湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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クラシックマニアは露悪下品指向

2008年09月23日 | Weblog
なんかもう許系露悪ヒョーロン紛いが増えた時期から殆ど他人の書いたクラシック音盤系の文章は好まないのだが、情報としては読む。

ただ、ほんともう人のことは言えないんだけど、本の丸写しとかライナー丸信じとか、ブログがさかんになってからのクラシック系草の根ネットは使い物にならない度が凄まじく、ウンザリしてしまう。

別に他人のために書いてるわけではないここはもう、言ってることと書いてること違いすぎだろ的な「印象評論」しかないわけだが、ほんとはきっちりしいなので、ちゃんと多面的に説明したうえで印象を添えるようなものが書きたい。

ただ、それは老後にとっておく。

時間も余裕もありゃしない。

いやそんなことを書きたかったわけではない。

昔から思っていたのだが、セミプロまでいかないアマチュア奏者を上限として、聴くだけマニア、果てはなんちゃってクラシックマニアにいたるまで、表現や言葉の下品なこと・・・これは何なんだろう。

やたらとフーゾクネタみたいなものにつなげて語る奴、いい年して下ネタばかりに繋げる奴・・・なんでクラシック音楽好きって権威的なイメージを一方では誇示しながらも、バカっぽいネタを織り交ぜて語るわけ?

更に「通」ぽいから?



・・・そういう「ディレッタント」ぽい下衆には祭司ワルターもストラヴィンスキーも激怒するだろう。

ドビュッシーは「相手するレベルに至っていない」とみなしシカトだろう。

マーラーやクレンペラーやプロコフィエフなんかは無意識に下ネタ連呼で罵倒するだろう(ただ現代日本人が下ネタを言う感覚と彼ら生まれ育った風土で下ネタを言う感覚が違うことは確かだし、質も違うだろう)。

アイヴズはビジネススマイル。だけどメモには罵詈雑言。

サティはまた雨傘増やしてしまう。

ショスタコーヴィチは譜面に暗号として雑言を忍ばせる。



・・・きりがないけど(以上無意味な推定)、むやみに親しみを感じさせようとして他人、しかも百年余の淘汰期を立派に活き残ってきた音楽家たちに対して、下に見るような言説はあんまり好きではない。音楽家は技術家でもある。技術を知ってそれを謗るのなら話はわかるのだが、マニアはそこまで突っ込まない。まずディープなマニアは突っ込まない。

このジャンルを何故そう親しみ易くしたがるのだろう。

せっかく一定の尊敬を勝ち得たスタイルなのに、聴く側がそういう感覚を持ち、広めようとするってのは何なんだろ。

たかだか少し楽器が弾けるからと(素人が「弾ける」って自称する表現も好きではないが)特権意識を振りかざすようなことも好きではない。内情を知ってるような、内輪話を小耳にはさんだような、ストレス社会なアンサンブルやオケという閉鎖空間でどうしても噴出する下ネタだけを取り出してみたり、好んで言ったり。

とりあえず何かコンクールでも受かれ。

話はそれからだ。

しょせん壁を越えない連中はアマチュアだ。

誰でも何かで経験する「壁を越える」感覚、それがあるかないかで大きく違う。意識も、じっさい技術も。

壁を越えたことのない、あるいは越えたつもりになっている連中が飲み会の場で拾った下ネタを使ってプロを全人的に語る。



・・・かっこ悪い。



・・・って自分のこととしてつくづく思ってきたことなので、書いてみた。
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8 Comments

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うんうん (けん)
2008-09-24 14:09:19
つくづく俺のことだなぁと思って読んでいた。
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中庸の立ち位置がとれないクラマニア (管理人)
2008-09-24 16:05:01
ハードロックファンやアマチュアバンドなんかのほうが外見が貼りついてるだけで中身はよほど他愛無いんですよね。年齢層やプロの壁の高さの問題もあるんでしょうが、非常にドロドロしたものを感じます、我ら「くらおた」にはw
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でもね (けん)
2008-09-25 10:32:14
少なくとも弾いている立場と聴いているだけとの立場の開きはイスカンダルよりも遠いぞ。
弾く人間は音楽を立体的に聴ける。
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音楽好きの延長として (管理人)
2008-09-25 12:33:21
前も書いたとおりその点は同意です。楽器をかなでる、譜面を読む、あるいは楽理や音楽史に踏み込むのはそれぞれ理解を深める気なら必須の探求行為ですし、そこへ向かうのがマニアを自称するなら、まっとうなんですよね。そこまで踏み込まずにただ一般書の受け売りや他人からのうろ覚え知識や限られた浅い経験を振りかざす、見透かされないためか情緒的表現に逃げる→露骨に下卑た言説になる、というのはいたたまれないです。ジャズマニアにも「良盤を持ってるだけで自分が演じたものかのように自慢する」手合いは多いですが、ジャズは性質がちょっと違うかな。。

楽器をかなでることが最上位にあって、音楽について知ることは適当にする半端なアマチュア論者が多い。これこそ「オーディションでも受かってから楽器論を語れ」です。プロミュージシャンが案外知識がないという現象はクラシック特有に思いますが、それは楽器弾きがお金をもらって弾く立場から楽譜に対峙しつづけているうえで、音楽を享受するだけの立場になりきれない、また単に余裕のないだけのことかと。クラシック楽器の演奏がいかに難しいか、他のジャンルと決定的に違う点で、アマの甘さとは根本から違う。
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そうですね (田豊)
2008-09-25 23:54:32
私目は聴くだけ者ですが、クレンペラーの品行について語る特たとえようもなく、クレンペラーを好きになっている自分に気づきます。ショスタコービッチ然り、その他も、貶めて楽しんでいるのでしょうか、そうかなあ知っている同士であればやっぱりクレンペラー愛してる。

私のもう一つ趣味の将棋会では100人程度の天才集団ですが(分け前にあずかるパイが小さいだけに)、ホントにもう闇に隠れて、貶め悪口、陰謀まさに小人の世界です、昔の升田幸三のような巨人が懐かしい。
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ちょっと吐き出し過ぎましたが (管理人)
2008-09-26 00:31:31
マニア間の話題としては、狂気という意味も含んだファンであるうえで、成り立っていい感覚とは思います。しかしクレンペラーは全裸でホテルの机に向かっていたからバッハを振れたのではない。構わずスコアに没頭していたからバッハを振れたということ、そこで何を読み、何を発見し、何が音楽になったのか、全裸というタームはこのあたりの本質の認識をないがしろにさせかねない。

スコアの書き込みの細部の検証までは必要ないし今となっては不可能でしょうが、根っこには傑出したプロフェッショナルに対する然るべき尊敬は据えておくべきで、逸話を面白がるだけの感覚を、初心者などに植え付ける危険を憂いたりもするのです。だから下手なマンガで音楽家を野次るようなムック音楽本は嫌いなんですがあくまで個人的な感覚です。

将棋は・・・凄そうですね、としか言えませんが。
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要するに (けん)
2008-09-26 11:57:33
暇なのさ。
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楽器 (管理人)
2008-09-26 12:29:42
聴くにもポップスの標準が5分に対してクラシックは30分はかかりますね。ましてや楽器をやるとなると・・・暇がなければ無理な趣味。加えてお金。
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