と仕上げ作業を行ないます。
 クリーニングを行なっても、経年変化でプラスチックキャビネットのツヤが失われ、細かい擦り傷や欠け、割れた部分等を補修します。また透明なフロントパネルのくすみもキレイに再生します。

1.深い傷、クラックにはプラスチック・パテを塗り込み、乾燥後、1000番台以上の紙やすりを使い、パテ表面を従来部分と均一な仕上がりにする。

2.自動車ボディー用コンパウンドまたはプラスチッククリーナー(コンパウンド入り)を使い、キャビネットの表面を研磨する。
 コンパウンドはプラスチック素材自体を磨くときのみ、使用してください。
 プラスチック素材に塗装を行なっている箇所を研磨しないで下さい。

 (1)①細目、②中細、③極細の3種類を用意する。
 (2)キャビネット底などの目立たない場所で、③極細→②中細→①細目の順番で最適なコンパウンドの種類を試す。
 (3)③極細でキレイにならない場合は、目の粗い①細目→②中細→③極細の順番で磨いていく。

3.くすんで曇っている透明なフロントパネルには、眼鏡拭き用の布にプラスチッククリーナーを少量つけ、磨く。
 裏面には周波数表示などの文字が印刷されているので、絶対に擦らないよう、細心の注意してください。

4.パテを塗り補修した箇所に面相筆で塗装し、乾燥後、軽く研磨する。

写真は、キャビネット、フロントパネルの研磨を終え、最終的に乾拭きしているところです。 Vol.1の写真と比べてください。 ピカピカに輝いてますね~♪

              

   レストアを終えた三菱電機(MITSUBISHI)「5P-468」


 今回のリストアも諸先輩のアドバイスや力をお借りしながら、無事終了しました。しかしまぁ「できることからコツコツと!」です。
 自分が手を加えることに比例して、そのラジオに対する愛着指数も高まってきます。
真空管を差替えただけで、あるいはヒューズを入れ替えただけでも、鳴らなかったラジオから音が出ることもあります。

 順序だてて、回路図を追いながら不具合のある箇所を予測、探し出して部品交換にトライする・・・・ロールプレイング・ゲームさながらの試行錯誤の末、何十年も鳴らずに放置されていたラジオに新たな息吹きを注ぐことができる。それが真空管ラジオのレストアの醍醐味だと実感します。

 このラジオでNHK第2放送の『ラジオ英会話』や『ビジネス英会話』を聴いてみました。USA Todayなどの記事が朗読され、記事の英語をじっくり日本語に訳す、ということもしてくれないので結構きつい難解な英語のはずが、なぜか音楽のように心地よく聞こえるのです。
この時代の真空管ラジオは、中音に音域を絞り込んでいるせいでしょうか。また非常に感度がよく、1m程度のアンテナ線をラジオから垂らしているだけにもかかわらず、遠距離の中波局やアジア・太平洋諸国の短波放送も強力に入感します。

 そんな訳で、定年退職される方にプレゼントするはずのこのラジオ、アタシが代わって、末永く使わせていただくこととしました。♪ ・・・・それって、ただプレゼントするのが勿体なくなっただけじゃんか! 笑

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