○スヴェトラーノフ指揮ロシア国立交響楽団(EXTON/VENEZIA)1998/4/13-17・CD
整った演奏ではあるがいわゆる晩年様式の感じはしない、生気ある演奏になっている。既に弦楽器が弱体化している筈とはいえここではロマンティックな表現がスムーズに板についており、さほど気にならない(ホール残響のせいもあろうが)。諸所わずかにロシア臭がするものの、もはや清潔な美意識の中に昇華された感もあり、ロシア音楽アンソロジーシリーズの頃のローカリズムの主張がもはやスヴェトラの芸のうちに無いことを感じさせる。十分に長い楽章抜粋とはいえ、ブルックナーは交響曲総体で意味をなす側面もあり、これだけでは評価しようのない部分もあるが、ロマンティック・ブルックナーを体言した最後の指揮者なのかもしれない、とも思って聴いた。○。
※2007/12/21の記事です
整った演奏ではあるがいわゆる晩年様式の感じはしない、生気ある演奏になっている。既に弦楽器が弱体化している筈とはいえここではロマンティックな表現がスムーズに板についており、さほど気にならない(ホール残響のせいもあろうが)。諸所わずかにロシア臭がするものの、もはや清潔な美意識の中に昇華された感もあり、ロシア音楽アンソロジーシリーズの頃のローカリズムの主張がもはやスヴェトラの芸のうちに無いことを感じさせる。十分に長い楽章抜粋とはいえ、ブルックナーは交響曲総体で意味をなす側面もあり、これだけでは評価しようのない部分もあるが、ロマンティック・ブルックナーを体言した最後の指揮者なのかもしれない、とも思って聴いた。○。
※2007/12/21の記事です