○クーベリック指揮チェコ・フィル(supraphon)1945/12/13live・CD
クーベリック/チェコ・フィル時代の録音の一つだが、クーベリックらしく雑味も厭わずつんのめり気味に突っ走る演奏でそういうのが好きな向きには聴いていただきたい。とにかく感情的に突っ走るので弦が必死に追いつこうとがんばる(しかもこの時代のチェコフィルなのでなんとかついていっている)一方、木管が最初からピッチがあわずテンポも後ろ向きでミスも散発。録音がそんなによくはないので音の詳細はわからないが、そういう詳細にこだわらないライヴを繰り広げる指揮者なのであり、楽曲のフォルムが崩れても気にしない人なのであり、興奮するか噴飯するかはクーベリックの、まだ中年の頃の芸風を理解できているかどうかにかかっている。この曲だから、とにかく全編ウィリアムテルなんですよ、ということで早回し映画の劇伴音楽気分で楽しむがよし。縦の揃った演奏ばかりの中、前に倒れかかった演奏ぶりは今では聴けないたぐいのものだろう。終楽章は強引に盛り上がるので楽しい。○。
クーベリック/チェコ・フィル時代の録音の一つだが、クーベリックらしく雑味も厭わずつんのめり気味に突っ走る演奏でそういうのが好きな向きには聴いていただきたい。とにかく感情的に突っ走るので弦が必死に追いつこうとがんばる(しかもこの時代のチェコフィルなのでなんとかついていっている)一方、木管が最初からピッチがあわずテンポも後ろ向きでミスも散発。録音がそんなによくはないので音の詳細はわからないが、そういう詳細にこだわらないライヴを繰り広げる指揮者なのであり、楽曲のフォルムが崩れても気にしない人なのであり、興奮するか噴飯するかはクーベリックの、まだ中年の頃の芸風を理解できているかどうかにかかっている。この曲だから、とにかく全編ウィリアムテルなんですよ、ということで早回し映画の劇伴音楽気分で楽しむがよし。縦の揃った演奏ばかりの中、前に倒れかかった演奏ぶりは今では聴けないたぐいのものだろう。終楽章は強引に盛り上がるので楽しい。○。