湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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マーラー:大地の歌

2005年11月10日 | マーラー
○ジュリーニ指揮ベルリン・フィル、ファスベンダー(Ms)アライザ(T)(CD-R)1984/2/14live

ゆったりと浸れるマーラーだ。透明で明るく清清しい。たとえ2楽章や告別の暗黒面であっても少しの曇りもみられない気持ちのよさだ。歌唱も違和感なくその世界に溶け込んでいる。大地の歌の演奏としてこれは別に遅くもなければ間延びもしておらず、ジュリーニまだまだ壮年の輝きが感じられる中間楽章の俊敏さなど(俊敏というよりしなやかと言うべきかもしれないが)少しの乱れもなくドライヴされてゆくこのリズムよさにも演奏の素晴らしさが覗える。ベルリン・フィルの灰汁抜きされた音色に反感を持つ人もいるかもしれないが、私には程よく感じられ、技術的なベルリン・フィルの巧さが発揮されていると思った。録音もかなり良い。かといって◎にするほどの個性はないので、○にとどめておこう。この完成度ならブラヴォが出るかと思ったが拍手後半に少し入る程度で品のいい客だ。この曲なら拍手ナシで沈潜してもいいのだけれども、そういう雰囲気の演奏ではない。くれぐれも爽やかな明るさで統一された演奏である。
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