湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4番〜Ⅲ、Ⅳ(コルバーン吹奏楽編曲)

2018年12月20日 | ヴォーン・ウィリアムズ
コルバーン指揮アメリカ海兵隊吹奏楽団"The President's Own"(marineband)CD

自主制作でYoutubeにイギリス音楽アルバム"Hope and Groly"全て公式アップされている。いささか堅く前に向かわないスタイルだが精度はそのぶん高く、拡散的になりがちな弦楽器をともなうオーケストラよりも、ヴォーン・ウィリアムズの転機となる立体的な書法を細部までしっかり音にして真価を問うてきている。盛り上がりどころであまり見栄を切らず、尻すぼみの構成もそのまま音になってしまっているが、最後は派手に〆るし、ブラスだけによるヴォーン・ウィリアムズというのをこれだけ聴かせられるのは編曲もさることながら合唱と弦楽器で聴かせてきたようなヴォーン・ウィリアムズの意欲作だった証だろう。そしてこのあとヴォーン・ウィリアムズが色々な楽器に取り組み賛否はあるがブラスにおいても確かな腕を発揮していくことになるのを、改めて実感させてくれる実験的な取り組みとも言えると思う。おそらくほとんどの非RVWマニアのリスナーが原曲との区別がつかないのではないか。管楽器のみのアンサンブルという点での緊密さ、がっちりとした組み合い方が聞き物。なかなかでした。コメントにあるようにゴールドブラムがスタートレックに翻案したり、日本でもビールのCMに剽窃されたりとても格好のいい、しかし独特の悪魔的なスペクタクル音楽で、これ以後の作品が自作も含め映画音楽と関係付けられていくのがよくわかる。録音は新しいので大丈夫。
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