湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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シェーンベルク:弦楽のための組曲ト長調

2012年10月24日 | ドイツ・オーストリア
○フリッチャイ指揮BPO(audite)1949/11/28チタニア・パラストlive・CD

古風な組曲との原題どおり調性音楽として書かれており、旋律要素もはっきりしており、構成要素の呼称から新古典主義の作品であることは明白だが、世紀末ウィーン風とでも言うべき半音階的進行や音色効果は、初期作品から生臭さを抜いて職人的に仕立てあげたふうであり、そのくせなかなかにくせ者な技巧がちりばめられている。とても人好きするが、それはアイヴズでいえば三番交響曲のような位置付け、決して模索の結果の到達点ではなく一種妥協の意図せぬ成果というか筆のすさび的なものと考えるべきだろう。ツェムリンスキーを想起するくらい逆行しているのだ。フリッチャイは比較的余裕のあるオケから溌剌とした輪郭のはっきりした音を引き出している。よく響きが整えられ作曲家の創意をわからせる配慮が嬉しい。○。
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