ジャンドロン(Vc)マッツェラート指揮ヘッセン放送交響楽団(meloclassic)1956/2/23フランクフルト放送スタジオ録音・CD
ジャンドロンが呆れるほどのっており、音は細くてロストロポーヴィチほどグイグイ持っていく力はないが、ミスがほとんど無く、とくにこの難曲を特徴づける高音がまるで名ヴァイオリニストのような美音で仰天させられる。モノラルでややこもってはいるが、ジャンドロンの「そうは感じさせないほど巧緻な」腕前を愉しめる。プロコフィエフらしくないといえばらしくない作品で、三楽章も終盤になるまで(とつとつとリズムを打ってくるところからはプロコフィエフの才気が爆発する)音楽が根無し草のようにふわふわし、甘くも辛くもなく、しかしジャンドロンで聴くとイギリスの曲のようなジェネラルな魅力が出てきて、これは破棄するには惜しい特異な作品で、更に言えば改訂して協奏的交響曲としたものとは全く異なる「小品」であるように感じる。そう、プロコフィエフからは一方的に「借りのある」ウォルトンの協奏曲に似ているかもしれない。いずれジャンドロン向きなのだろう。
ジャンドロンが呆れるほどのっており、音は細くてロストロポーヴィチほどグイグイ持っていく力はないが、ミスがほとんど無く、とくにこの難曲を特徴づける高音がまるで名ヴァイオリニストのような美音で仰天させられる。モノラルでややこもってはいるが、ジャンドロンの「そうは感じさせないほど巧緻な」腕前を愉しめる。プロコフィエフらしくないといえばらしくない作品で、三楽章も終盤になるまで(とつとつとリズムを打ってくるところからはプロコフィエフの才気が爆発する)音楽が根無し草のようにふわふわし、甘くも辛くもなく、しかしジャンドロンで聴くとイギリスの曲のようなジェネラルな魅力が出てきて、これは破棄するには惜しい特異な作品で、更に言えば改訂して協奏的交響曲としたものとは全く異なる「小品」であるように感じる。そう、プロコフィエフからは一方的に「借りのある」ウォルトンの協奏曲に似ているかもしれない。いずれジャンドロン向きなのだろう。