湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

マキューアン:弦楽四重奏曲第4番

2013年04月04日 | イギリス
○チリンギリアン四重奏団(chandos)CD

突飛な転調により常套的な表現を途中で捻じ曲げるといったマキューアンの個性が既に現れているが、基本中欧ふうの前衛傾向の強いながらロマンティックな内容もふくむ暗い音楽から抜け出せないまま楽曲は進み、、、しかし終楽章でいきなり民謡になる。これがマキューアンなのだろう。この終楽章の民謡編曲も一筋縄ではいかないアレンジが加えられてはいるが、楽天的すぎて1楽章がうそのようだ。晦渋で難しいがやりがいはありそうな曲で、もっと聴かれてもいいかもしれない。演奏は達者。○。
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ウォルトン:バレエ組曲「賢い乙女たち」(バッハ原曲)

2013年04月04日 | イギリス
○児玉宏指揮大阪シンフォニカー交響楽団(rohm,king)2010/3/17live・CD

ウォルトンを期待しないで聴くべし。依属趣旨に従いコンスタン・ランバート選によるバッハの色々な曲の抜粋を単純に管弦楽編曲し最初はバレエ全曲にまとめたもので(現存は組曲のみ)それ以上でもそれ以下でもない。これは擬古典でも新古典でもなく、バッハの方法論を徹底的に模倣したうえでの編曲なのである。ごくわずかではあるが多少派手な響きのする個所にはバッハの時代にないものが感じられるし、大管弦楽作品なのだからバッハの方法論を踏襲したといってもちょっと違うのかもしれないが、ワルターのマタイを聴くようなものであり、いわば編成の規模だけの問題である。オケは上手い。この曲はオケの腕の差が出にくいだろうが、手堅く聴ける。聴衆反応は普通。○。
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マキューアン:弦楽四重奏曲第17番「ファンタジア」

2013年04月03日 | イギリス
○チリンギリアン四重奏団(chandos)CD

単一楽章からなる小品ではあるが連続して演奏されるいくつかの部分で性格分けされている。低弦により奏される暗く律動的な旋律によりアーチ構造をなしており、それはロマン派的なものであるが、中盤には目の覚めるような前衛的転調を盛り込んだ意欲的な表現やミヨー的な響きを持つ部分、あるいは古典的な表現も入ってきて、近現代要素の展覧会となる。この10分の間に詰め込むマキューアンの「個性」を実感できる。あの奇怪な転調はこの人じゃないとやらない。どちらかといえば中欧的でいつものフランス風の表現は目立たずそのようなものを期待すると裏切られるが、この短さなら耐えられる。演奏家は達者。○。
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