○ヴィルトゥオーゾ四重奏団(HMV)1925/9/14,12/4,9/18,10/21・SP
オケプレイヤーを中心にレコード会社主導で編成された録音用団体の模様。ヘイワード以外はよくわからないが他社に対抗して網羅的録音、しかも一部抜粋ではなく全曲という売りで啓蒙的活動をしたもののようである。演奏的にも専門団体にくらべ技術的安定感はあるが飛び抜けて上手くは無く、現在の耳からすれば手堅い解釈で特筆すべき表現もなく、ただそういった啓蒙的観点から?の客観性があるだけに、この時代の演奏に似つかわしくないくらい現代的で聴きやすいものでもある。集中的にかなりテイクを重ねて丁寧に録音していたようだが、なにぶん古い。だから盤そのものの瑕疵と演奏の瑕疵の違いがわかりにくい部分もある。チャイコのような音楽には適性を示すが、ドビュッシーのような風変わりな作品には特にどうも探り探り感が否めない。といっても3楽章などじっくりと、粘らずしとやかに演奏しているのがイギリスらしくて私は好きだ。また、何故か4楽章の出来がいい。ヴィブラートを多用せずポルタメントに頼らない、そこがこの曲の聴きやすさに繋がっている。ファーストが活躍する曲だからファーストだけが上手い(アンサンブル力は他も十分だが上手くは無い)この団体には向いているけれど、チェロなどもっと主張が欲しいかも。○。あ、特徴に付け加えると、この団体、スタッカートを切らない。スピッカート気味にして明瞭なアンサンブルを印象付ける団体が多い中、こういう奏法があったのか、というほどアクセントを強調しない「幅のあるスタッカート」を使うのだ。というか、このての「飛ばし」を使わないというのは遠い昔へっぽこな私も教わった(というか飛ばし自体教わらなかった!)やり方なだけに、英国にこういう奏法の流れがあったのかもしれない。裏返して言うとしっかりしたテンポやリズムを保つのが難しいので、腕のある団体の証左ではある。じっさい、チャイコでは活きている。
オケプレイヤーを中心にレコード会社主導で編成された録音用団体の模様。ヘイワード以外はよくわからないが他社に対抗して網羅的録音、しかも一部抜粋ではなく全曲という売りで啓蒙的活動をしたもののようである。演奏的にも専門団体にくらべ技術的安定感はあるが飛び抜けて上手くは無く、現在の耳からすれば手堅い解釈で特筆すべき表現もなく、ただそういった啓蒙的観点から?の客観性があるだけに、この時代の演奏に似つかわしくないくらい現代的で聴きやすいものでもある。集中的にかなりテイクを重ねて丁寧に録音していたようだが、なにぶん古い。だから盤そのものの瑕疵と演奏の瑕疵の違いがわかりにくい部分もある。チャイコのような音楽には適性を示すが、ドビュッシーのような風変わりな作品には特にどうも探り探り感が否めない。といっても3楽章などじっくりと、粘らずしとやかに演奏しているのがイギリスらしくて私は好きだ。また、何故か4楽章の出来がいい。ヴィブラートを多用せずポルタメントに頼らない、そこがこの曲の聴きやすさに繋がっている。ファーストが活躍する曲だからファーストだけが上手い(アンサンブル力は他も十分だが上手くは無い)この団体には向いているけれど、チェロなどもっと主張が欲しいかも。○。あ、特徴に付け加えると、この団体、スタッカートを切らない。スピッカート気味にして明瞭なアンサンブルを印象付ける団体が多い中、こういう奏法があったのか、というほどアクセントを強調しない「幅のあるスタッカート」を使うのだ。というか、このての「飛ばし」を使わないというのは遠い昔へっぽこな私も教わった(というか飛ばし自体教わらなかった!)やり方なだけに、英国にこういう奏法の流れがあったのかもしれない。裏返して言うとしっかりしたテンポやリズムを保つのが難しいので、腕のある団体の証左ではある。じっさい、チャイコでは活きている。