湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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マーラー:交響曲第1番「巨人」

2019年01月25日 | マーラー
ワルター指揮BBC交響楽団(ica)1955/5/15live放送・CD

R.イッターはlyritaレーベルの創始者だが52年より個人的にエアチェックしていた音源がシリーズ化されicaより復刻されている。プロ機材によると銘打っているもののノイズまみれで正直凡百海賊盤と変わらない(BBC放送の権利はよくわからないからこれも海賊なのかどうかわからない)。音の実が詰まっておりやり方によってはきれいに聴けるかもだけれど。ワルターのモノラルライヴとして標準的な音質ともいえ、肉感的でグラマラスな内容もまた昔のワルターの魅力たっぷり。最初の一音からしてワルターだとわかる勢い、速いテンポとうたいまわす音の分厚さが、詠嘆のマーラーはとうてい呼ばないけれども、巨人ならほぼ全編楽しめる。マーラーの巨人はどれもこんなもので、その中では「うねり」という面で大人しめというのは晩年様式への布石と思う。あるいはBBC交響楽団の性向か。機能的でどんなスタイルにも対応できるが、粘着が足りない。ラストは壮麗でワルターの世界は比類ない。拍手は普通。
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