湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ラヴェル:弦楽四重奏曲

2011年02月22日 | ラヴェル
○パレナン四重奏団(EINSATZ/PACIFIC)1950年代初頭・CD

パレナンにしては躍動的で前半楽章では感情的な昂りも感じさせるが、それは主として音色的なものでありテンポはそれほど揺れずアンサンブルはいたってしっかりした後年のスタイルに沿っている。もちろんそういった若々しさ力強さ(+雑味)が醸される理由の大部分は団体のまだ初期の録音だからというところに帰するだろうが、もう一つ、録音の残響がぜんぜん無く、デッドと言っていいくらいであることにも起因していることは間違いない。そのような状態でなお十分に「聴ける演奏」であることこそが一流の演奏家のあかしとも言えるのだが、リアルな肌触り、剥き出しの運動性はひとえにその録音環境(及び復刻)によって生み出されたもので、神経質な向きには薦められないが、慣れた向きには残響バリバリで補正かけまくりのデジタル録音には無い、狭い木造のスタジオで繰り広げられるライヴを現場で聞くような感覚で楽しめると思う。○。

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