湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第8番

2012年11月12日 | ヴォーン・ウィリアムズ
◎A.デイヴィス指揮BBC交響楽団(warner)CD

この人のRVW全集は投げ売り状態でいい評判も聴かないが、RVWのシンフォニーを来日演奏した数少ない指揮者の一人で当然エキスパートである。期待しないで聴いたもののいきなりスピーディな出だしからびっくり。テンポはいつのまにか落ち着くが、その動かし方が流麗でありかつ、縦がとてもしっかりしていてダレない。大きく感情は煽る。だがRVWの透徹した視線を意識したような一歩ひいた解釈がいい。バルビやストコとは違う種類の演奏である。RVWは晩年オーケストレーションに凝ったが(書法というより編成だけど)アンドリュー・デイヴィスは新奇な楽器を強調するでもなく調和させてうまくRVWに期待される平穏な牧歌に昇華させている。ブラスはこの演奏では余り個性を出さないが二楽章はブラスだけによるスケルツォで、BBCらしく明瞭にプロフェッショナルに演じている。スケール感もあり、ちょっと聴かない感じの演奏だっただけに、とくにテンポ操作が極端にもかかわらずとても自然なところで◎をあげたくなった。

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