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湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

バックス:ヴィオラ・ソナタ

2013年07月05日 | イギリス
○ターティス(Va)作曲家(P)(pearl他)1929/5/27プライヴェート録音・CD

pearl GEMMがLP時代に発掘したテストプレスのSP音源で、これが唯一のターティスの同曲録音である。緩急緩の三楽章に明確に性格分けされ、バックスらしい晦渋さと暗い夢が交錯し、総じては「怒れる曲」のように聴こえてくる。ヴィオラという楽器の特性を活かした書法、それを自在に演ずるターティスの腕は、テストプレスで終わってしまったのが不思議なくらい完成度が高い(バックスのピアノは曲に沿ったような感じ、でも下手ではない)。プリムローズと比べればミス(か指のすさび)が僅かにある点落ちるかもしれないが、楽曲の激しい魅力を伝える力は上かもしれない。ヴァイオリン的なプリムローズの音にくらべてまさにヴィオラの深い音色、とくに低音域は美しい。○。
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ラヴェル:ピアノ三重奏曲

2013年07月04日 | ラヴェル
○トリエステ三重奏団(HMV)1947/6/11,13・CD

ピアノが突出したりヴァイオリンが歌い過ぎたりせず調和のとれた演奏ぶりが、専門アンサンブルとしての能力を魅せつけてくれる。ただ、オールドスタイルで、ロマンティックな解釈が目立つ。ラヴェルでルバートはしてはならない。だが音色がいずれも安定しており暗くならず、とくにピアノはラヴェル向きの音を出していて、テンポや表情付けの過多を感じさせないところがいい。まだ若々しい感じもするが、それほど間をあけずにDGに録音したものがCD集成されているので、聴き比べるのもよし。○。
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チャイコフスキー:管弦楽組曲第1番~Ⅳ.小さな行進曲

2013年07月04日 | チャイコフスキー
ガブリロヴィッチ指揮デトロイト交響楽団(victor/PRSC)1928/4/18

バレエ小品を想起するミニアチュアで、これで演奏を評価するのは大変難しいが、ソリストはそれなりに上手く、アンサンブルも時代なりの精度はある、くらいか。全く印象に残らなかった。
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シャブリエ:狂詩曲「スペイン」

2013年07月04日 | その他ラテン諸国
○ガブリロヴィッチ指揮デトロイト交響楽団(victor/PRSC)1928/4/16

こういう明るい曲にオケは相性が良いらしい。けして派手な演奏ではないが必要十分を満たしている。ガブリロヴィッチの指揮ではこれは好き。
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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ~Ⅱ.ワルツ

2013年07月04日 | チャイコフスキー
ガブリロヴィッチ指揮デトロイト交響楽団(victor/PRSC)1928/4/17

pristineの配信で聴いたが盤面状態が悪い点考慮したとしても、どうにもオケがユルくて聞きづらい。適度な起伏は付いているのだが凡庸。
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リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲

2013年07月04日 | リムスキー・コルサコフ
○ヘルツ指揮サンフランシスコ交響楽団(victor/PRSC)1926/4/21,23

前につんのめるような速いテンポに最初のうちこそ不安はあったが、愉悦的なリズムが強調され、ソリストの技量云々はともかくオケ全般に覇気があり合奏力があり突き進む力には圧倒される。まさにアメリカの楽団はこういう明るくさっぱりした響きで開放的に、かつトスカニーニの臭いを嗅いだような緊張感も持って演奏する、その源流を聴く思いだ。上手いと思う。指揮はそれをうまくドライヴしているようなものだ。しゃっちょこばったドイツ臭さなど無い。確かに揺れは無いが最後のほうなどファリャを思わせるような色彩を振りまいてとにかく楽しい。いい指揮者ではないか。○。
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グラズノフ:コンサート・ワルツ第1番

2013年07月04日 | グラズノフ
○ヘルツ指揮サンフランシスコ交響楽団(victor/PRSC)1928/2/28

ヘルツ録音末期のものだが、言われるほど全然悪くない。ワルツになってない(揺れない)、というのは他の(とくにアメリカの)演奏ではいくらでもあるし、この前進力とこの時代にしては高い技術、緊張感、そして華やかに開放的な響きはpristineのレストアのせいもあるかもしれないが決して悪くない。前進力ありながらリズムが強く刻まれるのが心地いい。ロシア臭さのようなローカリズムから解放された音楽を楽しめた。
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ラヴェル:道化師の朝の歌(管弦楽編)

2013年07月04日 | ラヴェル
ストコフスキ指揮ORTF(EMI/captol)1958/5・CD

ストコのラヴェルやドビュッシーはスタジオ/ライブ問わず数多くあるが私は正規をたまに聴くのみだ。録音のよさ(これも優秀なステレオ録音)とゴージャスさ、あとは伸縮するテンポ。それだけしかないフランス近現代物とあってはちょっと敬遠してしまう。たとえフランス国立放送管弦楽団を使っていたとしても。冒頭いきなりテンポがもたつく。オケがオケなのでそういうこともあろうとは思うがどうもテンポに乗れないまま続く。リズムはまあまあだが。。中間部のテンポがソロではなく指揮者によって伸び縮みするのもどうかと思う。無印。
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ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第3番「田園交響曲」

2013年07月04日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ルークロフト(sp)ハイティンク指揮LPO(EMI)CD

終始美しく明るい。弦楽器のしなやかさ、ニュアンスに富んだ表現は言うことがなく、立体構造をより際立たせるためかブラスや木管をぶっきらぼうなくらいしっかり吹かせ細部までしっかり浮き彫りにして、やや主張しすぎなくらいに、同曲では珍しいダイナミズムを打ち出している。そこがRVW的ではないところでもあるが、この時代の交響曲として、この曲が如何に際立って個性的で意味ある存在だったのか、工夫されていたのか、よくわかる。ソプラノはややおばさんだが音量は程よい。総じてやはりダイナミック、幻想味にはやや欠けるが純音楽的な解釈の説得力は◎にしてもいいくらい。
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アイヴズ:アメリカ変奏曲(ウィリアム・シューマン管弦楽編)

2013年07月03日 | アイヴズ
○フィードラー指揮ボストン・ポップス(LONDON,DECCA)1977/6・CD

オルガン原曲はハッキリ言ってオルガンに似つかわしくない軽い曲でそのくせごちゃごちゃしていて(特に終盤は初期アイヴズらしい「音符詰め込みすぎ」)耳障り悪いのだが、管弦楽や吹奏楽にも編曲されているとおりアメリカ万歳の内容ということで人気の高いものになっている。ウィリアム・シューマンは曲を立体的に組み直しアイヴズ自身の管弦楽曲より洗練された書法でおのおのの魅力的な変奏を引き立てる(ま、大して変奏になってないのだが)。そして異なる調性の変奏同士が衝突するアイヴズらしい部分では、オルガン原曲ではわかりにくかった意匠をアイヴズ的に(つまりまんま鮮やかに二つ同時に演奏させる)解釈して表現させることに成功している。フィードラーは旋律処理はお手の物で愉悦的な音楽をリズミカルに引き立てる。終盤のごちゃごちゃはちょっと乱れるが仕方ないだろう。この時点でアイヴズが既に「逆変奏」を使っているのもよくわかる(この頃は伝統的な方法論も残り生硬ではあるが)、この曲はこの編曲が一番わかりやすいな。ちなみにこの主題はイギリス国歌として知られるが古き良きアメリカでは国歌として扱われることも多かった。アイヴズが古き良きアメリカを愛した(そして諧謔も愛した)ことが如実に出ていますね。○。
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レフラー:一楽章の弦楽四重奏曲

2013年07月03日 | アメリカ
○ゴードン四重奏団(SCHIRMER RECORD)SP

ジャック・ゴードンはシカゴ交響楽団のコンマス。20世紀前半に活躍した楽団だがこの時代の技術的にはなかなか高いものがある。いかんせん曲が前世紀的な国民楽派音楽に中間部ドビュッシーを導入したといったもので、単一楽章とはいえアーチ構造の部分部分には分けられる作品で新味はない。ドビュッシー的な部分は楽しめたが、曲的には余りに唐突か。○。
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カウエル:ペルシア組曲

2013年07月02日 | アメリカ
ストコフスキ指揮彼のオーケストラ(CRI/RCA他)1957/4・CD

ストコフスキーは曲に即した演奏を提示して過不足無い。問題はその曲のほうである。カウエル晩年のアジア行脚からのペルシア傾倒が如実に現れており、一応西欧楽器を使ってはいるがほぼバンド編成でギターが前面に立ちまるでそのまんまペルシアの音楽なのである。異化も昇華もなされず、ただその方法でペルシア音楽を作っただけなのだ。4曲目で合いの手の掛け声が入るところなどウンザリするほど模倣している。西欧楽器ということで半世紀以上前のボロディンふうに聴こえる旋律も無茶苦茶古臭い。ギターはスパニッシュギターのようにラテンな感じもするが、いずれそういう世俗性を臆面もなく出している音楽なのだ。録音も悪くモノラル。擬似ステレオ盤もあるのでそちらが聴けるならそちらをどうぞ。
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