湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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マキューアン:弦楽四重奏曲第17番「ファンタジア」

2013年04月03日 | イギリス
○チリンギリアン四重奏団(chandos)CD

単一楽章からなる小品ではあるが連続して演奏されるいくつかの部分で性格分けされている。低弦により奏される暗く律動的な旋律によりアーチ構造をなしており、それはロマン派的なものであるが、中盤には目の覚めるような前衛的転調を盛り込んだ意欲的な表現やミヨー的な響きを持つ部分、あるいは古典的な表現も入ってきて、近現代要素の展覧会となる。この10分の間に詰め込むマキューアンの「個性」を実感できる。あの奇怪な転調はこの人じゃないとやらない。どちらかといえば中欧的でいつものフランス風の表現は目立たずそのようなものを期待すると裏切られるが、この短さなら耐えられる。演奏家は達者。○。

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