湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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プロコフィエフ:交響的物語「ピーターと狼」

2008年11月18日 | プロコフィエフ
○ケーゲル指揮ドレスデン・シュターツカペレ、R.ルートヴィヒ(ナレーション)(DENON,COLOMBIA)1971/6/22-24・CD

非常にクリアでシャープ、自然な拡がりのあるこの上ない録音復刻状態。CDメディアにはうってつけのディジタルな「ケーゲル美学」があらわれた演奏でマニアは金科玉条のように扱うべきだろう(意味不明)ドイツ語によるナレーションに違和感があるのと部分的には少し厳し過ぎる感もあるが、新古典に回帰した時期のプロコフィエフの管弦楽法の粋が現れ、どこにも削るところも加えるところも無いまさに簡潔にして完璧な作品ともいえ、しかしその簡潔さゆえに各モチーフを主として構成するソロ楽器には完璧な演奏が求められる、ちょっとの狂いも何かぐだっとした印象を与えてしまい、この音楽の硝子玉のような美観が損なわれてしまう。ケーゲルはとにかく美しい。ロマンティックな魅力とかダイナミックな迫力とかそういった付加的な表現による音楽ではなく、スコアをスコアのままが最も美しいとしてひたすら磨き上げることに専念した、その結果を愉しもう。禁欲的ではない、スコアは決して禁欲的な旋律(+リズム)を示してはいないのだ、ケーゲルはそこはわきまえているから、楽しめる。とはいえちょっと背筋が固まる感じがするので、曲の内容にそぐわない部分もあるかと○。

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