湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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YouTubeオーケストラは電子楽器の夢を見るか

2008年12月03日 | Weblog
見ない。

YouTubeオーケストラ、団員募集――目指すはカーネギーホール



思えば就職のとき面接でまさにこの構想を語ったことがあったっけ。パソ通の時代だったけど仮想通貨を利用したネトゲ空間構想まで語ってた、そのうちの一つ。

メインフレームでオープンリールテープの時代に。

みんな思いつきはするけど、ってものである。

インフラと社会的認知度が上がるのに十数年の時間がかかった、ということでもあると思う。言うだけなら誰でもできる。

それにしてもほんと、ちょっと感動した。そうか、動画共有サイトというのが一つの仮想空間を形成するものとすれば、それがホールでもありえるし、オーディション用の小部屋でもありえるのだ。繊細な指示の必要な楽器教育にはちょっと向かないけど、単純な技術を見る、更に技術をクリアした慣れたメンバーがオケで合わせる、そういうレベルのことはある程度はネットだけでも可能だ。

ギターを電話口で弾いて聞かせて、曲を組み立てていく、フォークの時代に行われていたことを単に置き換え置き換えしていくと、ネット上だけの仮想フルオーケストラも出来るのではないか。音の重ね方に工夫は要るけど、調整を重ねれば難しくは無いだろう。世界中に散って活躍する忙しいソリストたちが、サイトウキネンのように無理に集まるのではなく、ある時間だけPCの前に集まり、演奏し、サーバ上のホールでオーケストラとなる。タクトは画面でも接続された物理的な棒状のものでもいい、俊敏に反応さえすれば。少なくともリハに使える。少なくともセク練レベルはこれで十分だろう。

そういう構想も語ったおぼえがある。

実際にやったおじさんがいて、それはホールにオーケストラの形に、大小スピーカーを並べてそれぞれからそれぞれの楽器の音を流す・・・実際はシンセで自分が作った音をわざわざアナログ空間で協和させる、というタクトもいらない半端なものだった。いや、演奏は演奏家がすべきだろう。オーケストラは協和と不協和のせめぎあいだ。協和しかしようがない「俺様オケ」はきっと面白くない。

>米Google傘下のYouTubeは12月1日、オンラインオーケストラ「YouTube Symphony Orchestra」の結成を発表、世界中の音楽家に参加を呼び掛けた。

 YouTube Symphony Orchestraは個人の演奏をインターネットを通じて世界規模のオーケストラに変換する試み。参加者がアップロードした課題曲を演奏する動画を組み合わせ、1つのコラボレーション演奏動画にするという。また応募者の中から来年4月15日にカーネギーホールで演奏する演奏者が選ばれる。

 参加希望者はサイトにコラボレーション演奏用の課題曲と、オーディション用の自分で選んだ楽曲を演奏する計2本のビデオをアップロードする必要がある。課題曲は、このプログラムのために上海出身の作曲家タン・ドゥン氏が作曲した「The Internet Symphony」という楽曲。

~豪華メンバーだ、ちょっと不調かもしれないけどティルソン・トーマスにロンドン交響楽団、サン・フランシスコ交響楽団・・・

2ちゃんオケとかmixiオケとか、かつてはネットコミュニティができるたびにオーケストラが結成され・・・消えていったものだがそういう限りなくアマチュア臭いものとは訳が違う。少なくとも世界レベルである。

これも試みだけで終わるかもしれない。でもちょっと感慨だったのだ。

ようつべの不意なる高画質版提供開始を思い出す。こういったものへの展開の布石だったのだな。

しかし音質はあれでいいのか?
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2 Comments

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ハイビジョンカメラが必要だな (けん)
2008-12-03 19:12:58
元が駄目だとようつべがいくら高画質化しても駄目。
応募者はハイビジョン規格のビデオカメラを購入する必要があるな。

俺ちょっとこの企画を勘違いしていた。
ようつべに動画をアップロードしてそれで審査を受け、合格した人がカーネギーでやるのかと思っていた。
オケは実際にみんなと弾かないと成り立たないような気がするなぁ。
一人で弾くのと、オケで弾くのとでは弾き方が違うし・・・
返信する
従来とは違うオーケストラの形態 (管理人)
2008-12-03 20:00:28
オーディションまでは誤解ではないと思いますが、ようつべ的には普通にやるのでは意味がなく、仮想オケという新しい形態をタン・ドゥンの新作で試すところに宣伝効果を期待してるのでしょうし、カーネギーはかなり先の段階の一種エサのようなものだと思います。収録機器は、確かに(;^_^A
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