○モントゥ指揮シャンゼリゼ劇場管弦楽団(フランス国立放送管弦楽団)(DISQUES MONTAIGNE/MUSIC&ARTS)1958/5/8LIVE・CD
元来生気ある音楽においてモントゥはとても活きてくる。はつらつとした動きこそこのころにはかなり失われてきつつあるが、それでも喜遊的な音色とけっこう重厚な響きが音楽に迫力をあたえている。この曲には両極端な演奏があり、物凄い集中力とスピードでギリギリ締め上げオケの機能性を見せ付ける演奏と、交響曲としてのフォルムをしっかり組み上げたうえでプロコの既にして天才的なアンサンブル書法を裏までクリアに聞かせることにより徒に演奏技術に拘泥しなくとも「音楽そのものの力」だけですこぶる気分を高揚させるという「落ち着き系」の演奏がある。これは後者に近いかもしれない。それでもライヴならではの「あやふやな勢い」があり必ずしも後者的解釈の要求する精度(音色的なまとまりを含む)が徹底しているわけではないのだが、とくにヴァイオリンなどは決して技巧をひけらかす楽団ではないので微細なバラケ感は否めないのだが、2楽章のリズム処理など押さえるところはしっかり押さえて音楽のフォルムは崩れずドイツ的といってもいいような堅実さを出している。音色のバラケぶりは終楽章のヴァイオリンに顕著だが、このオケにこの明晰な録音ではしょうがないかもしれない。けして名演ではないが堅実。○。
元来生気ある音楽においてモントゥはとても活きてくる。はつらつとした動きこそこのころにはかなり失われてきつつあるが、それでも喜遊的な音色とけっこう重厚な響きが音楽に迫力をあたえている。この曲には両極端な演奏があり、物凄い集中力とスピードでギリギリ締め上げオケの機能性を見せ付ける演奏と、交響曲としてのフォルムをしっかり組み上げたうえでプロコの既にして天才的なアンサンブル書法を裏までクリアに聞かせることにより徒に演奏技術に拘泥しなくとも「音楽そのものの力」だけですこぶる気分を高揚させるという「落ち着き系」の演奏がある。これは後者に近いかもしれない。それでもライヴならではの「あやふやな勢い」があり必ずしも後者的解釈の要求する精度(音色的なまとまりを含む)が徹底しているわけではないのだが、とくにヴァイオリンなどは決して技巧をひけらかす楽団ではないので微細なバラケ感は否めないのだが、2楽章のリズム処理など押さえるところはしっかり押さえて音楽のフォルムは崩れずドイツ的といってもいいような堅実さを出している。音色のバラケぶりは終楽章のヴァイオリンに顕著だが、このオケにこの明晰な録音ではしょうがないかもしれない。けして名演ではないが堅実。○。