湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ラヴェル:ダフニスとクロエ第二組曲

2006年11月20日 | ラヴェル
○ストコフスキ指揮LSO、LSCH(london)1970/6・CD

とにかくストコのダフ2はいいので聴いてみてください。とにかくいじり倒しているところはともかく興奮のしっぱなしなのである。といっても猿のように興奮しっぱなしとか中学生のように興奮しっぱなしというんではない。脳が興奮しっぱなしである(一緒だ)。盛り上げ方がほんと巧い。この楽曲に加えた無茶なうねりをオケに施す、手綱さばきは真似できないレベル。マーベラス!<欧米か!音の一個一個をおろそかにせずそれぞれ極めて明瞭に響かせ、金属質の感はあるものの(つまり人工的な感じは否めない)総体の響きの中に合唱をゴージャスに織り交ぜるさまはまさにハリウッド映画音楽を思わせる。いや、昔は勘違いが多かったんだけど、ハリウッド音楽を造ったのは寧ろ「ストコらアメリカで活躍したクラシック音楽家のほうなのだ」。あのイメージはすべてこの人たちのしわざの延長上にある。作曲家ではラフマニノフの影響などもそこに含まれよう。この最後の合唱だけ高らかに残してドスンとやる編曲にはいささかやりすぎの感もあるが、しかしハリウッド映画でこのパターンの曲って多いではないか。あれもストコらの発明なのである。本末転倒な論説が多いのでちょっと書きました。スタジオ録音ゆえちょっと引いた感じもあり、主情的な盛り上がりには少し欠ける部分で○にとどめておいた。

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